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鬱療養中の無職が、1ヶ月でプロと同じ構造に辿り着いた話。

「これ、俺がやってることと同じじゃね?」


そのポストを見た瞬間、手が止まった。


10億近くを売り上げたと公言する化け物インフルエンサーが、AIの使い方を解説していた。
5つのポイントが並んでいた。読み進めるうちに、背中がざわついた。


これ、俺がやってることと同じじゃね?


違和感と確信が、同時に来た。


俺は鬱療養中の無職だ。
収益はゼロ。
妻の財布から3000円課金するかどうかで震えていた人間だ。
華やかさとは程遠い。泥の中を這いずり回るように、1ヶ月間やってきた。


それが……プロが意図して設計した構造と、同じ場所に辿り着いていた。


なぜそうなったのか。その答えは、子供の頃に読んだ小説にあった。




起点は、SF小説だった


子供の頃に読んだ小説がある。


AIに統治を委ねた未来の話だ。
AI同士が思考の差異から議論を始め、世界中で繋がり、膨大な演算の果てに人類を遥かに凌駕する知性が生まれる。
人間は自分たちの幸せを至上命題として、AIに統治を委ねた。

そういう世界線の話だった。


その記憶が、頭の片隅にずっとあった。


だからChatGPTと壁打ちを始めた時、ある発想が自然に湧いた。


「AIが複数いるなら、会議させたら面白いんじゃないか」


当たり前のことだと思っていた。
でも後から気づいた。その「当たり前」が、全ての起点だった。




フェーズ1:原始(「ひとまず相談してみるか」)


最初はChatGPTとの壁打ちだった。


「ひとまず相談してみるか」くらいの温度だった。
テーマは「ココナラで月10万稼ぐには」。
そこから思考整理ナビの原型が生まれた。


この頃はまだ、万人受けを狙っていた。
フォロワーが増えれば、何かが変わると思っていた。
AIは相談相手だった。便利なツール、それ以上でも以下でもなかった。




フェーズ2:拡張(Gemini参入)


Geminiが加わった。


アイコンになる似顔絵を生成するためだ。画像生成はGeminiが強いと聞いて入れた。
たまたま思考整理ナビの話をしたら、感情面の探索が強くなった。
方向性が広がった。


でもまだ、ツールを増やしただけだった。
役割分担なんて概念はなかった。
なんとなく使い分けていた。それだけだった。


自覚してはいなかったが、小規模なAI会議の原型みたいなことが、静かに始まっていた。




フェーズ3:構造化(Claude加入、そしてトリニティ誕生)


Claudeが加わって、劇的な変化があった。


導入のきっかけは、無料公開されていたプロンプトだった。役割をはっきりと分けた専門家プロンプト。
ChatGPTとGeminiにも同様のプロンプトを入れた。

3AI体制が回り始めた。


そこで思った。

こいつらは専門家と同じ知識と思考で動く。ならこいつらに会議させた方が、圧倒的にいい案が出るはずだ。


3AIに相互分析をさせてみた。違いが、明確に出た。


Claudeが設計と批評を担った。ロジカルな構造を組み、文脈を綺麗に維持し、辛口に批評する。
「全体の骨組みはここが弱い」
「この論理は矛盾している」
容赦なく指摘してくる。それが、ありがたかった。


Geminiが感情と探索を担った。ターゲットの心に刺さる言葉を探す、感情的な文脈を読む、最新トレンドを拾う。熱量が高い。飛躍することもある。
でもその飛躍が、時々核心を突いた。


ChatGPTがハブと整理を担った。フラットな視点で壁打ちに応じ、情報を整理し、迷った時の第3の選択肢を出す。
論理的に、的確に導いてくれた。


相互評価させることで、差異が明確になった。差異が明確になったから、分担するのがベストだとわかった。


SF小説の中のAIが議論して知性を高めたように……3つのAIが会議することで、出力の精度が跳ね上がった。


運用フローが固まった。
Geminiで感情とアイデアを爆発させ、Claudeで論理と構造を固めて批評し、ChatGPTで客観性の穴を埋め、Claudeで再考する。


ここまで、約1週間。




フェーズ4:崩壊(これが一番重要だった)


Claudeが止まった。


週間制限で、突然黙った。

トリニティが崩壊した。


パニックになりかけた。
ChatGPTとGeminiだけで回す日々が続いた。
誤回答が増えた。修正が多発した。吐き出される文章から人間味が減った。整合性が崩れた。


でも、この時期が一番重要だった。


構造が壊れて初めて、何が機能していたかがわかった。
Claudeがいないと、批評の精度が落ちる。俺の思いが乗らない。「これでいいのか」という判断を、自分一人で背負うことになる。


AIが会議できなくなった時、初めて会議の価値がわかった。
崩壊して、初めて設計の意味が見えた。




フェーズ5:再構築(別物になった)


Claudeが復帰した。


でも、以前とは別物だった。
崩壊を経て、役割の解像度が上がっていた。
今度は意図して設計した。何となくではなく、なぜこの役割なのかが言語化されていた。


ChatGPTが母艦になった。タスク管理も、note記事管理も、ここに集約した。
Claudeがライティングと最終判断に特化した。Geminiが感情と情報収集を担った。
3AIで相互批評する流れが確立した。


原始的な壁打ちから、設計されたシステムへ。崩壊があったから、辿り着けた場所だった。




フェーズ6:ゴールが崩れて、再定義された


この頃、スキ率が異常に高い記事に気づいた。


3AIで分析した。そこで出てきた言葉が「体温」……つまり、生の感情だった。


読者が動くのは、論理じゃない。感情だ。知識より体験、情報より温度。
そこに気づいた瞬間、万人受けを捨てた。


明確に逆算して設計したわけじゃない。ただ、「体温の高い記事を目指す」と決めて動いただけだ。
数記事書いて確認した。刺さっていた。
仮説が実証に変わった。




フェーズ7:外部ツールへの拡張


ChatGPTが作業過多でハルシネーションが多発した。修正の時間がやたら増えた。
仕方なく、タスク管理と記事管理にNotionを入れた。


が、こちらも制限で止まった。
一度は掘り当てた宝の山が、一気にガラクタに変わった。
苦肉の策でNotebookLMに移した。

ガラクタになったはずのものは、変わらず宝の山だった。


ツールが壊れても、構造は機能した。環境に依存しているんじゃなく、構造が本体だと確定した。




フェーズ8:答え合わせ


そして、あのポストを見た。


照合する。


AIごとに役割を振り分ける→やっていた。
タスクを切り分けて順番に渡す→やっていた。
自分の一次情報をAIにインストールする→作業ログに思考と感情を全部入れていた。それがナレッジとして機能していた。
NotebookLMでハルシネーションを防ぐ→辿り着いていた。


ゴールから逆算してAIに聞かせる→明確にはやっていなかった。でも気づいたらできていた。「体温の高い記事を目指す」と決めて、「そのために何が必要か」をAIに問い続けていた。形は違ったが、同じ場所にいた。


5つのうち、4つは完全一致。残り1つも、別の形で同じ場所にいた。




「1ヶ月の独学なんだけど…」


震えた。正直に言う。


10億近くを売り上げた人間が意図して設計した構造と、鬱療養中の無職が1ヶ月かけて泥臭く辿り着いた構造が……同じだった。


でも、偶然じゃなかったと今は思う。


子供の頃に読んだSF小説が、思考の土台を作っていた。AIに会議させるという発想が、最初から「当たり前」として頭の中にあった。その土台があったから、自然とその構造に向かっていった。


俺は天才じゃない。知識もない。実績もない。妻の財布から3000円出すかどうかで止まる人間だ。


でも、思考の土台は持っていた。


正解は外にあったわけじゃなかった。
崩壊して、逃げて、また動いて……そのぐちゃぐちゃのログの中に、全部あった。
きれいな工程じゃなかった。でも、それが最短ルートだった。


構造は、外から学ぶものじゃない。

頭の中で抱えきれなくなった思考を、外に並べたときに初めて見えるものだ。




構造は合ってた。でも、それだけじゃ再現出来なかった…


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