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「受注は電話、配車は手書き」——ガソリン輸送会社の社長が気づいていない、じわじわ効いているロスの話


今日も電話が鳴る

朝、電話が鳴る。商社からの受注だ。日付、時間帯、納品先のガソリンスタンド、油量。担当者はそれをメモに書き留め、情報が揃ったら配車担当に回す。配車担当は手元の紙を見ながら、ドライバーの空き状況を確認して配車表を手書きで埋めていく。

月末になると、今度は顧客ごとに請求書を手作業で作る。Excelを開いて、その月の取引を一件ずつ拾い上げながら。

この光景、珍しくない。燃料輸送の現場では、こうしたアナログな運用がいまだに主流だ。


「ずっとこれでやってきたから」の落とし穴

問題は、この運用が機能していないわけではない点だ。電話で受注を取り、手書きで配車表を作り、月末にExcelで請求書を出す。それで業務は回っている。

だからこそ、見えにくい。

電話を受けながら別の作業ができないこと。配車表を手書きで作るたびに、ドライバーの空き状況を頭の中で整理し直すこと。請求書を作るたびに、その月の取引を一から拾い直すこと。これらは「業務」としてカウントされているが、実態は情報を何度も手で移し替えているだけだ。

同じ情報を、受注時に一度書き、配車表に転記し、請求書にまた転記する。3名で回している現場なら、この転記作業がじわじわと時間を奪い続けている。


「断る可能性のある顧客」を頭で管理するリスク

燃料輸送の受注には、独特の事情がある。すべての顧客を同列に扱えるわけではなく、「必ず受ける取引先」と「状況によっては断る取引先」がある。

これを今、どうやって管理しているだろうか。多くの場合、担当者の頭の中だ。長年の経験で「この会社は優先」と分かっていても、それが文書化・システム化されていなければ、担当者が不在のときに判断できない。新しいスタッフが入ったとき、引き継げない。

属人化した判断基準は、組織の弱点になる。


ドライバー10数名の配車を、紙で最適化するのは限界がある

配車業務は、一見シンプルに見えて実は複雑だ。ドライバーの空き状況、積載量、納品先までの距離、時間帯の指定——これらを同時に考慮しながら、最適な割り当てを決めなければならない。

これを紙とペンでやるということは、毎回担当者の頭の中でパズルを解いているということだ。慣れた人なら素早くできるかもしれないが、その人が休んだら?急な受注変更が入ったら?

紙の配車表は、変更に弱い。一か所変えると、連鎖的に他の部分も変わる。その都度、表を書き直すか、修正の書き込みで読みにくくなっていく。


システム導入で変わること

受注から配車、請求までを一元管理できるシステムを入れると、業務の流れがこう変わる。

顧客から受注が入ったとき、システムに日付・時間・納品先・油量を入力する。それだけで、配車に必要な情報が自動的に整理される。ドライバーの空き状況や積載量を確認しながら割り当てができ、配車表はシステム上で管理される。月末には、その月の受注データをもとに顧客ごとの請求書を自動で出力できる。

入力は一度。あとはシステムが情報を引き回してくれる。

さらに、取引先ログイン機能があれば、商社側が直接システムに発注を入力できるようになる。電話で受けてメモする、という作業自体がなくなる。


IT導入補助金で、初期費用の負担を抑えられる

「システム導入は費用が心配」という声をよく聞く。確かに、スクラッチ開発で一から作れば数百万円規模になることもある。

ただ、パッケージ製品を活用し、さらにIT導入補助金を使えば、初期費用の負担を大幅に抑えられる。IT導入補助金はクラウド型のシステム導入に活用できるケースが多く、申請サポートに対応しているベンダーに相談すれば、補助金の手続きも含めて進めることができる。

まずは費用感を把握して社内で検討したい、という段階でも相談に乗ってくれるところがほとんどだ。


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