2024/07/19 戦いすんで日が暮れて 佐藤愛子著
映画「九十歳。何がめでたい」を観た流れで、佐藤愛子著『戦いすんで日が暮れて』を読んでみたくなった。佐藤愛子さんが、昭和44年、第62回直木賞を受賞した作品である。
およそ半世紀前に書かれたものだ。その頃、私自身はまだ高校生で、社会に出て働いていはいなかった。世間の厳しさを全く知らずに、のんびり、ぼんやり日々を過ごしていた。
当時、佐藤愛子さんは40代。彼女がもがきながらも強く逞しく生きる姿を描いた私小説である。
女性が社会に出て男性と同等に働くことに制約がなくなり始めた頃ではあるが、専業主婦も多く、パートタイムで働くのがせいぜいだった。今のようにほとんどの女性が子供を預けて男性同様に働くという世の中にはなっていなかった。
小説の中では夫の会社が倒産し、妻が2400万円の借金を背負って、返済に約6年の歳月が必要だったと書かれている。50年以上前のことだ。女性が6年で2000万の借金を返すのは、すごいことだ。
生来、体が丈夫にできているのかもしれないが、ボケることなく百歳まで元気でいられる秘訣は、やはり精神力、気持ちの強さだろう。
病は気から。気は持ちよう。よく言われることだが、自分が歳をとってみると、これがなかなか難しいことだと実感する。ぼちぼち、私なりにだが、強く、そして明るく生きたいと思った。
