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私の「推し」が教えてくれたこと

「植田正治」をご存知だろうか。
日本を代表する写真家で、鳥取砂丘で撮影された「砂丘モード」と呼ばれるシリーズが代表作。その氏の写真展が、7月いっぱい「新宿 北村写真機店」で開催されていた

その「砂丘モード」シリーズの一部。
出典:Amazon
出典:Fashion Press

家族やモデル、時には自分自身も、まるで「ひとつのオブジェ」のように砂丘へ配置する演出写真。当時の写真界に大きな衝撃を与えたというそのスタイルは世界でも高く評価されたようで、1996年には写真発祥の地フランスで芸術文化勲章を受章している。

ご家族と植田さん本人(一番左)
出典:Amazon

私はその植田さんが大好きなんだけど、その写真展のことをすっかり忘れていた! 最終日の7月31日、妻から「あれ見た?」のリマインドがあり、閉館間際の18:00ごろ滑り込むようにしてその世界にひたってきた。

6月の時点ですでに告知を見てたけど、最近は時間が経つのが本当に早くて焦った😅

私が初めて植田さんの写真を目にしたのは、たぶん高校生か20代の頃。駅のコンコースに貼られていた、PARCOの巨大な横長ポスターだった。今思えば、あれがまさに『砂丘モード』との出会いだったんだなぁ…

出典:関西写真部

当時の私は、写真にもカメラにも全く興味がなかった。けれど30代になり、週末に社会人向けの写真学校へ通い始めたことで、再び「植田正治」の作品に巡り会うことになる。

撮影許可をいただきました。

ある日、学校の受講生たちによるグループ展を見ていた時のこと。ひとつの作品が、強く心に引っかかった。
それは、Excel書類を印刷するようなコピー用紙にプリントされていて、正直、画質はかなり残念な感じ。でも構図がとにかく独特で、面白かった。

お宝の山🤤
初めて見た銘柄👀

後日、その写真展の話題になった際、「あの(画質が残念な前述の)作品、結構好きだった」と話すと、その場にいたひとりが言った。

「ああ、あれは植田正治のオマージュだよ」

「ウエダショウジ?」

お名前のテプラが貼られてるのがなんともかわいらしい
と言ったら失礼?

とっさにスマホで検索して画面に現れたのが、あの砂丘の写真だった。

その日、帰りの電車ではずっとスマホで(パケ代も気にせず)植田さんの写真ばかり見ていた。そして当然の流れで、植田正治という人物像を調べ始める。

機材を少し売って、写真集を買い漁り、氏のエッセイ本も読んだ。
解説している人のブログを見たり、美術館のキュレーターの人の解説なども見た結果、自分の中でひとつの答えに辿り着く。

私の植田正治コレクション(の一部)

それは「自分の好きな世界観は自分で作って良い」ということ。

スナップやドキュメンタリーのように、目の前に存在する一期一会の瞬間を切り取るのが主流だった昭和前期〜中期。植田さんは事前に絵コンテを描き、綿密にセットアップし、モデルにメガホンで指示を出しながら撮影をしていた。

つまりそれは、
自然には、あるいは偶然には存在しない構図を自分で計画して作り、それが元からそこに在ったかのように撮る。

写真集「砂丘」と、その絵コンテ。
新宿北村の展示会場にて

時代の「普通」にとらわれず、自分の「面白い」を信じて貫くこと。そういう植田さんの美学と「自分に正直なモノ作り」に深く共感する。

令和の今、こうした「自分流」を追求するクリエイターや表現者が増えていると実感する。だから今の日本の漫画やアニメ、スポーツ選手が世界を席巻し始めているんじゃないか。そんな気もしている。

なんだか、すこし話が大きくなってしまったけど、以上、私が心からリスペクトしている「推し」の写真家の話でした。

使用カメラ:Panasonic LUMIX G100D
レンズ:LUMIX G 20mm f1.7(初期型)


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