絵本のある暮らし第4回ー「とっときのとりかえっこ」
昨年は子供たちの世話が一段落し、ひとりの時間を楽しむことに、
思い切り時間を使った一年でした。
「次は何に挑戦しようか?」
そんなワクワクした気持ちで迎えた2026年。
ところがどっこい。
人生はそんなに都合よくは進みません。
『親の介護問題』…
「このタイミングで?」
って思いましたが、世の中には小さな子を抱えて、この問題に直面している方も多いことでしょう。
ちょうど区切りのついた今だから、よかったと思うことにします。
そんな折に思い出した本がこの
「とっときのとりかえっこ」
です。
📗 絵本紹介
タイトル:「とっときのとりかえっこ」
文:サリー・ウィットマン
絵:カレン・ガンダーシーマー
訳:谷川 俊太郎
出版社:童話館出版
📖あらすじ
バーソロミューおじいさんと、小さな女の子ネリーはお隣どうし。ネリーが赤ちゃんのときは、バーソロミューが乳母車を押して散歩に連れていってくれたり、遊んでくれたり…。でも、月日が流れて、ネリーが学校に通うようになると、今度はネリーが、バーソロミューの車椅子を押して…。年令や性別など、さまざまなものを超えた心の通い合いが描かれます。
この絵本が静かに語っているのは、「お世話をする側とされる側」は、いつか自然に入れ替わっていく、ということです。
🧸 わが家のエピソード
私は小さいころ、扁桃腺が弱くちょっとが咳が出るなと思うと決まって40度の熱を出していました。
記憶は定かではないのですが、1~2か月に1度くらいの頻度だったのではないかと思います。
そのたびに往診で注射を打たれ、頭に氷嚢をのせられていました。
そして首には「ネギ塩」!!
手ぬぐいに長ネギと塩をのせてくるりと巻き、首に湿布するのです。
「なんだそれ!?」と思った方もいると思いますが、のどの痛みをとるための当時の民間療法だったようです。
おかげで、母も私も、ねぎが大っ嫌いになりました(笑)
成長するにつれて頻度はずっと減りましたが、扁桃腺の弱さは高校生になって手術するまで続きました。
のちに、自分が子供達の発熱で慌てずにいられたのは、いつも夜通し看病してくれた母の姿があったからなのだと思います。
社交的で家にいるのが苦手だった母が、10年前心臓の大病を機に家にこもりがちになりました。
それでも、ひっきりなしに友達が家に顔を出している間は何の心配もなかったのですが、そのお友達も、一人また一人とお空へお引越ししていき、近頃は訪れる人も役所の方がほとんどだったとか。
出歩くことがなくなり、記憶の密度が減っていっているようです。
電話の声は変わらずとも、その後ろにある寂しさを思うと胸がきゅっとなります。
車で2時間の距離を近いとみるか遠いと思うか…
幼い日に看病してくれた母を、今度は自分が看る番が来たのだと、すんなり思うことが出来たのも、この本のおかげなのかもしれません。
バーソロミューとネリーのように、自然に明るい気持ちで過ごせるといいな、と思います。
日々の暮らしのなかで、こうした人生の節目にそっと寄り添ってくれるのが、絵本の力なのだと、この一冊が教えてくれました。
同じように節目を迎えている方に、ぜひ手に取っていただきたいと思います。
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絵本は、子育ての道具であるだけでなく、
人生の節目に、そっと寄り添ってくれる存在でもあります。
もし、今日のお話が、
ご自身の記憶や、家族の風景とどこかで重なったなら――
この先の物語も、きっと楽しんでいただけると思います。
「絵本のある暮らし」はマガジンとしてまとめています。
第1回から続けて読むことで、
絵本とともに変化していく“暮らしの時間”が、ひとつの物語として立ち上がってきます。
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