見出し画像

絵本のある暮らし第6回ー「あるきだした小さな木」

🎁 日常のひとコマ

今いる場所が、間違っているわけではない。
人間関係が悪いわけでも、環境が極端に苦しいわけでもない。

それでも、どうにも居心地が悪い。
まるで、自分の形だけがそこに合っていないような感覚。

「ここじゃないどこかがある気がする」

そんなふうに思ったことはありませんか。

「もっと自分に合う場所があるはず」
「ここが終着点じゃない気がする」

理由ははっきりしないのに、心だけが少しずつきしんでいく。

私にも、ずっとそんな感覚がありました。



📗 絵本紹介

「あるきだした小さな木」
作者:ボルクマン
絵:セリグ
訳:花輪 莞爾
出版社:偕成社
およそ6歳から

📖あらすじ
小さな木は人間と一緒に暮らしたいと思い、森からぬけだして歩き始めました。さまざまな人間に出会って成長する小さな木の物語。

偕成社HPより


🧸 わが家のエピソード

はるか昔(笑)、高校時代の社会科の授業で、
今でも忘れられない場面があります。

授業の内容はまったく覚えていないのですが、
教師がクラス全体に向かって、こんな問いを投げかけました。

「みなさん、自分が自由じゃないと感じたことはありますか?」

たぶん、思想や行動が制限される国の人たちとの比較としての問いだったのだと思います。

教室には、いわゆる「おりこうさん」が多く、
教師はすぐにこう続けました。

「ないですよね!」

あのとき、40人以上いた教室で、
その言葉に異論をはさむ生徒はいなかったと思います。

好きなときに好きなものを食べ、
好きな服を着て、好きな歌を歌う。
確かに、それは「自由」なはずでした。

それでも私は、心のどこかで

「ちがう」と感じていました。

「自由じゃない」と言いたかったのではありません。
ただ、

自分で選んで、ここに立っている気がしなかった

その感覚が、どうしても消えなかったのです。


📘 絵本を読んで思ったこと


『あるきだした小さな木』の木は、
今いる場所を嫌って歩き出したわけではありません。

逃げ出したわけでも、追い詰められていたわけでもない。

ただ、
「ここ以外でも生きてみたい」
そう思っただけなのです。

この木は、
「より良い場所」を探しているようでいて、
実は、自分で場所を選ぶことを始めただけなのかもしれません。


🌱 おわりに


あの授業の日から、40年以上が経ちました。
今でも私は、
「あなたは自由ですか?」と聞かれて、
即座に「はい」と答えることができません。

でも、こう思うようになりました。

自由かどうかよりも、

自分で選ぼうとしているかどうか

動いたから答えが出たのではなく、
選ぼうとしたから、道が見えてきた。

小さな木の一歩は、
そんなことを、静かに教えてくれた気がします。



🛒 購入リンク

「あるきだした小さな木」はこちらから
👉楽天でみる



もし、今日のお話が、
ご自身の記憶や、家族の風景とどこかで重なったなら――
この先の物語も、きっと楽しんでいただけると思います。

「絵本のある暮らし」の記事は、マガジンでまとめて読むことができます。こちらからどうぞ。

🌿よろしければこちらもどうぞ。

🧸木のおもちゃと絵本を通して、子どもと過ごした時間、その先に続く大人の時間を見つめる連載マガジンです。
遊びと読書が、どのように暮らしと心を育てていくのかを、実体験をもとに綴っています。


#絵本のある暮らし #子どもと絵本 #育児エッセイ 
#あるきだした小さな木 #大人も楽しむ絵本 #人生の選択 #50代からの暮らし #心に残る一冊   #絵本エッセイ #絵本


いいなと思ったら応援しよう!

かぜの みち香 よろしければ応援お願いします! いただいたチップは今後の活動の質の向上のために使わせていただきます!