9. 都市に川あり、どうして?
小学生の頃、社会科の時間。地図を見ながら環太平洋ベルト地帯とか聞きながら不思議に思ったのが大きな川の河口には大きな街があること。
特に答えを見いだす事もせず時は過ぎて…。
こんにちは、加来各論です。
そんな訳で今日は川にまつわる話です。
話は縄文・弥生時代に遡ります、あくまでもわたしの合理的推察の範疇ですが…。
海洋民は船で1週間前後の日程で海洋生活を経て海沿いの集落を商材を持って転々とします。
流浪の民 / drifters
恐らく最初は漁師で沖で知り合ったり、近場の寄港地で知り合ったり水を分けてもらったり魚を渡したりで交流が始まり、やがて婚姻関係が生まれ、物品、便りの代行輸送などが進化して貿易商、貿易船となったと思われます。
日本海という大きな湖の黒潮を利用して環流移動していたのでしょう。
こんな背景から彼らには「国という概念」よりは「違いが大きいほど物が売れる」程度にしか意識していないと思われます。

石器時代、狩猟に使える黒曜石は重要な商材で産地毎に石に特徴がみられるので物を見ればどこ産か判断できます。
九州は大分県姫島産は白みがかっているので見た目でわかります。佐賀県伊万里市の腰岳産は東は関西、南は沖縄、西は韓国と広い地域で確認されています。海洋族の連携範囲がわかるかと思います。(そこまで移動したとは思いませんが。)

水をもらえる集落があればいいのですが、無ければ腐らない綺麗な湧き水を自前で確保しないといけません。
まず海沿いの大きな入り江を探し、奥に進みながらそこに流れる大きな川を物色する。めぼしい川を遡りながら浅瀬になればその辺の萱を束ねてカヌーを作り水源を求めて更に遡上します。
水を持ち運ぶためには土器が必要ですから土器班(土師氏)は河口に残り、滞在施設を作りしばし土を集めて土器を焼きます。
→住宅と加工工場の設置
焼物には失敗はつきもの、失敗すると割れたり、土器の底が溶けて焼けた藁の中にノロ(溶解物)が溜まります。
溶けて固まったノロを見るうちに手に取って眺めたり投げたりする事になります。
石に投げつけると鋭く割れた。(ガラスの発見)
キーン、割れない、硬くて強いね。(鋼の発見)
砂の中にきらきら光る粒が。(金の発見)
ノロは地面の形を転写します。これを見て…最初から型を作って流し込んだら加工なしで形を作れるんじゃない?

202508 九博の宝展より
こんなことをしながら土師氏は鉱物資源の分布を知ることになります。
→鉱物資源と積み出し港を押さえる。
こんな様子が見れる場所が福岡県にあります。
遠賀川一帯になります。縄文時代は遠賀川一帯は山に挟まれた穏やかな湾で海洋族が盛んに交流をしていたそうです。

河口には芦屋、上流域には直方、宮若、飯塚、田川とかつて鉱物資源で栄えた街が川沿いに集結しています。

芦屋では良質な鋼、たたら鉄が採れたそうで早炊きの鉄窯、刀剣は大陸への輸出品だったそうで、茶道の指定窯2ヶ所のうちの1つ、芦屋窯の産地になります。

上流の田川には香春三岳があり採銅所という地名が残っていますが和同開珎、奈良の大仏の銅を分析に掛けた所、採銅所産だったことが解っています。

こういった事実から古代から海人主導で以下の順で街が形成されたことが解ります。
湧き水/水源確保
葦原の利用
宅地開発、水の供給基地
加工 / 土器生産
職人育成
ガラス、貴金属類の発見
鉱物資源の開発(資源地の奪い合い)
労働者確保
住宅開発
交易品として積み出し港の整備
道路整備 / 資源輸送ルート
輸送(帆船, 鉄道, トラック)
交易用加工施設の拡大
人口増加と都市構想
都市の再開発
このパターンは樟脳・綿・絹・鉱物と素材の差はあれ上流から下流の流れが見られます。
利根川 高崎(資源)/ 野田(集積)/ 東京
(木工・出荷)
木曾三川 飛騨高山(資源)/ 岐阜(集積)/ 名古屋
(木工・出荷)
筑後川 金山(資源)/ 日田(集積)/ 筑後、中津
(木工・出荷)
恐らく工場で上流工程、下流工程というのはこの辺の川を中心として分業型都市形成がなされた歴史から来ていると推察します。
資源地の奪い合いでは敗者側は下部組織に組み入れられ、主従関係が生まれます。勝者側が外敵侵入で敗者となると搾取の皺寄せは元敗者側に及ぶ様です。欧州の姿にも見て取れます。
都市は海洋族が作ったものなので彼らが売りたいものを軸に都市は形成されていきます。
売るものが変われば当然新しい売りたいものを作る為の都市が生まれ、過去の都市は作られたものですからエネルギー注入しないので廃れます。
また海洋族は朝廷を後ろ盾に水軍となり横の連携も持ちながら外交にも関わりますが途中から外交利権を幕府が奪う様な流れも見られたりしますがそういった繰り返しは世界中で起きます。
奪った後は、人のものを奪う事は悪という風潮を作り世論を固定して完成、とても巧妙な印象を持ちます。
結論 / Conclusion
全ては豊富な湧き水から始まる。
注意 スキ・リンク歓迎、不許複製転載、応談可。
*写真は芦屋窯の里
