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実録出張回想録 国内編vol.01

腐ったミカンとレジェンドの邂逅

海外営業部門で勤務し10年ーー。
「どこでもいい、ここじゃない場所へ!」
人事部に叩きつけた異動届は、私の切実な悲鳴だった。
海外部門の新たな本部長との、埋めようのない溝。反発し、衝突し、疲れ果てた末に掴み取ったのは、希望の光か、あるいはさらなる混沌への入り口か?
「間接部門に置けば害を及ぼす。目の届く関東で監視下に置け!」
そんな、およそ歓迎とは程遠い「期待」を背負い、私の国内営業行脚は幕を開けた。

楽園か、あるいは監獄か?
47都道府県、日本の「食」と「農」を支える広大なネットワーク。そこが私の新しい戦場だ。
海外営業という荒波に揉まれてきた身からすれば、国内は一見、天国のように思えた。
• 言葉が通じる。(なんて楽なんだ!)
• 移動が短い。(なんて快適なんだ!)
• 時差がない。(体が軽い!)
• 何を食べても安全。(これぞ至福!)
•身の危険が少ない。(これ凄いよ!)
しかし、光があれば影もある。
手に入れた快適さと引き換えに、私は決定的なものを失った。

**「自由」**

である。
どこへ行こうと足はつき、自分のペースは団体行動の渦に飲み込まれる。商売の作法は180度異なり、緻密で、そして……ひどく面倒くさい。メンタルを蝕むストレスの予感に、私は眩暈を覚えた。

「腐ったミカン」の終着駅
配属先は国内営業部門で最大の売上を誇る関東支店、担当は千葉と埼玉。
そこには、海外部門の変人たちをも凌駕する「個性」という名の怪物たちがうごめいていた。
私の直属の上司。その男は、つま先から脳天まで営業という名の酒にどっぷりと浸かった、数々の武勇伝……もとい「逸話」を持つレジェンドだった。社内屈指の嫌われ者として名を馳せる男の下に、なぜ私が配属されたのか?
答えは明白だった。
「組織に馴染めない“腐ったミカン”は、一箇所に集めて隔離せよ!」
会社が下した非情な、あるいはあまりに合理的な審判。
はみ出し者の上司と、居場所を失った部下達が集まる“烏合の衆”。奇妙で、危険な落武者達の荒業が始まろうとしていた。
国内営業一年目。。
未知なる日本という名の「異国」で、私は一体何を見るのか?
波乱の幕開け。物語は、まだ始まったばかりだ。

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