【⚽ FOOTBALL #2】海外トライアルはどのように進むのか
海外トライアルはどのように進むのか
「海外トライアルに参加すれば契約できる。」
そう思われることがありますが、実際はそれほど単純ではありません。
私は25年以上ドイツでサッカーに携わり、選手、クラブ、監督、強化担当、そしてマネジメントというさまざまな立場から、多くの海外トライアルを見てきました。
海外トライアルは、一日だけで結果が決まることもあれば、数日から数週間かけて評価されることもあります。
また、予定変更やクラブ側の事情も多く、日本のようにすべてが計画通りに進むとは限りません。
一般的には、次のような流れで進んでいきます。
① クラブとのコンタクト
まずは選手のプロフィールやプレー映像をクラブへ送り、興味を持ってもらうことから始まります。
その後、監督や強化担当と話し合いを重ね、トライアル参加の可否や日程を調整していきます。
② 練習参加
チーム練習に参加し、技術だけではなく、戦術理解、判断力、フィジカル、コミュニケーション、プレーへの姿勢など、さまざまな面が評価されます。
③ 試合での評価
可能であれば練習試合や公式戦でプレーし、実戦の中でどのようなパフォーマンスを発揮できるかが重要になります。
ただし、試合出場が保証されているわけではありません。
クラブの事情や登録、相手チームとの調整などによって、予定が変更されることもあります。
④ クラブ内での検討
評価は監督一人で決めるものではありません。
強化担当やクラブスタッフなども含め、チームの補強ポイント、予算、外国人枠、将来性などを総合的に判断し、契約するかどうかを検討します。
⑤ 契約交渉
評価を得られた場合に初めて契約条件の話が始まります。
ここで初めて、契約期間や条件など具体的な交渉へ進みます。
そして、ここで大切なのは、トライアルは「契約を保証する場」ではなく、「評価を受ける場」だということです。
海外では予定変更も珍しくありません。
監督が変わることもあります。
補強方針が変わることもあります。
クラブの事情で話が止まることもあります。
だからこそ、選手自身がコントロールできるのは、目の前の練習や試合で全力を尽くすことだけです。
また、育成年代、プロを目指す選手、そしてプロ選手では、クラブが求める基準やスタンダードは異なります。
しかし、どのカテゴリーにも共通していることがあります。
それは、与えられた時間の中で自分の価値を示すことです。
一方で、マネジメントや代理人の役割も非常に重要です。
クラブへ選手を紹介するだけではなく、監督や強化担当、クラブ関係者と継続的にコミュニケーションを取りながら、クラブが何を求めているのか、どのような評価をしているのかを確認し、選手にとって最適な環境を探していきます。
長年にわたって築いてきたクラブとの信頼関係や人脈も、新たなチャンスをつくる大切な要素の一つです。
しかし、どれだけ良い機会を用意できても、そのチャンスを掴めるかどうかは最後は選手本人です。
海外トライアルは簡単ではありません。
だからこそ、一回一回の練習、一回一回のプレー、そして一つひとつの出会いが、次のチャンスにつながります。
海外挑戦は、一度の結果で終わるものではありません。
信頼関係を築き、挑戦を続け、一つひとつの経験を積み重ねること。
私は25年以上ドイツで活動する中で、それこそが海外で道を切り開くために最も大切なことの一つだと感じています。
