鉄道写真家 マイ・カメラ 偏歴

写真家にとってカメラは単なる道具というよりも相棒と言った方がいいかもしれません。プロになってよく聞かれるのが、「どこのメーカーを使っていますか」か「どの機種がおすすめですか」という質問です。今はニコンのZ8を主力として使っていますが、結構いろいろなメーカーのカメラやレンズを使っていました。


元もと鉄道好きな少年だったのですが、明確に意思をもって撮影したのはこの時が最初でした。夏休みの終わりに祖父に連れて行ってもらった東京駅。7歳のときなので、他の人に比べると遅い方かもしれません。柵の間からコンパクトカメラ(コニカ)を使って必死に撮っています。この後から、祖父と一緒に、梅小路蒸気機関車館や小樽交通記念館、あそBOYの最終日など旅行と撮影を楽しむことになります。その最初のきっかけとなった一枚です。


中学生になるともっと本格的な写真が撮りたくなり、初めて一眼レフを買ってもらいました。ニコンのF100です。今でも手元に置いてあります。当時ライトユーザー向けの一眼レフが6〜8万程度でしたが、祖父が「道具はいいものを使え」と20万円もするカメラをポン!と買ってくれたのです。カメラのキタムラで。5年保証つきで。

いきなり高価なカメラを買ってもらったので、頭はパニック。「本当に使っていいの?」「いじって壊れない?」「今回はコンパクトカメラでいいや〜」と、中一の坊主には触るのも恐ろしかったカメラです。本当に自分のものにしていいのか迷う気持ちでいっぱいでした。


F100はF5ジュニアの機種でしたから、今から考えても中学生が持っていいカメラではないと思います。当時はフジフイルムの業務用ネガフィルム36枚撮りが店頭で100円で投げ売りしていた頃。デジタルカメラは非常に高価で、コダックの開発した300万画素のセンサーを搭載したコンパクトデジタルカメラが各社から出回った頃でもありました。祖父からはレンズのフロントキャップを斜めにするのが粋なんだと教えてくれました。


ということでニコンを最初に買ってもらったので、今でもニコンをメインに使っています。



その後、一度だけキヤノンに浮気します。2003年にデジタル一眼レフ10Dが当時としては廉価な価格帯に登場したからです。ここから銀塩(フィルム)とデジタルを併用して撮影を始めました。当時はフィルムvsデジタルの全盛期でしたから、デジタルはあくまでサブとして使っていました。10Dは600万画素なので、とても画期的で優秀でした。8GBと4GBのCFカードをもって400枚も撮れました。夢のようです。

そして2006年ニコンからD80が登場します。これを機にキヤノンは売却。短いお付き合いでした。翌年にはD3も導入し、大学に入学することとなります。


そのころにはレンズにも興味がわき、M42レンズやツァイス、フォクトレンダーなども試すようになりました。大学は推薦入試だったのですが、面接では撮った写真を披露し、Planar T* 1.4/50 について語って合格しました。その時の面接官の一人が卒業までお世話になる甲田教授でした。教授からは「大学に入ったら鉄道以外も撮れるようにならないと駄目だからね〜」と優しく言われました。「はい!頑張ります」と返事したのですが、なぜか鉄道ばっかり撮って生きてます。そのままでごめんなさい。


甲田教授はスチルカメラのみならず、ムービー系にも造形が深くコレクターでもありました。そしていつもニコニコ。優しくて今も目標にしている先生の一人です。その影響もあってか、ニコンの他にもリコーのGXRや、ミノルタマウント時代のソニーα200、中判ではハッセルブラッドの500C/Mなどを使っていましたが、大学卒業とともに使う機会は少なくなってきました。光学系のコレクション欲はあまりなかったようです。でもミノルタの500ミリミラーレンズがAFで作動したのは驚きでした。今でもレンズはもっています。
授業では銀塩フィルムが全盛期。モノクロやカラー、建築写真の授業では4×5(ホースマン)のシートフィルムも使いました。もちろんモノクロは手現像。所沢と江古田で一通りやりました。

大学在学時に甲田教授から「高画素の方がデジタルでは圧倒的に有利」と"教育"されていたものですから、その考えで迷わず出たばかりのD800Eをメインとして置き換えました。その流れのまま、ミラーレス時代となりZ8を発売日に入手したのでした。

その間にもフジフィルムを購入し愛用したり、Gマウントのソニー製ミラーレスもレビュー用に数ヶ月使っていた時期もありました。
そして写真家として活動した12年目の節目にライカM11を購入しました。1年で10万円貯金したら買える値段でしょう。と思い購入したものです。たぶん祖父も甲田教授も天国から褒めてくれていると思います。たぶん。

というわけで一通りのメーカーの機材を使ってきました。他にもDJIのドローンやアクションカメラも使いながら、今の環境が構築されました。そんなわけで我が家の防湿庫は常にパンパンです。2026年銀塩フィルムのベルビアは1本5500円で売られるようになりました。すごいですね。
思い出も交えてカメラ遍歴のご紹介でした。



鉄道写真家 煙道伸麻呂WEBサイト


いいなと思ったら応援しよう!