【アカリウム創作大賞】その瞳から、目を離せませんでした|受賞作品ご紹介
みなさん、こんばんは🌙
noteが大好きな「雪綴ゆき」です。

今夜は、とてもうれしいご報告を。
あかりさんがひらいた
創作の水族館【アカリウム創作大賞】
たくさんの作品がきらきらと泳ぐ水槽のなかから
わたしが受賞作として選ばせていただいたのは……
よしまるさんの掌編小説、『虜にする瞳』です✨
よしまるさん、おめでとうございます🎉
■どんなお話?(ネタバレなしで、入り口だけ)
物語は、一枚の写真に取り憑かれてしまった
ひとりの画家の卵の姿から、静かに幕をあけます。
そして視点は変わり
舞台はとある片田舎の県立美術館へ。
定年退職して暇を持てあましていた男性が
奥さまに付き合い
気乗りしないまま館内を歩いています。
その足が、一枚の絵の前で、ふと止まる。
『林檎を丸かじりする少女』という、作者不詳の油絵。
なぜかその絵にだけロープが張られ
立ち入り禁止の注意書きまで添えられています。
けれど、少女の瞳はまるで本物のように光っていて……
気づけば男性は、ロープをまたいでいるのです。
なぜ、この絵にだけロープが張られているのか。
描かれた少女は、いったい誰なのか。
その答えは、どうか、ご自身の目で確かめてください。
■選んだ理由(というより、白状です)
審査員という立場を、いったん脇に置いて。
ひとりの読み手として振り返るなら。
まっさきに「ロープをまたいだ側」は、わたしでした。
読みはじめたら途中でやめられなくて
画面のむこうの瞳に
そっと吸いこまれていくような感覚。
タイトルのとおり
まんまと「虜」にされてしまったのです……。
掌編という短いかたちなのに
視点が切り替わるたびに
あの絵の輪郭がすこしずつ
浮かびあがってくる構成の妙。
「見る」と「見られる」が
いつのまにか入れかわっている、ぞくりとする仕掛け。
そして、ラストの一文。
なんでもない日常のひとことが
いちばん怖くて……いちばん、せつない。
怖いお話なのに、その芯に置かれているのは
とても人間らしい、ちいさな感情でした。
読み終えたあと、暗がりのなかに
ぽつんと灯りがひとつ残るような。
そんなふしぎな余韻のある作品です。
ふだんはユーモアたっぷりの
ショートショートも書かれるよしまるさん。
この引き出しの深さに、思わず鳥肌が立ちました。
■おわりに
この作品は、下書きのまま眠っていたお話を
締め切り当日にまったく別の物語へと
生まれ変わらせて
滑りこみで届けてくださったのだそうです。
眠っていた物語が、アカリウムという水槽で
ふたたび泳ぎだした。
そのことが、企画にかかわったひとりとして
なによりうれしくて。
よしまるさん、すてきな瞳と出会わせてくださって
ほんとうにありがとうございました。
そして、この水族館をひらいてくれたあかりさん
泳いでくださったすべての皆さまにも
あらためて感謝を✨
まだ読んでいない方は
今夜、お部屋の灯りをひとつだけ点けて。
どうか、あの瞳と、目を合わせてみてくださいね。
……ロープは、またがないように🌙
雪綴ゆき
▼作品はこちらから
『虜にする瞳』|よしまるさん
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