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「カフェチェーン大量閉店」は本当か?




「カフェチェーン大量閉店」は本当か?

――SNSの一投稿から、カフェ業態の構造と自店の経営を考え直した


私は地方で小さな飲食店を営んでいるユキナリです。

先日、自店のSNS投稿をしたあと、何気なくタイムラインを眺めていると、気になる投稿が流れてきました。

「カフェチェーン、大量閉店」

そんな趣旨の投稿でした。

最初に思ったのは、

「え〜、ほんまかいな?」

でした。

コメダ、ドトール、スターバックス、タリーズなど、普段街で見かける大手カフェチェーンが次々に閉店しているという。

もし本当なら、これは単なる個別企業の話ではありません。

人件費、原材料費、光熱費、家賃、消費者行動、滞在時間、人口構造、店舗立地。

飲食店を取り巻く構造そのものが大きく変わっている可能性があります。

そこでまずPerplexityで調べてみました。

ところが調べれば調べるほど、SNSの「大量閉店」という言葉だけでは実態を説明できないことが分かってきました。

さらにChatGPTと対話を続けてみると、私が当初興味を持った「何店舗閉店しているのか」という問題より、

「そもそもカフェという業態は、何によって利益を生み出しているのか」

という問いの方が、はるかに面白いことに気づきました。

今回は、その一連の調査と思考を記録しておきます。

結論を先に書けば、

「大手カフェチェーンが一斉に衰退して大量閉店している」と考えるのは、かなり乱暴です。

一方で、

カフェ・喫茶店経営の難易度が上がっていることも事実です。

そして大手各社は、単純に店舗数を増やしたり減らしたりしているのではなく、

どこで、誰に、何を、どんな時間の使い方として提供するのか

を組み替えているように見えます。


1.まず疑った。「閉店」という数字だけ見ていいのか


SNSでは、

「○○が10店舗閉店」

「○○が30店舗退店」

という数字は非常に目を引きます。

しかし、経営を見るなら、

閉店数だけを見てはいけない

ということにすぐ気づきます。

仮にあるチェーンが、

50店舗出店して、
30店舗閉店した

とします。

「30店舗閉店」だけ切り取れば、

「大量閉店」

という見出しを作れます。

しかし実際には、

50-30=20

なので、店舗数は純増です。

もっと重要なのは、閉店した30店舗と、新しく出した50店舗が同じ性質の店舗とは限らないことです。

古い商圏から新しい商圏へ。

低収益立地から高収益立地へ。

大型店から小型店へ。

従来型店舗から新業態へ。

そう考えると、

閉店は「失敗」ではなく、店舗ポートフォリオを入れ替える経営行動

である可能性があります。

この視点を持つと、「何店舗閉まった」というニュースの見え方が変わります。


2.実際、大手各社は必ずしも縮小していない


一次情報を確認すると、少なくとも主要チェーンを一括して「大量閉店局面」と表現するのは難しいと感じます。

たとえばコメダホールディングスは、2027年2月期から2031年2月期までの中期経営計画「CONNECT 2030」で、グループ店舗網を1,400店舗へ拡大する目標を掲げています。単純な店舗縮小を目指している企業とは読みづらいでしょう。(株式会社コメダホールディングス⁠)

タリーズコーヒーも、伊藤園の公表資料によれば2026年4月末で850店舗となり、前期末から32店舗増加しています。さらに従来型店舗だけでなく、「&TEA」や「PRIME FIVE」など異なる店舗フォーマットも展開しています。(伊藤園 企業情報サイト⁠)

スターバックス コーヒー ジャパンも、2026年3月末時点で日本国内2,116店舗。2026年にはドッグフレンドリー店舗、アートギャラリー型店舗、公園立地など、単なる店舗数拡大ではなく店舗体験そのものを変える出店も進めています。(スターバックス コーヒー ジャパン⁠)

つまり、

個々の店舗が閉まっていること

と、

チェーン全体が縮小していること

は別問題です。

ここは切り分ける必要があります。


3.しかし「だからカフェ業界は問題ない」でもない


では、「大量閉店という話は大げさだった。以上」で終わるのか。

そうではありません。

帝国データバンクによると、2026年1~5月の「喫茶店」の倒産は24件。

前年同期より減少しているものの、1~5月として3年連続20件台で、依然として高い水準です。

しかも経営を圧迫している要因として、

コーヒー豆、
パン、
牛乳、
卵、
電気・ガス代、
人件費、
テナント料

など、多方面のコスト上昇が指摘されています。

さらに、大手カフェチェーンだけではなく、コンビニコーヒーやWi-Fiを備えたファストフード店との競争もあります。(TDB⁠)

つまり、

「大手チェーンが大量閉店している」

という理解は雑でも、

「カフェ・喫茶店を経営する難易度が上がっている」

という問題意識自体は間違っていません。

ここから先が、今回私が一番興味を持ったところです。


4.そもそもカフェは「コーヒーを売る商売」なのか


ここからChatGPTとの対話が面白くなりました。

カフェの売上を普通に考えると、

売上=客数×客単価

です。

これは当然です。

しかしカフェを考えるなら、これだけでは不十分ではないか。

なぜなら、カフェには「席」があるからです。

しかも、その席をお客様が一定時間占有します。

そこで私は、カフェの売上を少し違う角度から見ることにしました。

売上 ≒ 席数 × 営業時間 × 席稼働率 × 1席1時間当たり売上

そして、

1席1時間当たり売上 ≒ 客単価 ÷ 平均滞在時間

と考えます。

もちろん厳密な会計式ではありません。

しかし経営構造を見るための補助線としては、かなり面白い。

例えば、

500円のコーヒーを注文して2時間滞在するお客様。

粗利を仮に400円とすれば、

1席1時間あたり粗利は200円です。

一方、

1,200円の食事を注文して45分滞在し、粗利800円なら、

1席1時間あたり粗利は約1,067円。

商品だけ見れば、

「コーヒーは原価率が低くて儲かる」

と言えます。

しかし有限資源である、

席×時間

を加えると違う景色になります。

私はこの考え方を便宜的に、

「席時間粗利」

と呼んでみることにしました。

正式な会計用語ではありません。

でも小さな飲食店の現場を考えるには使えそうです。


5.カフェ特有の矛盾。「長くいてほしい。でも長くいすぎると儲からない」


カフェの面白さはここにあります。

普通に考えれば、お客様の滞在時間は短い方が回転率は上がります。

しかしカフェは、

快適な椅子、
空調、
Wi-Fi、
電源、
落ち着く照明、
適度な音楽、
店内の雰囲気

など、

「長く過ごせること」そのものが商品の一部

です。

極端に回転率だけを追えば、カフェとしての価値を壊してしまう可能性があります。

一方で、

500円で2時間、3時間と席を利用されれば、経営としては厳しくなる。

つまり、

長く滞在してもらえることが顧客価値であり、同時にコストにもなる。

ここにカフェ業態特有の難しさがあります。


6.だからフード、セット、追加注文が重要になる


ここで、私自身が現在考えていることとも接続しました。

仮に一人のお客様が90分滞在するとします。

コーヒー500円だけなら500円です。

しかし同じ90分でも、

コーヒー500円

軽食500円

なら1,000円になる。

新しい席を増やしたわけではありません。

営業時間を延ばしたわけでもありません。

既存の、

一人×一席×90分

から得られる売上を増やしたわけです。

だからフードやセット商品は、

単純な「追加売上商品」だけではありません。

私は今回、

既存の席時間の収益性を高める装置

と考えればよいのではないかと思いました。

これは現在、自分の店で考えていることともかなり重なります。


7.実は私は、数年前に「喫茶店」から「食堂」へ屋号を変えた


ここで自分の話になります。

私は数年前、店の屋号を喫茶店から食堂へ変えました。

とはいえ、立派なリニューアルをしたわけではありません。

お金がない。

店には看板が27枚あります。

屋号を変えたものの、これまで変更できた看板は、そのうちわずか2枚。

27枚中2枚。

こうして文章にすると、少し恥ずかしい。

しかし現実です。

全部一度に変更できる資金力はありません。

この秋、あと3枚ほど看板を変える予定です。

ただし、今回はそこに屋号を書く予定ではありません。


8.新しい看板では「あの○○のお店」をテストする


これもChatGPTとの対話から出てきたアイデアでした。

私自身が気に入っている言葉があります。

「あの○○のお店」

です。

○○には自店の商品名を入れる予定です。

黄色い大型看板を、

店舗入口と、
店前を通過する車から見えやすい場所

に設置する。

屋号そのものを覚えてもらうより、

「あの○○がある店」

「あの○○を食べる店」

として頭に残るかを試します。

もちろん、まだ仮説です。

成果は出ていません。

「これは絶対成功する」

などと書くつもりもありません。

看板を変えた結果、

入店客数が増えるのか。

その商品への注文が増えるのか。

客単価が変わるのか。

他の商品が売れなくなるのか。

一度来たお客様が再来店するのか。

何も変わらないのか。

これから見なければ分かりません。

だから今やっているのは、

ブランド戦略の完成ではなく、小さな実験

だと考えています。


9.メニューについても同じ発想で考え始めている


今回カフェチェーンを調べながら、自店のメニューについても少し整理できました。

私は現在、

利益率が悪くないこと

だけでは商品を判断しないようにしています。

お客様のニーズがあるか。

既存の厨房で無理なく提供できるか。

廃棄が増えないか。

教育が難しくならないか。

そして、

一つの商品から追加注文が入りやすいか。

例えば単品商品だけで終わるのではなく、

飲み物、
サラダ、
汁物、
軽い追加商品

などが自然に組み合わされるメニュー構成を考える。

セット販売の場合もあれば、セットとは明記せず、商品同士の組み合わせや価格配置によって追加注文が生まれる場合もあります。

これもまだテスト段階です。

それでも今回、大手カフェチェーンを調べながら、

自分が考えている方向性は、大筋では経営構造から外れてはいないのかもしれない

と思いました。

ただし、ここにはかなり注意が必要です。


10.「大手と同じだから正しい」ではない


ここで自分自身への反論も書いておきます。

大手が、

客単価を上げている。

フードを強化している。

新業態を出している。

不採算店を閉めている。

だから、

「自分も同じことをすれば正しい」

とは言えません。

むしろ、かなり危険な考え方です。

大手と一店舗の個人店では、

資本力、
人員、
データ量、
仕入条件、
広告費、
ブランド認知、
採用力、
撤退能力

がまるで違います。

コメダは特に注意が必要です。

コメダ珈琲店やおかげ庵は、店舗の約95%がフランチャイズです。つまり、コメダ本部の収益構造と、加盟店一店舗の収益構造は同じではありません。(株式会社コメダホールディングス⁠)

大手企業を研究するとき、

店舗で見えるものだけ真似すると危ない

ということです。

看板、
メニュー、
価格、
内装

だけではなく、

その背後にある、

資本構造、
FC構造、
調達、
物流、
店舗開発、
データ分析、
撤退基準

まで見なければ、本当の「仕組み」は分かりません。


11.もう一つ反省したのは「閉店=失敗」と考えていたこと


今回の調査でもう一つ考えさせられました。

私は小さな飲食店の経営者なので、

「店を閉める」

という言葉にはどうしても強い感情があります。

しかし複数店舗を運営する企業から見ると、

閉店は必ずしも敗北ではありません。

100店舗のうち、低収益店を10店舗閉め、

より条件のよい商圏へ10店舗出す。

これは単なる撤退ではなく、

資本の再配分

です。

もっと極端に言えば、

300店舗で100億円売る会社と、
270店舗で105億円売る会社なら、

店舗数が減っても後者の方が効率的かもしれない。

さらに利益とキャッシュフローが増えているなら、なおさらです。

つまり、

店舗数だけでは経営状態は分からない。

これは当たり前のようで、SNSのニュースを見ると忘れやすいことです。


12.カフェを「何を売る店か」ではなく「何の時間を売る店か」で見る


もう一つ大きな気づきがありました。

カフェの競争相手は、本当にカフェだけなのか。

コーヒーを飲みたいだけなら、

コンビニでもいい。

自宅でもいい。

自販機でもいい。

しかし、

30分時間を潰したい。

一人になりたい。

人と話したい。

仕事をしたい。

待ち合わせしたい。

昼食を食べながら休みたい。

となると競争相手は変わります。

ファミレス、
ファストフード、
フードコート、
ホテルラウンジ、
コワーキングスペース、
場合によっては図書館

まで入ってくる。

つまり、

商品カテゴリーではなく、利用目的で競合を考えた方がよい

ということです。

これは自店にもそのまま当てはまります。


13.「喫茶店か食堂か」という分類自体が、それほど重要ではないのかもしれない


私は屋号を喫茶店から食堂に変えました。

しかし今回考えてみると、

本当に重要なのは看板に、

「喫茶店」

と書いてあるか、

「食堂」

と書いてあるかではないのかもしれません。

もっと重要なのは、

お客様がその店を、どんな時に使う場所だと理解しているか。

朝、コーヒーを飲む場所。

昼、食事をする場所。

仕事の途中で休む場所。

友人と話す場所。

一人で時間を過ごす場所。

夕方に軽く食事をする場所。

その「利用目的」が明確になるほど、店のポジションも明確になります。

だとすると、

私がこれから行う、

「あの○○のお店」

という看板も、

単なる商品広告ではありません。

うまく機能すれば、

「この店を何のために使えばいいのか」を一瞬で理解してもらう装置

になる可能性があります。

もちろん、これは現時点では仮説です。


14.看板を変える前に考えなければならない反証


ここも重要なので書いておきます。

「あの○○のお店」

という看板が目立ったとしても、成功とは限りません。

例えば、

看板を見た人は増えたが入店しない。

その商品だけ売れて他商品の注文が減る。

低価格商品ばかり売れて粗利額が下がる。

厨房の一部工程に注文が集中する。

ピーク時間の提供時間が延びる。

既存客が違和感を持つ。

新規客は来るが再来店しない。

こういう可能性もあります。

したがって、

売れたか売れなかったか

だけで判断してはいけない。

少なくとも私は、

注文数、
客単価、
追加注文率、
提供時間、
厨房負荷、
廃棄、
再来店、
現金残高への影響

くらいは意識して観察したいと思っています。


15.商品単体の利益率から、「一人のお客様全体」へ


これも今回のカフェ研究とつながります。

商品単体で考えると、

A商品は原価率25%、
B商品は35%。

それならA商品の方が良さそうです。

しかし、

A商品だけを500円で注文する人と、

B商品800円に、
サラダ250円、
ドリンク400円

を追加する人では、後者の方が店に残す粗利額は大きいかもしれません。

さらに、

作業時間、
廃棄、
人員負荷、
席滞在時間

まで入れると評価はまた変わります。

つまり、

一品の原価率から、一人のお客様が一回来店した時の経済性へ

視点を広げる必要があります。

さらに進めば、

再来店まで含めた顧客単位の収益性を見ることになります。

大手がCRMやアプリ、会員制度を重視する理由も、ここまで考えると理解しやすくなります。


16.売上から、席、時間、人、現金までつなげて考える


今回の整理を自分なりに並べると、

売上



客数 × 客単価



時間帯別客数 × 時間帯別客単価



席数 × 席稼働率 × 席時間売上



席時間粗利



人時粗利



店舗営業利益



店舗キャッシュフロー



最終的な現金残高

という流れになります。

私はこれまで、

「売上を上げる」

という言葉を何度も使ってきました。

しかし今は、

売上は途中経過にすぎない

と思うようになっています。

忙しくなった。

売上が増えた。

新商品が売れた。

それでも、

人件費が増え、

廃棄が増え、

設備負担が増え、

店主が疲弊し、

最後に現金が残らなければ、

経営として何かがおかしい。

だから私が最後に見たいのは、

通帳に現金が残る構造かどうか

です。


17.今回の調査で一番大きかったのは「答え」ではなく問いが変わったこと


最初の問いは、

「カフェチェーンが大量閉店しているというのは本当か?」

でした。

調べていくと、

「各チェーンは、何店舗出して何店舗閉めているのか?」

に変わった。

さらに、

「なぜ閉めるのか?」

になった。

その次は、

「カフェ一店舗は何によって利益を生むのか?」

になった。

そして最後には、

「自分の店では、限られた席、時間、人員、資金を、どんなお客様のどんな需要に配分するのか?」

という問いになりました。

この変化こそ、今回調べて一番価値があったところだと思っています。


18.だから「今やっていることは正しい」とはまだ書かない


今回、大手カフェチェーンの動向と業態構造を調べたことで、

現在自店で考えている、

商品を絞ること。

追加注文につながりやすい商品構成を考えること。

価格を試すこと。

看板で特定商品を訴求すること。

小さく試して数字を見ること。

こうした方向性について、

大筋の思考パターンとしては、それほど外れていないのかもしれない

とは感じています。

しかし、

「正しかった」

とはまだ書けません。

実際に現金が残るかどうかは、これからです。

看板もまだ設置していません。

メニューの組み合わせもまだ途中です。

お客様の反応も十分には分かっていません。

だから今は、

仮説 → 小さな実験 → 観察 → 修正

を繰り返すしかありません。


19.むしろ怖いのは「うまくいくはずだ」と思い込むこと


今回の調査で少し自信を持ったからこそ、逆に気をつけたいことがあります。

自分の仮説に都合のよい情報だけを集める、

確証バイアス

です。

大手もフードを強化している。

大手も値上げしている。

大手も不採算店を整理している。

だから自分のやり方も正しい。

これは危険です。

大手で有効な戦略が、自店には逆効果ということもあります。

だから今後も、

「この仮説が間違っているとしたら、何が起きるか」

を先に考えておきたい。

これは経営だけでなく、情報を見る上でも重要だと思います。


20.SNSの一投稿は、結論としては雑でも「問いの入口」にはなる


今回の出発点は、

「カフェチェーン大量閉店」

というSNS投稿でした。

結果として、その言葉をそのまま受け取るのは危険でした。

しかし、だからその投稿に価値がなかったのかというと、私はそうは思いません。

私はその投稿を見たから、

「ほんまかいな?」

と思った。

そして調べた。

調べたら、違う景色が見えた。

さらに調べたら、自店の経営について考える材料になった。

そう考えると、

SNSは答えを得る場所というより、

問いを拾う場所

として使う方が面白いのかもしれません。


おわりに――27枚の看板を一気には変えられない店主として


私の店には27枚の看板があります。

屋号を変えて数年。

変えられたのは、まだ2枚。

この秋、ようやくあと3枚変えようとしています。

大企業のように数十億円、数百億円を投資することはできません。

市場調査部門もありません。

専門のマーケティング部署もありません。

できるのは、

店に立ちながらお客様を見る。

POSを見る。

通帳を見る。

気になったことを調べる。

仮説を立てる。

数万円、場合によっては数千円で試す。

そして結果を見る。

それくらいです。

しかし逆に考えれば、

小さいからこそ、小さく試せる。

今回の黄色い看板も、その一つです。

「あの○○のお店」。

これが機能するのかどうかは、まだ分かりません。

でも少なくとも、

なんとなく看板を作るのではなく、

「誰に、何を、どんな利用目的として伝えるのか」

を考えてから試すようになった。

それだけでも数年前の自分とは少し違います。

SNSで偶然見かけた、

「カフェチェーン大量閉店」

という一言。

最初は、

「え〜、ほんまかいな?」

だった。

そこから調べていくと、

カフェ業態の構造、

席と時間、

客単価、

フード、

店舗ポートフォリオ、

撤退、

資本配分、

そして自店の看板とメニューにまでつながりました。

経営とは、こういう小さな問いを一つずつつなぎながら、自分の店なりの構造を作っていくことなのかもしれません。

今のところ私に分かっているのは、それくらいです。

だから、この秋の看板変更も、

成功策ではありません。

次の仮説を確かめるための実験です。

油断せず、数字と現場を見ながら続けてみようと思います。


調査時に確認した主な一次資料・統計資料


コメダホールディングス


2026年公表の中期経営計画「CONNECT 2030」。2031年2月期までの店舗網拡大、事業ポートフォリオ、投資戦略などを確認。コメダグループは1,400店舗を目標としており、単純な縮小戦略とは読めない。(株式会社コメダホールディングス⁠)

また、コメダ珈琲店・おかげ庵の約95%がフランチャイズ店舗であることは、コメダホールディングスのコーポレート・ガバナンス関連資料で確認した。大手チェーンを研究する際には、本部と加盟店の経済構造を混同しないことが重要だと考える。(株式会社コメダホールディングス⁠)

伊藤園


2026年4月期の業績情報。タリーズコーヒーの2026年4月末総店舗数は850店舗、前期末比32店舗増。「&TEA」「PRIME FIVE」など複数フォーマットの展開について確認した。(伊藤園 企業情報サイト⁠)

スターバックス コーヒー ジャパン


公式沿革。2026年3月末の日本国内店舗数は2,116店舗。2026年度にドッグフレンドリー店舗、アートギャラリー型店舗、京都円山公園など、新しい店舗体験を意識した出店が行われていることを確認した。(スターバックス コーヒー ジャパン⁠)

帝国データバンク


「喫茶店」の倒産動向(2026年1~5月)。対象期間の倒産は24件。コーヒー豆、パン、牛乳、卵、人件費、光熱費などの上昇や、コンビニ、ファストフード、大手チェーンとの競争環境について確認した。なお同統計の倒産は「負債1000万円以上・法的整理」が対象であり、小規模店の自主廃業などをすべて含む数字ではない点には注意が必要である。(TDB⁠)


この文章の限界


最後に、調査上の限界も明記しておきたい。

第一に、「カフェ」「喫茶店」の定義は資料によって異なる。

第二に、チェーン各社は店舗別の客単価、滞在時間、席回転率、店舗別営業利益などをすべて公開しているわけではない。

第三に、本文で使った「席時間粗利」は私が経営構造を考えるために便宜的に置いた指標であり、一般的な会計基準上の正式指標ではない。

第四に、コメダ、スターバックス、タリーズなどは、FC比率、直営比率、物販、ブランドライセンス、商品販売など事業構造が異なるため、単純な店舗数比較だけで優劣を判断することはできない。

第五に、今回の調査から「自店の施策が成功する」と結論づけることもできない。

分かったのは、

自店で現在試そうとしている方向性を、もう少し構造的に検証するための問いが増えた

というところまでです。

だから今後も、

事実と推論を分ける。

大手の表面だけを真似しない。

自店の数字で検証する。

そして都合の悪い結果が出たら仮説を捨てる。

その繰り返しで考えていきたいと思います。

#カフェ経営
#飲食店経営
#喫茶店経営
#店舗経営
#経営戦略

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