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「なんか楽しそう!」って気持ちと、祖父からもらった硬貨。

 小学校高学年の頃。
 わけあって土曜日の夕方から日曜日のお昼まで、母方の祖父母の家で過ごしていた。
 2階の空き部屋で寝泊まりし、昼間は日当たりのいい居間で通信教材の課題を解いていた。
 祖父母は家に隣接する場所でスーパーマーケットを営んでいた。二人とも普段はそのお店にいたと思う。

 夜8時に、お店が閉まる。
 夕食時は家に帰っていた祖母が、閉店準備のためお店に行く。
 あるとき、祖母についていったら。
 祖父に頼まれ、野菜コーナーの棚にカーテンをかける作業をした。
 カーテン、といっても。
 棚の上方にあるつまみをグーッと引っ張ったら、ブラインドのようにプラスチック製?のカーテンが出てきて、それを下方に引っ掛ける。
 これで、野菜たちが安心して眠りにつけるのだ。

 ただ、その作業を「面白い」としか思わなかった。
 野菜コーナーにあるすべての棚に、カーテンをかけた。
 所要時間3分くらいだったと思う。
 すると、祖父が私に寄ってきて、何かを差し出した。
 見たらそれは、硬貨だった。
「お店のために働いてもらったんだから、お給料を渡さないと」
 というようなことを、祖父は言ったと思う。

 100円玉だったか500円玉だったか記憶が定かじゃない。
 100円玉2枚か3枚だったかもしれないけど。
 いずれにせよ、就労時間3分でもらうには破格だ。

 でも祖父からしたら、私のした作業にそれだけの価値があったのかもしれない。
 私は「ただカーテンかけるだけでお金もらえるなんてラッキー」くらいにしか思ってなかった。
 だから、そのお金をどこで何に使ったかも覚えてない(多分、ゲームセンターで溶かした)。

 当時から40年近く経過し、お金を稼ぐことがどれだけ大変なのかを身に染みて知っている今。
 「おじいちゃんやおばあちゃんのためになりたい」なんて正直考えず、「なんか楽しそう!」って気持ちだけで動いた。
 それで、お金をもらえた。
 貴重な経験だったな、って思う。

 そういえば、「なんか楽しそう!」なんて純粋な気持ちで行動すること、最近あまりなかったかも。
 「なんか楽しそう!」って気持ち、もっと大事にしていきたいな。
 別に、お金になるかどうかはともかく。
 やってみて楽しかったら万々歳だし、そうじゃなかったらやめればいいし。
 まず「人が喜ぶかどうか」を考えるより「自分の感情」に気づけるようになりたい。それから、「自分の感情」を大事にした行動ができるようになれたらいいな。


 当記事は、レンタル無職ズボラさん主催のコンテストに参加しています。


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