創作大賞感想文 : 青空ちくわさん『母の家出とガールフレンドの憂鬱』
日常を素敵に描ける人は、毎日を丁寧に生きている人だ。
わたしの持論だ。
いや、ごめんなさい。今さっき思いついた。
でも、この作品を読んで、ちくわさんの感度の高さを強く感じたのは事実だ。
母の突然の家出。
母の再婚相手である洋平と、高3男子の修哉、突然の男2人生活。
そして母が残した『タルミヤ』の4文字。
まるでミステリーのような書き出しに、どんな展開が待っているかワクワクしながら読み進める。
少し進むと、まるで学生時代に戻ったかのような感覚になる。主人公の修哉も、親友の健太も、ヒロインの優芽も、いつも1人の笹沼も、目の前に確かに生きている。まるで同じクラスメイトになったかのように、かつての青春時代に思いを馳せる。
そもそも、ちくわさんが何故これほどまでに男同士の心の機微を描けるのだろう?
思春期の男の子と、母親の再婚相手との掛け合いなんて、どうやったら想像できるのだろうか。
それでもあまりにリアルで、とある焼き鳥屋さんのシーンは読んでいて心がじんわり温かくなった。
かと思えば、家出した母親の心情描写もさすがと言わざるを得ない。
1番最後のストーリーを読めば、ちくわさんが描きたかった壮大なテーマがわかる。
いや、もともとそこにあったのだ。
タルミヤ。
その謎は、思いのほか温かくて優しい。
この作品を読んで、大きな家族の愛に癒されて欲しい。
作者はこちら
いいなと思ったら応援しよう!
サポートいただきありがとうございます😊嬉しくて一生懐きます ฅ•ω•ฅニャー