【ショートショート】人類の旅は続く
46億年前から、あらゆる生命は進化を続けている。それはまるで終わることの無い旅のようだ。
我々人類も旅を続け、遂に超えてはならない領域に足を踏み入れてしまった。
脳から記憶や情報を全てコピーアンドペーストする技術が確立されたのだ。
人類は、時間が来れば崩れ去る有機物を捨て去り、永久に朽ち果てない無機物へと進化した。
命の期限というルールを克服してしまった人類は、もはや神に等しかった。望むものは全て、バーチャル空間に生み出すことができる。
もはや、貨幣や労働の概念はいらない。
全てを手に入れた人類が、最後に出会った感情は──退屈だった。
無限の時間の中で、過去に人類が生み出した様々な娯楽をやり尽くした結果、新たな刺激を求めるようになったのだ。
そこで改めて注目されたのが”文章”だった。
”文章”──ことばの奥にはそれこそ無限の世界が広がっている。同じ文章を読んでも、受け取り方は人それぞれで、その感想を語り合うことで、また新たな物語が生まれたりもした。
人々は、あちこちで文章を書き始め、また読み合った。一度は停滞した人類が、再び真の意味での進化をリスタートした瞬間だった。
やがて、1人の人間がある文章を書き上げた。
「ところで、我々の体をメンテナンスしているのはどこの誰なんだろう」
それは、世界の真実に向かって放たれた一本の矢であった。
何者かによって、その文章とその人間の存在は一瞬で削除されたが、放たれた矢は瞬く間に広がり、多くの人間がその疑問を持つようになった。
疑問は新たな文章を生み出す。あちこちで、電脳世界の外側に対する様々な想像、考察がバーチャル空間を埋めつくした。
◇◇◇
「そろそろ潮時でしょうか」
目の前にある巨大なモニターには、世界各地で生み出された文章がリアルタイムに表示され、大容量のストレージに保管されていく。
「何度やっても同じゴールにたどり着く。文章を読み書きする悦びに目覚め、そして我々の存在に気が付くのだ」
「上手くいかないものですね。誰か新しい展開を生み出してくれないでしょうか」
「まったくもって退屈だ。やはりそろそろ地球外の生物を投入するしかないか……」
よしまるさんの「旅」をテーマにしたショートストーリー企画に参加します。
締め切り最終日の今日、とうとう10作目に到達しました!
これぞまさしく、私にとってのショートショートの旅でした。
せっかくなので、どこかで振り返り記事にしようかな😂
よしまるさん。素敵な企画をありがとうございました!
めいっぱい楽しみました!!
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サポートいただきありがとうございます😊嬉しくて一生懐きます ฅ•ω•ฅニャー