見出し画像

あざといって何? (ショートショート)

「あざといから好きじゃないって言うんだけどさ。じゃあ、あざとくなくなったら、好きになってくれるってことかな?」


左耳にかかった髪の毛を指で後ろに流しながら、上目遣いでこちらを見てくる優子は、確かにあざとい。


「あざとい、って自覚あるんだw」


ボクが言うと、優子はヒラヒラと手を振りながら笑う。


「えー、そんなつもりないのよ? でも莉央くんがそう言うなら、あざといのかなぁって。ある意味、あざといって褒め言葉でしょ? 魅力があるってことだもんね。みのるはどう思う?」


優子はそう言うと、キュキューと可愛い音を立ててグリーンスムージーを飲み干した。


ボクは優子が好きだ。
そしてきっと、優子もその気持ちに気が付いている。

その上で、ボクの前で莉央の話をするのだ。

莉央はサッカー部のキャプテンで、明るくて、いつもみんなの中心にいる。

男のボクでも惚れそうなくらい、いい男だ。


「優子は~あざとい選手権あったら日本代表いけると思う」

これ以上、ボクの心をコロコロしないでくれ。
ついつい本音をもらしてしまった。

言ってから、急にドキドキしてきて、目の前のアイスコーヒーのグラスを見つめる。



グラスが汗をかいて、ボクも額にじっとり汗をかいていると自覚する。




「・・・」



(あれ? 怒っちゃったかな?)

おそるおそる、目線を上げる。



\ピンポーン/




え? 注文?



『お客様、ご注文はタッチパネルの方で……』



「アザトーストひとつ下さい!


あ、間違えた。ピザトーストひとつ」



キュルキュルキュル


もう氷しか残らないグラスをトンっとテーブルに置くと、優子はにやりと笑った。


「あざといって何?」





参加します😊


#片思い文芸部
#あざとい

いいなと思ったら応援しよう!

えむのマイトン | 路地裏で遊ぼう サポートいただきありがとうございます😊嬉しくて一生懐きます ฅ•ω•ฅニャー