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34ri
あざといって何? (ショートショート)
「あざといから好きじゃないって言うんだけどさ。じゃあ、あざとくなくなったら、好きになってくれるってことかな?」
左耳にかかった髪の毛を指で後ろに流しながら、上目遣いでこちらを見てくる優子は、確かにあざとい。
「あざとい、って自覚あるんだw」
ボクが言うと、優子はヒラヒラと手を振りながら笑う。
「えー、そんなつもりないのよ? でも莉央くんがそう言うなら、あざといのかなぁって。ある意味、あざといって褒め言葉でしょ? 魅力があるってことだもんね。稔はどう思う?」
優子はそう言うと、キュキューと可愛い音を立ててグリーンスムージーを飲み干した。
ボクは優子が好きだ。
そしてきっと、優子もその気持ちに気が付いている。
その上で、ボクの前で莉央の話をするのだ。
莉央はサッカー部のキャプテンで、明るくて、いつもみんなの中心にいる。
男のボクでも惚れそうなくらい、いい男だ。
「優子は~あざとい選手権あったら日本代表いけると思う」
これ以上、ボクの心をコロコロしないでくれ。
ついつい本音をもらしてしまった。
言ってから、急にドキドキしてきて、目の前のアイスコーヒーのグラスを見つめる。
グラスが汗をかいて、ボクも額にじっとり汗をかいていると自覚する。
「・・・」
(あれ? 怒っちゃったかな?)
おそるおそる、目線を上げる。
\ピンポーン/
え? 注文?
『お客様、ご注文はタッチパネルの方で……』
「アザトーストひとつ下さい!
あ、間違えた。ピザトーストひとつ」
キュルキュルキュル
もう氷しか残らないグラスをトンっとテーブルに置くと、優子はにやりと笑った。
「あざといって何?」
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