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創作大賞感想文 : いしも ともりさん『歪な渇愛』

読み終わった時の感想は……ちょっと一言では表せなかった。

とにかくこれまでのともりさんの印象とはかなり違っていたのは間違いない。

ともりさんの創作と言えば、ほっこりしたり、感動する物語しかこれまで読んでいなかったので、これ本当にともりさんが書いたの?という驚きを持ちながら読み進めることになった。


小説の最初にもあるように、本作はホラー小説部門エントリー作であり、過激な描写を含むと注意書きまである。

正直わたしはこの手の内容が得意ではない。
どちらかと言うと、人間の負の部分を見ずに過ごせるなら過ごしたい。要するに甘いのだ。

その意味で最初少し挫けそうになったが、そう…6話目くらいからだろうか。

先が気になり食い入るように読み始め、気が付けば一気に読み終わっていた。

その理由は、登場人物の心の動きと計算された展開にある。

言うなれば、話を進める度に、襖が開いて奥の秘密が顔をのぞかせる。とても丁寧に描かれているので、没入感が途切れない。なんだったら、現実ではありえない境遇の登場人物に感情移入すらしている。あー、こんな秘密があったのか、と驚き、安心したのも束の間、さらに奥に襖があったことを知らされる。その繰り返しで気が付くと最後までたどり着いていた。

過激な描写はあくまで表向きの顔であり、やはりその奥の人間の描き方や、鋭さは、まさにともりさんだった。


どれだけの覚悟と葛藤を経て、このラストまで書き上げたのだろうと想像して、思わずため息が出た。


小学生の感想になってしまうが、すごいものを読ませていただきました。


ともりさん、ありがとうございました。

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