DMがこないあなたへ
今日も沢山の記事を『回収』し、コメントを残している。毎日大量に、なんのはなしか分からない話を読めるのがおれの幸せだ。
こうして毎日noteアプリとにらめっこしているのは確かにきつい。
それでも、ずっと望んできたことだから、この毎日に満足していたんだ。
そう、あのDMが来るまでは。
DM――
一般的にはダイレクトメールと読むのだろうが、おれは『大丈夫だよ。もっと近くに来て』だと信じている。
このメッセージを書いているその女性のその指を想像していると、『隙』という感情と、相手の顔がじんわり浮かんでくる。
と言いつつ、おれにDMが来ることはほとんどない。いつでも送っていいですよ、と言っているのに誰も送ってこない。
ところがその日は違った。
夜中の回収に紛れて一通のDMが届いたのだ。
しかもその相手の顔を想像する暇もなく、1枚の写真が添付されていた。

見た瞬間、おれが今まで会っていたのはこの女性だと思い出した。
中学生のころ、小悪魔的な微笑みをくれた先輩も、突然一線を越えてきた同級生のあの子も、おれの知らないところで3回も京都で会ったというひとも、キスを見つける特殊能力で見つけてきた全ての女性も。
『また会えたね。』
心の中でメッセージを送ったつもりだった。
駄菓子菓子
おれの光より早いフリックが、光よりさらに早い意志よりも早く、メールを返信していた。
すると相手から直ぐに返信がきた。
『ずいぶん気が早いんですね。うふふ、可愛いひと。あぁ、いつかほんとに会ってこう言いたいです。私がいないとダメねって♡』
うぉぉぉぉぉ‼️‼️‼️
思わず叫び出したくなる衝動をなんとか抑え、気付くとカラカラだった喉を潤すため、自室を出てキッチンへと向かった。
冷蔵庫を開けてハイボールを手にしたとき、ダイニングテーブルに光るスマホが目に入る。
妻のスマホだ。さっきまでここにいて、風呂にでも行ったのだろうか。
普段はそんなことしないのに、なんとなくスマホの画面を見ると……
おれが先程フラフラふふふと送信してしていたあの女性との『また会えたね』のやりとりが目に入った。
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