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チ部と和解したかったのにマウントとられた話

小学生の頃、ものまね番組が好きだった。
ものまねタレントがやるおおげさなものまねを片っ端から真似して親の前でやってたら「あんたうまいやん!似てるわぁ!」と大うけで、それからことあるごとに親戚や人の前で「ほら、美川憲一やって」などと言われるようになった。
ただ、当時は父親に「女のくさったようなやっちゃな」といつも言われるくらいにあかんたれ(根性なし)だったので、普段会わない親戚の前ではゴニョゴニョと小声を発することしかできず、当然ウケることはなかった。

今思えば、堂々とやった方が恥ずかしくなかったのに、その勇気が出なかった。

恥ずかしいことも、振り切ってしまえば、一周回ってかっこいい。

そのことをまざまざと思い知った本がある。


恥と和解せよ / チ部


人には見せずに隠している恥ずかしい部分。そこをあえてさらけだす。
「変態道」を突き進む私としても、チ部のコンセプトには共感しかない。

普段からnoteでそれぞれのチブをさらけだしているメンバーの皆さんが、今回ZINEで全てを解放すると聞いて、これは読まないわけにいかないと思った。

準備の過程を見ていても、いい歳した大人たちが、まるで学生時代に戻ったかのようにワイワイ楽しそうに盛り上がっていた。
やはりチブを見せ合うと、人と人の距離はぐっと近くなるのかもしれない。
心と心のはだかの付き合いってなんだかいいなあと思って、ついつい仲間に入れてほしくなる危うさがあった😂


文フリ東京42も行くかどうか悩んでいたのだが、チ部メンバーの東京ローカル岩男氏が出てくると聞いてこれは行くしかないと思った。

そう、ある意味私は今回チ部のために文フリに行ったのだ(白目)。


会場について、真っ先に向かったのはもちろんチ部のブース。
そこでゆりゆりこ氏と山本蛇内氏に挨拶する。あの狭いブースにこの二人が並ぶとなんかおもろい。あふれ出る「ただものじゃない感」をむりやり白Tシャツに押し込んで、ちょこんと座っている様子が最高すぎた。

売り切れると困るのでとりあえずZINEをゲットし、おみやげにお茶をいただく。お目当ての岩男氏の出番は14時以降だったので、とりあえず一旦移動し、色んなお知り合いの方や興味のあるショートショート系のブースを散策する。気が付くと手元には10冊弱のZINEが。文フリっておそろしい。財布のひもが見当たらないわ。(ここで手に入れた本に関してもいずれは感想とか書けるといいなと思います。お話くださった皆様、ありがとうございました!)

そして14時。再びチ部のブースに戻ると、いましたよ!
ゆりゆりこ氏の横に座る岩男氏!!
ご本人はご自身のことをデブでハゲでブスだと散々おっしゃっていたのに、そこに座っているのは清潔感のあるゴルフの上手そうなオジサンでした。


想像してたのと違いすぎる!!!



それでもサインをお願いすると、おもむろにカバンからタニタのでっかい体重計を出し始めたので、やっぱり岩男さんだとなんだか安心しました😂
(サインに体重を書くためだけに持ってきたらしい。どんだけよ)

そしてサインをお願いしたはずなのに体重測定を目の当たりにした証拠がこちら。「緊張してるから二回書いちゃった」ってなんなん。おもろいが過ぎる。


78.5キロ。おかしいなぁ、らしい。しらんわ!



ちょうどそのタイミングでうらのそれな氏とR嬢もいらして、東京ビッグサイトの中でもひと際ディープな空間だった。今度はもうちょっとゆっくり皆さんとお話できるといいなあ。




さて、肝心の本だが連休最終日の貴重な最後の一人時間をこの本の為に費やした😂
だけど一片の悔いも無いわこれ。
ちょっと想像以上に凄かったので、簡単に感想を書かせていただきたい。



【人間マトリョーシカ】ゆりゆりこ

ゆりゆりこ氏の代表作「どす黒くて儚い、短い夢」の登場人物3人が持つ三者三様のチブの話。まさにマトリョーシカのように開けても開けてもその先はどす黒い欲望が。人間ってそういうとこあるよね、とがっつり抉られます。書く方もダメージ受けながら書かれてるんだろうな、と思いつつ、ある意味トラウマにもなりかねない(褒めてます)渾身の作品でした。

この本の最初にゆりゆりこさんを置いた編集の再生補修氏もすごい。



【ヤラハタ】浮世之介

淡々と筆者の経験談や心情が綴られているので、一回目に読んだ時は、ヤラハタ(意味が分からない方はググってみてね)か否かで共感できるかどうかが分かれるお話だなあと思ったのですが、二回目読んだらちょっと印象が変わりました。なんでしょうね。二十歳前後のあの青臭い感じ。早く一人前になりたくて焦って過ごしていた日々。筆者のご経験と私自身の体験は全く一致しないのですが、共通するモヤモヤしたものが心にくすぶっているのに気づかされるというか。これがエモいということなんだろうか。



【キル・スイッチ】うらのそれな

シンプルに泣きました。え、実話なの?って思って筆者のnote記事を読んでたら本当っぽい。マナちゃんに対するうらのそれな氏の想いに泣いて、マナちゃんの身に起きたことに泣いて、そしてマナちゃんの想いを想像して泣ける。
こんな純粋で切なくて残酷な恋の話。ここで出してくるチ部ずるいです。
ずどんとストレートの剛速球を受けてほわほわしながら思い返すと、この人、R嬢とのデートコースとして文フリに来てたんだよなあ。色々と感慨深い作品でした。



【全恥全能の神】禁断のニョロうさぎ

ティッシュ字にもティッ春画で参加くださっていたニョロさん。
完全にR指定だったので、「マガジンに回収できずすみませんでした」と直接謝ることができてよかった😂
そしてこの作品はですね、もうニョロうさぎさんの領域展開の中に放り込まれて、心行くまで筆者の世界観を堪能できます。
エロが苦手な人には要配慮の部分も確かに一部あった気がしますが、全体的にストーリーとしてめちゃくちゃ面白かった。この主人公くらいのトーク力があったら人生楽しめそうです☆




【アナザー=アナザー】再生補修

これが読めるだけでもこの本を買った価値があるかもしれん。
そう思える作品でした。(もちろん皆さんの作品全部面白かったんですけど)
再生補修ファンなら購入はマストですね。
特に77Pの描写はしびれました。こんな表現ができる筆者がうらやましい。頭の中どうなってるのか見てみたいです。
ノイズが多いこの社会では、だれにも気づかれないような微弱な振動。ちょっとした光のゆらめき。違和感。そういったものを、極端に色や音をそぎ落とした世界にすることで気づかせてくれる。そんな筆者の世界観がめちゃくちゃ好きです。面白かった。いつか本出してほしい。




【リビング】東京ローカル 岩男

岩男さんの作品の感想を書くとき、いつも筆が止まる。
「おもしろい」意外の語彙を失うのは、本当に美味しい料理を食べたときに、「美味い」以外のフレーズが浮かばないのと同じかもしれない。

この作品はおもしろい。そして、今回はnoteでは出せない話である。
めっちゃ恥ずかしいし、ありそうで怖い。面白い。

二作品が並んでいるんだけど、一つ目は青春時代に一番恐れていたピンチの場面を目の当たりにした。やっぱこうなるよね、って感じておもしろい。
二つ目はもうなんというか、あぁダメだ。変に真面目な感じの岩男さんの顔が浮かんで笑いが止まらない😂




【オレンジのまどろみ】薯蕷粽

今回初めましてのとろろちまきさん。丁寧な筆致ですごく感情移入して読みました。もうダメだと思った時に出会ったオレンジのまどろみ。
読みながら私もこのお姉さんに会いたくなりました。
この出会いがなかったら、と思うと運命としか思えないですね。
大切なお話を読ませていただきありがとうございます。

そして、、ちょっと連休最後に読むものではなかったかもしれないですね。ゆっくり休みたくなる安心感に包まれちゃってます😊




【OUT’Oフィクション】山本蛇内

トリをつとめるのはやはりこの人。山本蛇内。
もう何度もお会いしているけど、いまいち掴めない蛇内氏の内面に初めて触れた気がする作品だった。

いつも陽気でみんなの中心で歯笛を鳴らしながら踊っている蛇内氏に、「実はおれ……」なんて言われると、きっと皆彼のことを抱きしめたくなる。
そして、「いや、私も実は……」とそれに続きたくなる。これこそが恥と和解する、ということなのだろう。

一見勢いで書いているように見えて、とても精緻に書き込まれている蛇内氏の作品。読まないという選択肢はないと思う。




と、ここまで三千字を尽くしてチ部について書いてみたが、和解どころか完全にマウントをとられた気分です。

いやーやられたなぁ。


ここまでドヤ顔でチブをさらけだされると、かっこいいとしか思えない。

さすがでした。


こちらのサイトからも購入できるそうです。
気になった方は是非。


もうすでに二冊目の構想もあるそうで。
これからもチ部の活動から目を離せませんね😉




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