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【まだ続く創作大賞感想】 パーフェクトという名のアイロニー 「¬ PERFECT WORLD」を読んで

創作大賞の応援期間は終了しましたが、読んで良かったなぁって作品の感想は書けたらと思っています。


戦争で荒廃した世界。
環境に適応するために造られたパーフェクトと呼ばれる人たち。

誤解を恐れず言えば、SF好きなら馴染みのある設定だと思う。

私も最初は「銃夢」とか過去に読んだ作品が頭をよぎった。

だけど、読み進めるとこれは、もっと濃い「人間」の話だとわかる。

人が人を愛すること。愛されたいとおもうこと。

決して綺麗事だけではない。

自分を見て欲しい。愛して欲しい。
愛するが故に、倫理的に許されないような行いをして、悲しい犠牲を生むこともある。


純粋で盲目的な愛が正しいわけでもない。
その裏で泣く人も必ずいる。


そしてこの物語に出てくる人は、そのことが分かっている。だから苦悩し、迷い、それでも手を取りあって前に進む。


今年、第二章が加わって、この世界で作者が描きたかったことが、より明確になったように思う。


なんせ第二章のタイトルが、「或る愛のIrony」だ。
第一章は「或る愛のDiary」
これは単なる言葉遊びではない。

第一章で描かれたルーシアの純粋な愛。それに対して、第二章ではより多様な愛のカタチが描かれる。アイロニーってのは作者の頭に最初からあったのかなと感じた。だって、パーフェクトという名前自体がアイロニーの塊な気がするから。


個人的にはコウが気になって仕方ない。
好きになれないのに嫌いにもなれない存在だ。
優秀なのに自分の中の振り幅が大きくなってバランスを崩してしまった人。
独善的でかわいそうな人と切り捨てることは出来ない。きっとこういう人に救われている人もいて、世界はギリギリのところでバランスを保っている気がする。


遠い国の遠い未来のファンタジーではなくて、目の前の人間の物語を読んだ気がした。




波 香月さんの「¬ PERFECT World」

ファンタジー苦手って方にも読んで欲しいです。




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