ギャルは天敵だった
ギャルは天敵だった。
大きな声。遠くからでもわかるド派手なメイク。
明るい髪色にまるで見せつけるかのような短いスカート。そしてシンボリックなルーズソックス。
中高男子校で育った私はただでさえ女性に免疫が無かった。
土壁みたいな色の地味な指定シャツに金ボタン詰襟の学ラン。もちろんバキバキのバキ童のダッセェ高校生だった頃、街中でギャルとすれ違うと笑われないように下を向いて歩いた。
まるで違う世界の生物のようで、一生交わることの無い人たちだと距離を取っていた。
それなのに、大学の食堂でバイトを始めたら働いてるほとんどがJKのギャルだった。
飲食バイトが初めてで失敗ばかりやっていた私は、影でギャルに「使えねぇ京大生」と笑われていた。
絶対ギャルには金輪際近付かない。
これはおれの尊厳に関わる問題だ。
ギャルは天敵だ。
そう誓ったのに、こんなに身近に元ギャルがいた。
すのうさんのエッセイを読んでいて、いかに自分がステレオタイプだったのかを思い知った。
ギャルと一括りにして、ちゃんと直視した事が無かったのだな、と気付いた。
このエッセイを読んでギャルの人生を垣間見た。
元お嬢様で、日焼けしたら火傷になって、ピアスを開けて親から殴られる。
今では3児のママで、人見知りで、真面目でかっこよくて、でもちょっと抜けている可愛げのあるすのうさん。
そんなすのうさんしか知らなかったから、ギャルのイメージから程遠かったけれど、このエッセイに描かれるすのうさんは確かにすのうさんだった。
芯があって、根性があって、仲間の中で存在感を放つすのうさん。
当時はピアスやメイク、派手なギャルファッションがすのうさんの身を守っていたのかもしれない。
でもそれから色々な経験をされて、すのうさんの言葉、文章、そして生き様がすのうさんの魅力を形作っている。
ギャルを脱ぎ捨てても、こんなエッセイを書けるくらいすのうさんはかっこいい。
すのうさんのお陰でギャルを少し好きになった。

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