薬嫌いの製薬研究員が薬のありがたみを感じる話
昔から薬が嫌いだ。
そんな私は、薬剤師の資格を持つ、現役の製薬研究員だ。
薬のちからで、多くの人に笑顔を届ける仕事をしている。
なのに、やっぱり薬が嫌いだ。
それとこれとは別のやつだ。
ダイエットには運動が1番なのはわかるけど、動きたくないのと同じだ。
芸能人のゴシップは好きだけど、パートナーが浮気するのは許せないのと同じ……
でもないか。
とにかく薬は極力飲みたくない。
シンプルに、決まった時間に飲むのがめんどくさいと思ってしまう。
「決まった時間、間をあけないと、体内の薬物濃度が……」とか、「飲み合わせによっては薬物の代謝スピードが……」とか、理論は知ってる。
でも、理論じゃひとは動けない、ということも知っている。
あとは、薬が嫌いなのは遺伝子のせいだと思ってる。
『ドラッグヘイト遺伝子』みたいなのが、多分アルコールを分解できない遺伝子の横に並んでいるはずだ。
酒に強くないのは遺伝子のせい。
薬嫌いも遺伝子のせい……。
🌸🌸
コロナのとき、うがい薬が予防に効くって話があったけど、うちの実家も似たようなもんで、マイトン家の三大万能薬があった。
「ヨーチン」「タイガーバーム」そして「つば」だ。
何かあれば、このうちのどれかを塗ればいい、と言われて育った。
今でも思い出す。
膝をすりむいて帰ったら、父親が指にたっぷりとヨーチン(ヨードチンキ)をつけて、傷口に塗りたくる。
めちゃくちゃ浸みるので、歯を食いしばって痛みに耐える。
「はしょうふうが怖いからなぁ」
と言いながらさらにヨーチンを二度漬けする父親の方が怖い、と何度思ったことだろう。
そして今思うと、なんでヨーチンってあんなに浸みるんだろう。バファリンを見習って、もっと優しくして欲しかった。
そんなこんなで、よっぽどのことがないと薬を飲まない大人になってしまった。
🌸🌸
4月になった。
世間ではあらたな気持ちで新年度を迎えていることだろう。
そんな明るい気分と対照的に、この時期にやってくる、めちゃくちゃイヤな存在。
そう、花粉症だ。
こいつにだけは、もう20年ほど悩まされてきた。
だいたい2月にはいると、くしゃみが出始める。
3月、くしゃみだけじゃなくて、目もかゆくてたまらない。
4月、日によっては咳が出たり熱っぽくもなる。
ほんとは桜を満喫したい。

でも、花粉症のわたしにとっては、花見は「花より団子、よりティッシュ」だ。
花見じゃなくて、花見ずだ。
毎年のように悩まされるのはわかっているんだから、シーズンが始まる前に耳鼻科に行って薬をもらうのがいいのはわかってる。
でも言ったはずだ。ひとは理論じゃ動かない。
……いや、それっぽく言ったけど、要は病院へ行くのがめんどくさいのだ。
だから、これからの自分の行動は100%予測できる。
もう間もなくヒノキ花粉がピークを迎える。
そうなれば、薬なしで無理やり過ごすことも限界を迎え、いそいそと病院に向かうのだ。
そして、いつもの薬を出してもらい、快適に過ごせるようになって、薬のちからに感謝するのだ。
そしてそして、薬の効果を1週間ていど味わったころに、花粉ブームも終わりを告げるのだ。
「あぁ、もっと早く病院いっときゃ良かったな」
そんな独り言を言うところまでがワンセット。
そう、これはもうここ10年くらい毎年繰り返している、この季節の決まった流れ。
今もかゆい目をこすりながら、そろそろ耳鼻科へ行くべきか、自分の中の『ドラッグヘイト遺伝子』とたたかっている。
🌸🌸🌸
ここまで、薬にも毒にもならないものを、読んでくださりありがとうございます。
せっかくなので、何かひとつでもおみやげをお渡ししたいと思います。
ですので、残りの部分では、花粉症について簡単に整理してみました。
もしご興味があれば、最後まで見ていってください。
※調査自体は、最近仲良くしているGrok3のDeepsearchと何度かやりとりしてまとめてみました。
なお、こちらの企画に参加させていただきます。
みずのさん、「みんなのnote投稿コンクール」事務局のみなさま、素敵な企画をありがとうございます!
■ 花粉症のメカニズム
体が花粉を「敵」と認識して過剰に反応することで起こる免疫反応。
以下のステップで起こる。
①花粉の侵入
スギやヒノキなどの花粉が鼻や目、喉などの粘膜から体内に入る。
→ 花粉はアレルゲン(アレルギーの原因物質)として認識される。
②免疫系の反応(IgE抗体の産生)
免疫系が花粉を「敵」と誤認し、IgE抗体を生成する。このIgEはマスト細胞や好塩基球(アレルギー反応を起こす細胞)の表面に結合する。
→ 体が「次に同じ花粉が来たら反応するぞ」と準備する段階。
③ヒスタミンの放出(即時型反応)
再び花粉が侵入すると、IgEと花粉が結合し、マスト細胞や好塩基球からヒスタミンが放出される。
→ ヒスタミンは血管を拡張させ、鼻水、くしゃみ、目のかゆみなどの即時的なアレルギー症状を引き起こす。
(この反応は数分以内に起こるので、症状がすぐに出る)
④ロイコトリエンの産生と放出(遅延型反応)
同時に、アレルギー反応が進行すると、アラキドン酸という物質からロイコトリエンが合成・放出される。
→ ロイコトリエンは炎症を長引かせ、鼻づまりや気管支の収縮、粘液分泌の増加を引き起こす。
(この反応は数時間後にピークを迎え、症状が持続的になる)
⑤症状の悪化と持続
ヒスタミンによる即時的な症状(くしゃみ、鼻水、かゆみ)が落ち着いても、ロイコトリエンが炎症を維持・悪化させるため、鼻づまりや目の腫れ、喉の不快感が長引く。
特にロイコトリエンは、アレルギー性喘息がある場合、気管支を収縮させて呼吸困難を引き起こすこともある。
■ 花粉症の治療
● 対処療法(短期的な症状緩和)
対処療法は、スギ、ヒノキ、その他の花粉(草や雑草)に対して同じように適用される。これには以下が含まれる:
・抗ヒスタミン薬 : くしゃみや鼻水、目の痒みを抑える。眠気がある場合も。
・鼻用ステロイド薬 : 鼻づまりや炎症を軽減。副作用は頭痛や鼻血など。
・抗ロイコトリエン役 : 鼻炎や喘息に効く。精神的な副作用に注意。
・鼻洗浄 : 生理食塩水でアレルゲンを除去。
・マスク : 通常マスクで70%、花粉症専用マスクで80%、N95マスクで90%以上の効果があるとされる。強風の時は、花粉を防ぐ効果が低下するとの論文報告あり。
など。
● 免疫療法(長期的なアレルギー抑制)
免疫療法は、アレルゲンに徐々に体を慣らす治療法。研究では35の研究のうち、32例で有効であるとされるが、効果を得られるには数年単位の治療が必要。70-80%の患者さんで効果を実感できるとされる。:
・アレルギー注射(SCIT): 3-5年間の注射で免疫系を脱感作。スギ、ヒノキ、草、雑草に有効で、それぞれの花粉抽出物を使用する。
・舌下免疫療法(SLIT): 舌下錠や滴で、例としてスギ花粉用や草(例:ティモシー草)用がある。ヒノキには特定のアレルゲン抽出物が必要な場合も。
注記 : スギとヒノキはクロスリアクティビティがある(70%の患者が両方に反応)ものの、免疫療法の反応が異なる可能性があり、海外では個別の抽出物が推奨されることがある。ただし、日本ではヒノキ単独の治療薬がないため、スギ用の薬で対応するしかない。草用も日本では保険適応になっていない。
■ 花粉症のポイント
・花粉が体内に入ってすぐに起こる反応(ヒスタミン)と、遅れてやってくる反応(ロイコトリエン)がある。
・対処療法としては、ヒスタミンとロイコトリエンの両方を抑えるのが効果的。
・マスクだけでは花粉を防ぎきれない。特に春風は大敵!
・免疫療法も有効とされるけど、アレルゲンや体質によっては効かない場合もある。
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