創作大賞感想文:三條凛花さん「悪霊化プロンプト」
この記事はこちらの作品の感想です。
ネタバレなしですが、ホラー要素を含みますので苦手な方はブラウザバックください。
出張先の遠い異国のホテルで、私はこれを書いている。
目の前には朝日が差し込み、庭に作られたプールが見える。
プールに反射する光が美しい。
仕事じゃなければ、今すぐにでも散歩に行って穏やかな休日を満喫したくなる。
そんな空間で、私は今、ずっと鳥肌が立っている。
胸の奥がざわざわして、体の芯に冷たい氷をぶちこまれたような。
ある意味不快といってもいいような違和感。
ざらざらの手が心臓をぎゅっと握っている。
久しぶりにこちらの世界に連れ込まれた感覚だ。
そう、noteを始める前はよく怪談を読んだし、怪談系の動画も見てきた。
だから耐性はある。
いろんなパターンの怪談を知ってるし、このパターンもよく知っている。
現実との境界があいまいになればなるほど、ひとは怖いと感じる。
まるで自分がこの物語に取り込まれてしまったと錯覚するからだ。
なので、怖いものが大好きなあなたは第七話まで一気に読んで、そこで一度止まってほしい。
この瞬間が最大級に怖いから。
7話から先はある意味作者の優しさかもしれない。
作品の謎が解けていく。と同時に、物語として収束していく。
様々な伏線が回収されて、エンタメに昇華される。
洒落怖というジャンルが、一時期 非常に流行った。
そして、そのあと携帯小説でホラーが流行った。
読み終わり、作者の試みに気が付く。
洒落怖を令和の時代に再現したかったのではないか、と。
そしてまさにそれが成功されたことに安堵し、私自身もこの感想を書けたことに喜んでいる。
そう、おそらく第七話で止まっていたら―――。
わたしは今、この世界に戻れていないかもしれないのだから。
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