見出し画像

創作大賞感想文 : コニシ木の子さん 『イセハラのモトニ』

油断していた。
何がってこの作品のはなしだ。


路地裏の主こと、コニシ木の子さんが2年かけて書いたという小説。

珍しく読んで欲しいと色々な場所で宣伝されていたので、少なからず期待して読み始めた。


舞台は伊勢原。
この時点でご本人を投影した作品であることが想像できる。

ヨッキなんてまさにいつものコニシさんだ。
女性のことが大好きで、落ちる隙間の無いところで逐一妄想にふける。コニシさんのファンならお馴染みの展開。
さらにヨッキは本がめちゃくちゃ好きだけど、その思いを通わせる相手はなかなか現れない。作中ではナオミお婆ちゃんが唯一本を語り合える相手として登場する。

いや、これコニシさんやん。

基本的に片思いなのだ。振り向いてくれる女性も、一緒に本を語り合える人もなかなか現れない。ボケても盛大にスルーされる。

と本人は思って盛大に拗らせているけれど、実はセイセイを始めとしたモトニの仲間に囲まれて、誰よりも皆に好かれている。

いや、やっぱりこれコニシさんやん。

ずっと書きたかった話だ。とご本人も言っていたが、まさにこれまでの人生を書いた作品なのだと思う。

だから、うすっぺらくない。
全編を通して、1字1句、コニシさんのエッセンスが丁寧に練り込まれている。


読んでいると、居酒屋で、ハイボールを飲みながら話を聞いている感覚になる。

すると、作品の展開お構いなしに泣けてきた。


人生はずっと恩返しなんだよ。

とにかく面白くなる方を選べば悔いは無い。

コニシさんがずっと貫いているこのスタンスは、物語を飛び越えて読み手の心に迫ってくる。

物語のラストは自分の目で確かめて欲しい。

そこには、作者が目指してきた最高の景色と、優しさと、寂しさがある。


読めば作者に恋をする。

なんのはなしですか


いいなと思ったら応援しよう!

えむのマイトン | 路地裏で遊ぼう サポートいただきありがとうございます😊嬉しくて一生懐きます ฅ•ω•ฅニャー