本格焼酎はクラフト焼酎へ②(全3回)

②時代にミスマッチな “オヂ感”をアプデ


“本格焼酎”
愛着ある漢字四文字。ただ、重く硬い。
もとは“旧式焼酎”“焼酎乙類”と呼ばれていたものが“焼酎甲類”と優劣がつく印象を避けるために“本格焼酎”と呼ばれるようになったんだと。声をあげてくれたクロキリさんありがとう。
もっと深掘り隊は以下の記事へ。

法律の話とか出てくるとやっぱお硬いよね。。。

30年近く飲食業にに携わってほぼその全てを焼酎に捧げてきたわけだけど、あの古の焼酎ブーム('90末期〜'00前半)の終焉以降、他業界を巻き込むような際立った動きは、2019年あたりに国分酒造のフラミンゴオレンジが業界外にまで名を轟かせるまではほぼなかったんじゃなかろうか。

フラミンゴショック

香り酵母という新種を操り果実や花のような香りを放つ減圧蒸留焼酎フラミンゴオレンジは名伯楽・安田杜氏によって産み出された。この華やかな香りの芋焼酎の登場で本格焼酎のソーダ割りが一気に市民権を得る。
カフェからカレー屋、果てはラーメン屋でまで見かけるくらいの大ブームとなった。
それ以降の大きな変化といえば、今も続く
香り系フレーバー焼酎の台頭だろう。
フラミンゴショックで完全に定着したソーダ割りを前提に造られたこのニューカマーは瞬く間に飲食店を席巻する。本格焼酎を扱ってこなかったカフェからオーセンティックバーにまでだ。

そこに
名称の正しさ業界のタブー
といった堅苦しい前例主義は付け入る隙もなかった。

なんかオモロい酒あるから呑もう→旨い!→オカワリ=それだけ 

ジャケ買いとコレクター魂へのツンツンが古の焼酎ブームを支える構造だったわけだけど、それと似たライトさ(チャラさとも言える笑)が着火剤になった。
大きな違いはウンチクを垂れて講釈を宣うオヂが介在していないこと。

イマ流行りの焼酎は明るくてチャラい手軽な飲み物なのだ! 
それでいてクラフトマンシップを感じられるクラフトビールの大成功にも頷ける。
この輝くフィールド上で「こんなの本来の本格焼酎ではない」なんて古参が片隅で叫んだところで革命軍の賛歌のボリュームの前ではミュートに等しい、、

昔ながらの価値はそのままに時代に合った魅せ方をプラスすることでさらにその価値を高める

昭和平成リバイバルの波で色んなものが再定義されている中で、クラフトと呼ばれる飲食物は音楽やファッションと並ぶ中心的な存在になっているように感じる。

古参が香り系フレーバー焼酎に抵抗があるのは理解できるけど、昔取った杵柄にいつまでも安住しているのはまさに“オヂ”
昔ながらを貫くのはカッコイイけど、新参を認めないのはカッコワルイのよ。ただ知って取捨選択したらいい。再評価を賜るには時代にフィットするアップデートが必要なんだ。

京都の100余年続く老舗が言っていた。
変わらないために変わる  んだって。 
伝統を守るには時代に合わせた変化が必要てこと。
香り系フレーバー焼酎のソーダ割りで広がった領土を野放しにして腐らせるのか、適切な肥料で肥沃な大地に育てるのかは、エンドユーザーにプレゼンする機会を与えられた我々の手腕にかかりまくってるんだよね。

セルフアンチテーゼ

長々と硬めにニューカマー礼賛したけど、これは己に対する強烈なアイロニーになっている。筆者もクラフト焼酎は湯割りが一番旨くあって欲しいと思っているし
温かい酒こそが健やかな酒である
という考えは変わらない。
とはいえ、香り系フレーバー焼酎という新しいポップなお仲間の破壊力を認めた上で、これまでの価値観を棄てずに永くあわよくば広く呑み続けてもらいたい。
そこで長年お世話になった“本格”には45度に最敬礼して、ここいらで再定義で市民権を得た“クラフト”呼称に全乗っかりしようぜってこと。
税法上で決められた呼称でしか呼んじゃいけないことなんてないんだしね。

それでスムーズになるのが次の③
実はこれが“クラフト焼酎”呼称にする一番のキモなんだ。

現在様々な銘柄が造られている香り系本格焼酎の全ての始まりは'90後半〜'00前半の焼酎ブームの中心である鹿児島の芋焼酎『富乃宝山』であることは揺るぎない事実として書き記しておきます。

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