【読書感想文】木原敏江作/夢の碑
日出処の天子に出会って以来、24年組というものを知り、あの時代の少女漫画を漁ってきました。
魔夜先生の『パタリロ』を読み、萩尾先生の『ポーの一族』『トーマの心臓』を読み、そしてその次に出会ったのが木原先生の『夢の碑 青頭巾/鵺』『大江山花伝』です。
これがもう私の好みに刺さる刺さる……というわけで、久々に感想を書こうと思いました。
『夢の碑 鵺』
最初に読んだのは青頭巾だったのですが、なんと奇跡的に次にこの作品を読みました。
青頭巾の主人公である秋篠と鵺の主人公である篠夫は縁があるのですが、後編でそれを知った時には驚きつつ色々と腑に落ちましたよね……。
なるほど確かに、自分だけが可愛いところが同じだなぁと。しかし秋篠は性悪で、篠夫は無垢な残酷さ(幼稚)といった違いがあったように思います。
個人的には、秋篠も見ていて気持ちいいくらい自己中で、可愛いなぁと思いますが。笑
篠夫も秋篠も、綺麗な顔をして自分勝手に残酷なことをするのだから、なんて魅力的な美男だろうかと思いました。
さて、鵺ではその篠夫が主人公ですが、彼に惹かれた主理も同じくらいかそれ以上に魅力的ですね。
根は優等生な男が思い詰めて、死ぬに死ねず、世を儚むように遊び耽り、最終的には好いた男のために親友をも殺して篠夫と心中。
いやもう、なんて美しい話だろうかと感動しました。
ラストで離れないように互いの手首を縛って、一緒に小舟で流れていくあのシーンも、なんとも切なく耽美で……。
自分のために親友を殺し、自分が死ぬ間際になっても離れないようにと互いを繋いでくれたのだから、愛に飢えていた篠夫はどれほど嬉しかっただろうか、と。
いいものを読ませてもらいました、本当に。
『大江山花伝』
こちらは鬼にまつわる話ですが、私が特に好きなのは上月と花車、紗王と武雄でした。
花伝ツァ(上月と花車)
まず上月と花車は、花車が「鬼だから捨てられるんだ……もういい全員食ってやろう」みたいにヤケになるところがいいですね。
なんだか、夢の碑に出てくる美男たちはみんな重いというか、相手しかみえない!いらない!みたいになるところが可愛いですね。
その後、実家に戻った上月が裏切られて牢に入れられて、どうしても花車の元に帰らないとって命を断つところも良いですね……。
相手のために命を捧げる、みたいなのも大好きです。
それを知った花車が復讐して力を使い果たして死に、その後ふたりの魂がそこで永遠に睦み合ってるような終わり方の美しいこと。最高でした。
水面の月の皇子/夢幻花伝(紗王と武雄)
夢幻花伝の主人公は紗王の弟の世阿弥ですが、私は紗王がめっちゃ刺さりまして……。
紗王への感情を秘めて仕えている武雄の忠誠心、良いなぁ!とは思いつつも、青頭巾の『水面の月の皇子』でふたりを見た時にはまだそこまで刺さっていませんでした。
というのも、水面の月の皇子のほうでも紗王の復讐心は描かれていましたが、少しだったんですよね。儚いひとのようなイメージでした。
でも、夢幻花伝では明確に、苛烈に、その復讐心が描かれていて。
最期、武雄に「口惜しい…!」と溢しながら死んだところに全て持っていかれましたね。
武雄にだけは本心を話して、完全に信頼してるところとか、武雄が「お側に……」と紗王を思いながら死んでいくところとか、これぞ主従カプの真骨頂!と大興奮しました。
結び
絵がたいそう綺麗で、妖艶な美男子たちがたくさん出てきて、しかも綺麗なだけではなくエゴが強い美男が多くて、非常に私好みでした。
でもやっぱり、個人的に一番好みなキャラクターは秋篠だなぁ……。
歴史モノや髪の長い美男子が好きな人にオススメです!
