映画そのままのボードゲームが45年前に存在した!|ゾンビ|Dawn of the Dead|遊んだ記憶|ゾンビ三部作|
学生時代、私と友人の間でちょっとした流行になっていたものがあった。
それが、海外のボードゲームで遊ぶことだった。
今のように情報があふれている時代ではない。海外のゲームを気軽に検索できるわけでもなく、動画でルール紹介を見られるわけでもない。だからこそ、海外のゲームを手に入れて、箱を開けて、ルールを読んで、実際に遊んでみること自体がひとつの冒険だった。
少年時代から通っていた模型店に見慣れない英語表記の箱が並んでいた。
最初に買ったのは『宇宙の戦士』だったかな。確か5800円だった記憶。
当時の学生の小遣いにしては高額だった気がします。

中身はもちろん英語表記。今でも模型関係の書籍を扱うホビージャパンが日本語説明書をつけて発売していた。
値段が値段だけに新しいゲームを買うのは何か月に一度というペースでした。さすがにね。
そんな当時の思い出の中でも、いま振り返って特に印象深いのが、SPIの『Dawn of the Dead』である。そうです!あのゾンビの映画が元のゲーム。

映画のタイトルそのままのこのゲームは、まず何より箱が強い。
大きく配置された
DAWN OF THE DEADのロゴ。ゾンビの映画元のタイトルそのまま。
そして、いかにも70年代末から80年代初頭の海外ホラーらしい色使いと構図。今のボードゲームの洗練とはまた違う、どこか荒々しくて直接的な迫力がある。
映画『ゾンビ』を知っている人なら、このタイトルだけで惹かれる。
一方で、まだ映画をよく知らない人でも、「これは何だか普通じゃないゲームだぞ」と思わせる力がある。海外ゲームにまだ慣れていなかった当時の自分たちにとって、こういう箱の圧も大きな魅力だった。
でもこのSPIというメーカーのゲーム盤は、ほぼ厚紙のようなタイプ。三つ折りほどの畳み方で何回も遊んでいると折り目の印刷が剥がれていく仕様でした。
そんなSPIのゲームにどうしてもゲーム盤のペラペラ具合に抵抗があり、この会社のゲームは買わなかった記憶がある。
でも友人のMくんが買ったので遊ばせてもらったのを覚えています。
整理すると確か映画『Dawn of the Dead』 は 1978年ぐらいに公開。
日本では『ゾンビ』のタイトル。
そして、このゲームは1981年に発売されています。
まだ私はゾンビ好きにはなっておらず地方に住んでいた友人が木曜洋画劇場で地上波初放送のゾンビの話をしていたのは覚えている。かなり修正されて酷い見せ方だったそうだ。
幼かったので劇場で映画を見る!ましてやゾンビの映画なんて無理無理。
テーブルゲームや魔法、呪いとかで墓場から死者が蘇る。その輩はゾンビと呼ばれていることは知っていたけど。
結局このゲームのほうが先にプレイ。本家の映画は今では信じられないけど怪しげなビデオレンタル屋さんがダビングした字幕なしの無修正版を見た。
昔の話ですが。

ここからゲームの紹介です。
まず面白いのは、舞台がショッピングモールになっていること。映画の主戦場ですね。初めて遊んだ時には、どうしてショッピングモールが舞台なのか?悩みながら遊びました。まだ映画見てなかったから!
盤面を見ると、店名がびっしり並んでいて、まさに映画の世界そのもの。
レストラン、雑貨店、薬局、書店、ラジオ店、劇場、アーケード……。こうした店舗の配置を見ているだけで、「ああ、映画のあの空間をゲームにしようとしたんだな」という熱意が伝わってきます。
いまの豪華なミニチュアゲームと比べれば、見た目はかなり素朴。
けれど、この平面的なマップの中に物語を読み込ませる感覚が実にいい。
映画『ゾンビ』の魅力は、単にゾンビが出ることだけではない。
閉鎖空間であるショッピングモールを拠点にしながら、人間側の行動範囲、緊張感、補給、逃げ場の有無といったものがドラマになる。このゲーム盤は、その雰囲気をきちんと受け継いでいるように見える。
当時は映画の内容からも、かなりゲテモノ映画に思われてました。
まあ時代が時代でしたから。でも後から何回も見直すと完成度高い!

内容物の写真を見ると、時代がよく出ていて実にいい。
紙のマップ、紙のユニット、ルール冊子、ダイス。
最近の豪華なコンポーネントを見慣れている人からすると、かなり簡素に映るかもしれない。だが、この簡素さこそ当時の海外ゲームらしさでもある。
ルールなんですがゲーム盤にゾンビのイラストがあり、そこにゾンビのコマ(ユニットとも言いますが)を配置。人間側の四人のコマも配置。交互に移動、攻撃、諸々の判定などゾンビ側、人間側とターンを切り替えてプレイ。
人間側の勝利条件はゾンビを駆逐したり避けたりしながら外に通じる入口を閉める。あとはモール内に残ったゾンビ達を駆除する、そんな勝利条件だったと記憶しています。
一番盛り上がる遊び方は映画さながら主役の四人のユニットを四人のプレイヤーが担当する。ゾンビは近くに人間がいれば一マス移動して近づいてくるので戦略をミスれば逃げ道がなく囲まれてしまう。
この時ゾンビと接触、攻撃された場合は人間プレイヤーのユニットはスーパーゾンビ!という立場になる。ほかのプレイヤーからは脅威のユニットになってしまいます。つまり、先程まで仲間だった者をゾンビとして倒さなければならない存在になるのです。人間としての葛藤が出るんですね。

当時、海外ゲームを紹介していた雑誌『タクテクス』は、自分のような学生にとってかなり刺激的な雑誌だった。海外にはこんなゲームがあるのか。
映画や戦争やSFや怪物が、こんな形でボードゲームになるのか。
そんな驚きを与えてくれる窓口だったと思う。
しかもこの『Dawn of the Dead』は、『タクテクス』35号で中綴じ付録ゲームとしても紹介された。当時を知る人間にとっては、単なるゾンビゲームではなく、海外ゲーム文化が日本に入ってきた時代の空気と結びついた一本でもある。

今はボードゲームもずいぶん身近になった。
テーマ物も豪華になり、遊びやすくなり、情報もすぐ見つかる。
それはとても良いことだと思う。
でも一方で、昔の輸入ゲームには、少し不便だからこその魅力があった。
箱を見ただけでは全部はわからない。
ルールも簡単ではない。
それでも広げてみると、そこには確かに未知の世界があった。
そして何より、友人たちと「こんな海外ゲームがあるぞ」と言いながら遊んだあの時間は、いま思い出してもやはり特別だ。
映画『ゾンビ』のボードゲームを囲んでいたあの頃、私たちはたぶん、ゲームを遊んでいただけではなく、新しい趣味の世界の入口に立っていたのだと思う。

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noteも小説創作も全くの素人です。チップなんて2026年1月段階で貰ったことないです!正直どんなものか見てみたいものです。貰えるようにがんばってみます。