姿勢に関するネット情報の8割は誤り ③えっ!体育座りが廃止されたって?
姿勢関連のネット情報は、
ある重心タイプの人にだけ 当てはまる情報が多いようです。
ある人には行ってはいけないという姿勢でも、
別の人には楽だったりします。
今回は、そんな話になっています。
1 体育座りが禁止になった⁉
昭和世代には懐かしい体育座り。
この当たり前だった座り方が、廃止の危機にあるらしい。
なんでも、体育座りで体調を崩したり
腰痛が悪化する子供が増えているのが その理由とか。
でも、知ってほしいのです。
体育座りがしにくい子としやすい子がいて、
その違いは、
骨盤が前後、どちらに傾いているかで決まるかを。
さらに、
体育座りがしにくい子に 重心の魔法をかけると、
楽に座れるようになることを・・・
小学校から体育座りが消えようとしていることを知ったのは、
小学校4年生の女の子が足を痛めて来院された時。
この子が施術を受けている間、
お母さんは隣のベッドの上で 体育座りをされて見ておられます。
少しおませなお年頃ゆえ、
お母さんへのダメ出しも容赦ない。
「ママ、体育座りはやってはいけないんだよ!」
「学校の先生が、体に良くないから
体育座りはしないようにと言ってたよ」
「いい加減に体育座りをやめたら」と
何度も何度も注意、お説教。
見るに見かねて私が、
「ママさんにとっては体育座りが
体に負担が掛からない座り方なので、
体育座りをしても大丈夫なんだよ」
と伝える。
「体育座りをしてはいけないのは、
私のような座り方しかできない人だよ」
と、わが身をもって説明。
私とお母さんと二人で並んで
体育座りをしたら、
その違いは、小4の娘さんにもわかった様子。
お母さんが楽そうに体育座りしているのに対し、
私が体育座りをすると、膝を抱えることにもはや無理がある。
骨盤ごと後ろに倒れてしまいそうになるのを見て、
この子もお母さんも思わず大笑い。
体育座りの得意な子と苦手な子は、
生まれ持った骨盤のタイプによって決まってしまうのです。
「苦手な子だけをやめさせるわけにいかないので、
先生はみんなにやめるように言っているのだと思うよ」
というと、なるほどとうなずいて、以後、
お母さんの体育座りをとがめることは、なくなったのだそう。
体育座りは、私が子供の頃は「体操座り」と言っており、
朝礼や集会で話を聞く時、運動会の練習や体育の授業の時などに、
いつも行って慣れ親しんでいた思い出がある。
体育座りはあまり好きではなかったが、
「してはいけない」とまで、
学校の先生が言われるのには少し違和感を覚える。
体育座りでなければ、
体育館で集まる時や体育の授業では、
どのように座るのだろう? と疑問がわいてくる。
2 体育座りが廃止になった学校があった!
この子の話を聞いて、
「令和の学校では体育座りをしていないのか」
と、ちょっとしたショックを受け、体育座りについて調べてみた。
ネットで調べてみると最近の小中学校では、
体育座りをさせない動きがあることがわかった。
なんと、
2021年には、山口県下関市の豊北中学校では、
初めて体育座りを「廃止」したのだそう。
それから全国から注目を集め、
次々と多くの小中学校で
体育座りを見直す動きが広がったようです。
ネットの情報によると、
なんでも、体育座りは内臓を圧迫し、児童の発達を妨げるとか。
また、長く座っているとつらくなり、集中力に欠ける、
腰痛や坐骨神経痛の原因となった例も多くあるらしい。
おっと、体育座りが悪者扱いをされている!
しかし、先のママさんのように、
体育座りすると、腰が楽な状態で過ごせるため、
家でも気が付くとやっている人は意外と多いのは事実。
体育座りの廃止には、約半数の人が反対しているという
記事を見て、事の真相がわかりました。
体育座りが苦にならない人は、骨盤前傾の前重心の人
体育座りが苦手な人は、骨盤後傾の後ろ重心の人
つまり、体育座りが楽にできる前重心の人に、
体育座りをやめさせる必要はないわけです。
体育座りがやりづらい後ろ重心の人、
つまり、約半数の人はやめた方がよいわけです。
もしかしたら、廃止する考えの人の多くは、
自分が骨盤後傾の人? ということになることが
容易に想像できるのです。
3 後ろ重心の人が体育座りが苦手になる理由
お尻を落として膝を立てて座ると、後ろに重心が移動します。
体育座りは、膝を抱えることで、重心が前に移動して
安定して座れるのが特長です。
ところが、私のように骨盤後傾の人は
後ろに重心があるので、膝を抱えにくいのです。
女の子のママさんのように骨盤前傾の人は前に重心があるので、
膝を抱えて体を前に持っていきやすく、
自然に無理なく体育座りを行うことができます。
体育座りは、腕をすねの前方で組むことに 意味があります。
すねの前で組むことで、重心を前に移動させられるからです。
この体育座りは、腕で膝を抱える時に前方に重心が掛かり、
骨盤が前傾する前重心の人にとって安定した座りができるわけです。
腰に負担が掛からないので、腰痛や坐骨神経痛とも無縁なのです。

重心が前に移動して
安定して座れる
一方、私のように後ろに重心が掛かる者は、
すねを腕で抱え込むことに無理があります。
重心が後ろにあるため、前方に重心移動しづらく、
前方で膝を抱えにくいためです。
そのため、
体育座りをすることで、前に重心が移動するどころか
膝を後ろに引く形になることで
かえって、後ろに重心が移動してしまうのです。
結果として、姿勢が悪くなり、
後ろにひっくり返りそうになるのです。
骨盤の後傾がさらにひどくなることで、
腰痛や椎間板ヘルニアにも 繋がってしまうわけです。

さらに重心が後ろに移動してしまうので、
安定して座れない
4 体育座りが苦手な子が座りやすくなる重心の魔法
体育座りは、お尻を落として膝の前で両手を組むため、
重心が前に移動します。
そのため、前重心タイプの人は、
手を組んだ瞬間に重心が前に移動して、骨盤が立って腰が伸びます。
一方、後ろ重心タイプは、
重心を前に移動しづらいため、
膝ごと後ろに倒れて、骨盤が後傾して腰が後ろに曲がります。
そんな骨盤後傾の子でも、骨盤を立てて体育座りができる
重心の魔法があります。
それは、体育座りをして、膝の下で両手を組むのです。
手を組んだ瞬間に重心が前に移動して、
骨盤が立って腰が伸びます。

膝の下で手を組むと
背中が伸びる
ただ、この座り方を、体育座りというのかは疑問です。
人は生まれながら、やり易い動きや不得手とする動きがあります。
やり易い姿勢や得手とする動きは体に良い方向に働きます。
学校での座り方も、一つに統一すべきではなく、
人それぞれの、やりやすい座り方をすればよいと思います。
軍隊に始まり、武道やラジオ体操に代表される 日本の体育教育は、
皆が同じ動きをすることが前提になっています。
時代の移り変わりとともに、各々の体に合った物に変えていく
タイミングではないかと思うのです。
5 姿勢のよくなるあぐらのかき方
ネットの情報によると、
子供たちに、 床に座る場合、体育座りに変わる
やりやすい座り方のアンケートをとったら、
「あぐらが一番楽!」と答えた子が もっとも多かったとか。
あぐらも体育座りと同じく、地面にお尻をつけて座るため、
あぐらをかくことで姿勢が悪くなる、
あるいは、腰によくないと言われます。
骨盤後傾の人は、あぐらをかくと、
後ろに倒れそうになる人もいます。
それなら、「重心の魔法」をかけて、
骨盤が立つあぐらをかいてみましょう。
普通のあぐらは、片側の足に
重心側の足を乗せて行います。
その下になっている足を、
重心側の足の前に出します。

あぐらをかくことがほとんどです

重心が前に移動して
腰を伸ばして座れる
これなら、骨盤後傾の人も骨盤を立たせることができるので
腰を伸ばしたままあぐらがかけます。
しかし、骨盤前傾の人は、この体勢はつらいと思います。
大河ドラマ「光る君へ」では、陣の定めなどの
公卿たちが話し合うシーンにおける座り方は、
左足前で、足を前後に並べるあぐらに統一されたのだそう。
平安時代、正座という座り方がされることはなく、
あぐらか立て膝が一般的でした。
しかし、テレビ映えするように、「背筋が伸びるあぐら」として、
この座り方が採用されたのでは。
藤原道長役の柄本佑さんは、この、
左足前の足を前後に並べるあぐらに 悪戦苦闘したとか。
柄本さんだけではなく、主な男優さんたちは、
撮影時にこのあぐらを 皆痛がっていたらしく、
とくに、ロバート秋山さんは、
このあぐらから足が戻せなくなったらしい。
骨盤前傾タイプの人がこの座り方をすると、
さらに重心が前に偏ってしまうため、
不安定な座りになってしまうのです。
そういえば、
柄本さんをはじめ、秋山さん、町田啓太さん、
はんにゃ金田さんなどは、
お見受けしたところ目と目の間が狭く、
骨盤前傾タイプと想定される方が
多かったのでお気の毒さまですね。
俳優さんは、目と目の間隔が狭い整った
お顔立ちなのが、災いになったかも。
私のように、目と目の間隔が広い人は、
骨盤後傾している場合がほとんど。
もしかしたら、監督さん、演出の方は
骨盤後傾の方だったかも―と想像は広がります。
みな 自分の体が基準になりますから。
ちなみに、右重心で骨盤後傾の私は、
左足を前に出してあぐらをかくと、
後ろに偏っていた重心が 前に移動して 腰が伸びます。
見栄えもよいし、腰も楽なのです。
しかし、逆の前重心タイプの人には、苦痛でしかない訳です。
さらに、
この左足前を出すというのは 右重心タイプのやり方なので、
左重心の方は、右足を前に出さねば安定しません。
このように、みんな同じ姿勢をとらされると、
半分以上の人が割を食ってしまうのです。
人それぞれ、やりやすい姿勢、体に優しい良い姿勢があり、
あなたにとって良い姿勢も、
お子さんにとっては 苦痛でしかない場合もあります。
そろそろ、みんなが同じ姿勢や動きをすることを、
見直す時期かも知れませんね。
