映画《国宝》レビュー
⚠️若干ネタバレ注意⚠️

話題の作品『国宝』を観てきました!
言うまでもなく、役者陣の演技は圧巻で、息を呑むようなシーンの連続。舞台に立つ者の覚悟と執念が、そのままスクリーン越しに伝わってくるようで、本当の歌舞伎を生で観ているような臨場感でした!
特に吉沢亮さんの演技は、まさに“芸に取り憑かれた”男そのもの。人間離れした冷酷さの奥に、芸にすべてを捧げる哀しさと覚悟が滲み出ていて、観る者を一気に彼の人生へと引き込んでいく。
男同士の嫉妬や情、友情を超えた感情のぶつかり合いが描かれている一方で、そこにどうしてもついて回るのが「血筋」という宿命。才能だけでは抗えない、血と家と名前に縛られた芸の世界の残酷さが、観た後にもじんわりと胸に残った。
また、芸に対する誇りや精神、芸を支える人々の生き様や色恋模様――そのどれもが濃密で、生々しく、そして美しく描かれていたように思う。
歌舞伎の、華やかで艶やかな側面と非情で残酷な側面という両面を、見事に共存させて描いていたように感じる。
特に印象的だったのが、「女が登場すると、一気に世界がドロドロになる」という描き方。他を犠牲にしてまで芸を極める男たちの残酷な決断が、周囲の女性を巻き込んでいくという構図がそう見せたのかもしれない。これは単なる演出以上に、歌舞伎という男だけで作り上げる芸が成り立った背景にある、特有の世界観や価値観を映し出しているようにも思えた。男だけが表舞台に立つという独特な世界の裏側で、隠されてきた人間ドラマを垣間見れたような気がする。
⸻
この作品は、歌舞伎を観たことがない人にとっても、歌舞伎という芸能の凄みや日本の伝統文化の魅力を知るきっかけになる、非常に価値のある作品だと思う。そして、芸に人生を捧げる人たちの姿は、今を生きる私たちの背筋をも伸ばしてくれるような、そんな力を持っていた。
個人的には、歌舞伎を取り巻く世界における色恋やジェンダーの描き方にも強く惹かれた。原作もぜひ読んでみたいし、このテーマは文化研究としてもとても面白そうだと感じている。
美しすぎる吉澤亮さん...♡

