2016年4月7日(木)《KB》
【熊大生協食堂:富田 穂樽・村川 梨花・大塚 瀬名・福田 太陽】
「太陽くん。こっちこっち」
食事を購入してテーブル席側を眺めている福田 太陽を見つけて、村川 梨花が大きく手を振りながら叫んだ。ここは『熊大生協食堂』。2限目終わりの時間であり、たくさんの大学生が昼食を食べに訪れている。1回生は各学部ともまだガイダンスが行われており、各自自分の学部学科のカイダンスを受講している。そして2限目が終わったタイミングで一緒にご飯を食べる約束をしており、ここに集合したのである。ちなみに富田 穂樽は文学部文学科、大塚 瀬名が文学部歴史学科、村川が理学部生物学コース、そして福田が工学部情報電気工学科である。
「何か知らんけど少し時間が押した」
「理系は大変そうだもんね。知らんけど」
何故か遅くなったことを福田が口にし、それに大塚が理系に対する考えを口にする。高校生の頃から感じていたことではあるが、理系は文系に比べて大変なイメージがある。数学や理科が格段に難しいし、それといって英語や国語をしなくて良い訳ではない。それに対して文系は進学先を私立文系に決めれば英語、国語、社会の3科目の場合が多く、やっかいな数学や理科を勉強する必要もなくなるのである。もちろん好き嫌いもあるので、理系の人は数学や理科に対して苦手感や嫌悪感を持つこともないのだろうが、ど文系の人間からすれば数学や物理、化学などは体調を崩すレベルで関わりたくないのである。当然富田や大塚は文系とはいえ大学入試センター試験で数学を受けているので、まったく数学を勉強しなくて良かった訳ではない。ただそれでも理系と違ってセンター試験の範囲である数Ⅱ・数Bまでしか勉強しておらず、数Ⅲや数Cについては目にしてもいないのである。
「別に理系が大変って思う訳ではないけど、確かに文転って言葉があるからそうなのかも」
「確かに何人か文転したよね。でも理転したってのは聞かないな」
理系についての考えから文転ということばを引用した福田の言葉の後で、村川が理転について口にする。文転とは文系・理系のコース選択で理系を選択したが、大学入試では文系の学部学科を受けることを示す。一般的には数学や物理化学の難易度に対応できず、理系を諦める場合が多い。逆に理転という言葉もあるが、文系から理系に変えるのはかなり難易度が高く、よほどの覚悟がないと難しいと思われる。
「ごちそうさまでした。ところで私3限で終わりだけど何限までなのかな」
食事を食べ終えた富田が質問の声を上げる。これに対して、大塚が3限まで、村川と福田は4限までと回答した。そこで富田は3限終わりに文学部棟入り口で待ち合わせて、大塚と一緒に帰る約束をしたのであった。
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