1997年11月20日(木)《BN》
【熊大迷宮:私はPHS派部隊】
「前方に亜獣5体です」
「良し、初戦闘だ。各自集中」
亜獣の気配を探知した笹野 裕也の声を聞いて、隊長の羽田 晴信は隊員全員に向かって指示の声を飛ばした。ここは熊大迷宮地下1階。私はPHS派部隊は本日から迷宮探索を開始している。各自集合場所である迷宮入口前に時間通りに到着し、結構な緊張感を持ちながら迷宮へと侵入する。迷宮に入ると右と真っ直ぐに道が分かれているが、通常右のエリアを探索する必要はないとされているので、真っ直ぐ北方向に向かって移動を開始する。この通路はしばらく進むと右に曲がり、その先で直進と右の三叉路にぶつかる。その三叉路手前で笹野が亜獣接近の声を上げたのである。
「いやー、初戦闘かー。楽しみー」
「摩美は緊張しないねー。私は結構緊張してるんだよ」
亜獣との初戦闘をワクワクした雰囲気で待ち構えている小山 摩美を見つめながら、古性 直美が正直な感想を口にする。今現在迷宮についてはほぼ完璧なマニュアルが整備されており、シミュレーションソフトもかなり精密に開発されている。迷宮に実際に入るのは本日初めてであるが、シミュレーションソフトにて仮想迷宮内の模擬探索は何度か行なっているのである。その結果、小山は緊張よりも実際に探索していることが楽しくて仕方がなく、古性はある程度の展開がわかっているとはいえ、やはり実際の探索ということで緊張しているのである。
「催眠!」
敵の姿が確認できた瞬間に小山は催眠の呪文を唱える。この呪文により白狐3体の内の2体が疲れて眠るように倒れ落ちた。これで行動可能な亜獣は白狐が1体と兎頭2体である。
「良し、ガンガンいこうぜ」
このように指示を出した羽田の声を聞いて、夢野 美冬と大串 真奈は気合を入れる。そして亜獣に向かって攻撃を開始した。初めての実践ということもあり、亜獣特有の動きに完全には対処できず、攻撃を結構喰らってしまう。ただ、攻撃力はそこまで高くないらしく、ダメージ的には微々たる物のようだ。この後は大串が白狐を殲滅し、2体の兎頭に対して戦士3人で戦う図式となる。こうなるとある程度余裕感を持って戦うことができ、程なく倒し切ることに成功し、眠っている白狐2体も消滅に成功した。
「おー、お疲れー。物質回収してきます」
戦闘終了のタイミングで笹野が声をかけながら物質の回収に向かう。そして戦士3人は古性に回復を依頼したのである。この後は回収と回復が終わるのを待って、この後の行動について話し合う。すると後1回だけ戦闘したいという意見が多かったので、適当に入口付近をうろつく。すると緑鬼4体とスライム2体と遭遇したので、これを危なげなく退治し、本日の探索を終えることにしたのであった。
※部隊情報
◆私はPHS派
羽田 晴信 17期 戦士(起源) 1回生
夢野 美冬 17期 戦士(予知) 既卒1
大串 真奈 17期 戦士(神技) 既卒1
笹野 裕也 17期 罠解除士 既卒1
古性 直美 17期 僧侶 既卒1
小山 摩美 17期 魔術師 既卒1
