コーストFIREという言葉を知って、今までの資産形成を振り返ってみた
「私はFIREを目指していなかった。でも、振り返ったら……」
最近、「コーストFIRE」という言葉を知りました。
FIREという言葉は以前から知っていました。
働かなくても生活できるだけの資産を作って、早期リタイアする。
そんなイメージです。
仕事を完全に辞めたいわけでもない。
働くことそのものが嫌いなわけでもない。
ただ、年齢を重ねるにつれて、
「これから先も、今と同じ働き方をずっと続けるのかな」
と考えるようになっていました。
そんなときに知ったのが、コーストFIREでした。
コーストFIREという考え方
コーストFIREは、ある程度の資産を作ったら、その資産を長期運用しながら、将来必要になるお金を育てていくという考え方です。
今後の生活費をすべて投資でまかなえる状態を目指すのではなく、
「老後のお金を作るために、これから必死に働き続けなくてもいい」
という状態を作っていく。
そして、生活費については、必要な分だけ働いて稼ぐ。
この考え方を知ったとき、
「……あれ?」
と思いました。
これ、私が今までやってきたことと、かなり近いんじゃないか。
そう思ったのです。
私はFIREを目指していたわけではない
私はこれまで、コツコツと資産形成をしてきました。
投資信託を積み立てる。
NISAを使う。
国内株式を持つ。
配当金を受け取る。
利益が出た株を売却して、そのお金をまた長期で持ちたい資産に回す。
そんなことを、一つひとつやってきました。
最初から大きな計画があったわけではありません。
「将来のために少しずつやっておこう」
そのくらいの気持ちだったと思います。
そして気がつけば、将来のために積み上げてきた資産は、私にとって決して小さくない金額になっていました。
改めて数字を整理してみると、
「私、思っていたよりちゃんと資産形成してきたんだな」
と少し驚きました。
「増やさなきゃ」から「どう使う?」へ
これまでの私は、
「もっと資産を増やさなきゃ」
という気持ちが強かったように思います。
投資を始めたら、もっと勉強したくなる。
配当金が増えれば、さらに増やしたくなる。
資産が増えてくると、
「これならもう少し働き方を変えられるんじゃないか」
と思うようになる。
そこで、これからの資産形成について改めて考えてみました。
今ある資産を長期で育てていく。
NISAも活用していく。
配当金も少しずつ育てていく。
でも、ただ資産額を大きくすることだけを目的にしない。
その先にある、
「自分がどんなふうに働きたいのか」
「どんなふうに暮らしたいのか」
まで考えてみようと思ったのです。
50歳以降の働き方を考える
私は薬剤師として長く働いてきました。
今も仕事をしていますし、すぐに辞めたいとは思っていません。
むしろ、これからも働けるうちは働きたい。
ただし、
「生活のために、絶対にフルパワーで働き続けなければならない」
という状態からは、少しずつ離れていきたいと思っています。
年齢を重ねれば、体力や視力、家族のことなど、今とは違う事情も出てきます。
だからこそ、
「働けるから働く」
「働きたいから働く」
という選択肢を残しておきたい。
そのために資産を育てておく。
そう考えると、コーストFIREという考え方がとても腑に落ちました。
その先にはBarista FIREもある
さらに調べていくと、「Barista FIRE」という考え方も知りました。
完全に仕事を辞めるのではなく、生活費の一部を仕事で補いながら、資産運用を続けていく。
これも今の自分には、かなりしっくりきます。
例えば、今より仕事を少し減らす。
責任や負担を少し軽くする。
それでも、自分が好きな仕事や、人と関わる仕事は続ける。
そして足りない部分を資産からではなく、働いて得た収入で補う。
そんな働き方です。
「仕事を辞めるか、今まで通り働くか」
その二択しかないと思っていたけれど、
その間には、いろいろな選択肢がある。
それに気づけたことが、私にとっては大きな発見でした。
資産形成の目的が少し変わった
今までは、
「老後のためにお金を貯める」
という感覚が強かったと思います。
でも今は少し違います。
もちろん、老後のお金は大切です。
でも、それだけではない。
資産を育てることで、
「これからの自分の選択肢を増やす」
ことができる。
働き方を変える選択肢。
家族との時間を増やす選択肢。
やりたいことに時間を使う選択肢。
そして、無理をしないという選択肢。
お金は、何かを買うためだけのものではなく、
「自分の人生を自分で選ぶための土台」
にもなるのだと思いました。
振り返ってみたら、ちゃんと前に進んでいた
コーストFIREという言葉を知ったことで、私は今までの資産形成を振り返ることができました。
投資を始めた頃は、
「こんなに長く続けられるかな」
と思っていたこともあります。
個別株を買って、売って、失敗したり、利益が出たり。
配当金が少しずつ増えていったり。
NISAをどう使うか考えたり。
決算書の見方を勉強したり。
最近では、企業の数字だけではなく、
「この会社はこれから何をしようとしているんだろう」
と考えながら株を見るようにもなりました。
まだまだ勉強中です。
それでも、以前の自分とは少し違います。
誰かがすすめるから買うのではなく、
「私はこれをどう考えるのか」
を少しずつ考えられるようになってきました。
資産だけではなく、自分自身も少しずつ育っている。
そんな感覚があります。
これからは「いくら必要か」だけではなく
これからも資産形成は続けます。
でも、以前のように、
「もっと増やさなければ」
だけではなく、
「この資産があれば、私はどんな選択ができるだろう」
と考えていきたいと思っています。
50歳になったとき。
55歳になったとき。
60歳になったとき。
そのときの自分が、
「働かなければ生きていけない」
ではなく、
「どう働くかを自分で選べる」
状態になっていたらいい。
そのために、今できることを少しずつ続けていく。
コーストFIREは「早く仕事を辞める方法」ではなかった
私にとって、コーストFIREという言葉は、
「早く仕事を辞めるための方法」
というより、
「これからの人生を、自分で選べるようにするための考え方」
でした。
そして、面白いことに、
私はコーストFIREを目指して資産形成してきたわけではありません。
振り返ってみたら、
いつの間にか、その方向に進んでいた。
それに気づけたことで、
「今までやってきたこと、ちゃんと意味があったんだな」
と思えました。
これからは、ただ資産を増やすだけではなく、
資産と時間と仕事。
その3つをどう組み合わせたら、自分が穏やかに生きられるのか。
そんなことを考えながら、50歳を迎えたいと思っています。
「50歳になる前に、穏やかに生きるために。」
資産形成も、そのための一つなのかもしれません。
