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新人看護師が意識レベルと瞳孔観察で迷わないための見方

脳神経外科や救急、ICU、一般病棟でも、「意識レベルを見ておいて」「瞳孔も確認して」と言われる場面があります。

新人看護師のころは、この一言がとても重く感じるかもしれません。

JCS、GCS、瞳孔径、対光反射、麻痺、ろれつ、いつもと違う様子。見ることが多く、しかも異常を見逃してはいけない雰囲気があります。

でも、最初から完璧に判断しようとしなくて大丈夫です。

大切なのは、難しい言葉を暗記することだけではなく、「前と比べてどう変わったか」「いつもと違うところはどこか」を丁寧に見ることです。

この記事では、新人看護師が意識レベルと瞳孔観察で迷いやすいポイントを、現場で使いやすい形に整理します。

1. 意識レベルは「起きているか」だけではない

意識レベルというと、「起きているか、寝ているか」を見るものだと思いやすいです。

もちろん覚醒しているかは大切ですが、それだけでは足りません。

意識レベルでは、呼びかけに反応するか、会話が成り立つか、指示が入るか、いつもと比べてぼんやりしていないかを見ます。

たとえば、目は開いていても会話がかみ合わない、いつもできていた指示動作ができない、急に落ち着きがなくなった。このような変化も大切な情報です。

新人のころは「目が開いているから大丈夫」と考えてしまうことがあります。

でも、脳の状態が変化しているときは、受け答えや行動に小さな変化が出ることがあります。

まずは「いつものその人と違うか」を意識して見てください。

2. JCSはざっくりした段階をつかむ

日本の病棟では、意識レベルをJCSで表すことがあります。

JCSは細かく覚えようとすると混乱しやすいですが、最初は大きく3段階で考えると整理しやすくなります。

  • 1桁: 刺激しなくても起きているが、少しぼんやりしている

  • 2桁: 呼びかけや刺激で目を開ける

  • 3桁: 痛み刺激でも反応が乏しい、または反応しない

新人看護師がまず押さえたいのは、細かい数字を完璧に言うことより、「刺激しなくても起きているのか」「呼びかけで開眼するのか」「痛み刺激が必要なのか」です。

報告するときは、無理に自信のない数字だけを言うより、実際の反応を一緒に伝えると安全です。

「呼びかけで開眼しますが、すぐ閉眼します。名前は言えますが、場所は答えられません」

このように具体的に伝えると、先輩も状態をイメージしやすくなります。

3. GCSは「目・言葉・運動」に分けて見る

ICUや救急、脳神経外科ではGCSを使う場面もあります。

GCSは、E、V、Mの3つで評価します。

Eは開眼、Vは言語反応、Mは運動反応です。

最初は数字を覚えることに意識が向きがちですが、現場では「どの反応が変わったのか」を見ることが大切です。

たとえば、昨日は会話ができていたのに今日は意味不明な発語になっている。指示に従えていたのに、今日は痛み刺激で手を払うだけになっている。こうした変化は重要です。

GCSは合計点だけでなく、内訳も大切です。

「GCS 14点です」だけより、「E4V4M6で、昨日より会話が少しかみ合いません」と伝えるほうが、変化が伝わりやすくなります。

点数に迷うときは、実際に見た反応をメモして先輩に確認して大丈夫です。

4. 瞳孔は大きさ・左右差・対光反射を見る

瞳孔観察では、主に瞳孔径、左右差、対光反射を見ます。

瞳孔径は、左右それぞれ何mmくらいかを確認します。

左右差がある場合は、どちらが大きいのか、いつからなのか、前回と比べて変化があるのかが大切です。

対光反射は、光を当てたときに瞳孔が縮むかを見る観察です。

ここで気をつけたいのは、瞳孔不同がすべて急変というわけではないことです。もともと左右差がある人、眼科疾患や手術歴がある人、薬の影響がある人もいます。

だからこそ、前回の記録や普段の状態と比べることが大切です。

「右3mm、左3mm、対光反射あり」なのか、「右5mm、左3mmで、右の対光反射が弱い」なのかでは意味が変わります。

不安なときは、自己判断で終わらせず、早めに先輩と一緒に確認してください。

5. 瞳孔だけでなく、麻痺や言葉も一緒に見る

脳の変化を見るとき、瞳孔だけを見て終わりにしないことも大切です。

意識レベル、瞳孔、麻痺、言葉、顔の左右差、頭痛、嘔吐などを合わせて見ます。

たとえば、急に片側の手足が動かしにくい、口角が下がっている、ろれつが回らない、強い頭痛を訴える、嘔吐がある。このような症状は、すぐに相談が必要なことがあります。

新人看護師がすべてを診断する必要はありません。

でも、「これはいつもと違う」と気づいて、早く報告することはできます。

観察は点ではなく、線でつなげて見ます。

「瞳孔が変かも」だけではなく、「意識も少しぼんやりしている」「言葉も出にくそう」「右手の動きが弱い気がする」と合わせて伝えると、緊急度が伝わりやすくなります。

6. 眠っている患者さんをどう起こすか

夜勤中や術後の観察で、眠っている患者さんの意識レベルを見ることがあります。

このときに迷いやすいのが、「どこまで起こしていいのか」です。

必要な観察であれば、まず名前を呼び、肩に軽く触れるなどして反応を確認します。

声かけで起きるのか、何度か呼ばないと起きないのか、起きたあと会話ができるのか、すぐ寝てしまうのかを見ます。

ただ寝ているだけなのか、意識レベルが下がっているのかは、反応を見ないと判断できません。

「眠っていたので見ませんでした」ではなく、「呼びかけで開眼し、名前を答えられました。すぐ再入眠しました」のように記録できると、状態が伝わります。

患者さんを休ませることも大切ですが、必要な観察を安全に行うことも看護です。

7. 報告は「前回との違い」を入れる

意識レベルや瞳孔の報告で一番大切なのは、前回との違いです。

「意識が悪いです」だけでは、どのくらい悪いのかが伝わりにくいです。

報告では、次の内容を入れると整理しやすくなります。

  • いつから変化したか

  • 呼びかけへの反応

  • 会話や指示動作ができるか

  • 瞳孔径と左右差

  • 対光反射

  • 麻痺やろれつ、頭痛、嘔吐の有無

  • 前回と比べてどう違うか

たとえば、こう伝えます。

「Aさんですが、30分前より反応が鈍いです。呼びかけで開眼しますが、すぐ閉眼します。名前は言えますが、場所は答えられません。瞳孔は右4mm、左3mmで、右の対光反射が弱く見えます。右手の握りも弱い気がするので確認をお願いします」

完璧な表現でなくても、具体的な変化が入っていると、受け取る側は判断しやすくなります。

まとめ

意識レベルと瞳孔観察は、新人看護師にとって緊張しやすい観察です。

でも、最初からJCSやGCSを完璧に使いこなせなくても大丈夫です。

まずは、呼びかけへの反応、会話、指示動作、瞳孔の大きさ、左右差、対光反射、麻痺や言葉の変化を見ます。

そして、前回と比べて何が違うのかを伝えることが大切です。

「いつもと違う気がする」

「さっきより反応が鈍い」

「左右差が前回より強い」

この気づきは、患者さんの安全につながります。

迷ったときは、一人で抱え込まず、早めに先輩と一緒に確認してください。

意識レベルと瞳孔観察は怖いものではなく、変化を早く見つけるための大切な手がかりです。

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