プライドと偏見|静かな葛藤と愛おしさ
今更ですが、『プライドと偏見(2005年版)』の感想文です。
先日読んだ『教養としての紅茶』という本におすすめで載っていたので、懐かしくて10年ぶりに鑑賞しました。
アフタヌーンティーのシーンなんてあったっけ?と思ったけれど、所作や教養、振る舞いからにじみ出る品性の大事さを知るにはもってこいの映画ですね。
改めて観て、昔見た時よりも響きました。
何度も観るたびに新しい発見があることは、映画や読書の好きなところの一つです。
あらすじ
舞台は18世紀のイギリス。田舎町で暮らすベネット家の子供は5人姉妹。当時女性に相続権はなく母親は娘たちを早く結婚させようと躍起になっていた。ある日、近所に引っ越してきた大富豪のビングリーと長女ジェーンが惹かれ合う。その一方で、次女エリザベスはビングリーの親友であるダーシーの態度に嫌悪感を抱くが…。
主役のエリザベス(キーラ・ナイトレイ)が美しくて終始絵画を観ているようでした。田舎の田園風景や当時の邸宅も美しい。
派手な事件は起こらないけれど、セリフの美しさや、繊細な心理描写、心が近づいたと思えば離れてしまう素直になれない男女の恋模様が魅力的でとても引き込まれました。
基本的に人の恋心って移ろいやすいと思っているので、それぞれの恋の行方に終始はらはらしていました。
登場人物も魅力的で、5人姉妹がなかなかキャラ立ちしてて面白いです。
最初に観た時は、エリザベスのある種の潔癖さに共感してしまったのもあり、周りの人物が悪役のように思えました。
年を重ねた今は、それぞれ立場や思いも想像できてしまうからこそ胸を打つシーンが多かったような気がします。時代背景を少し理解すると、登場人物それぞれの決断や覚悟の重さを感じます。
特に家族の振る舞いに対して「恥ずかしいからやめてよ!」と思春期女子なら誰しも思うもの。
でも、大人になった今なら身勝手な母親だけど、繊細な気持ちは理解してくれなくても根っこに愛情はあるのよね…と思える。
実家にいるとうんざりすることもあるけど、周りが理解できなくてもその家族特有の愛情の形ってありますよね。
そもそも人間って完璧じゃないから、一面だけではくくれないもの。
どの時代も同じなんだなぁ、と感慨深いです。
何より、改めてみるとダーシーがかなり頑張ってくれてることが分かります。
物語の後半はエリザベス自身の葛藤が主になってるのだと、やっと気づきました。
ダーシーの品のある佇まいも美しくて、雨の中での告白や、ラストの二人の会話の言葉遣いと雰囲気はたまらないですね。素敵…。
最後の晴れやかな表情での父親とのシーンには穏やかな涙が溢れました。
ダーシー、エリザベスそれぞれの傲慢さと偏見の物語。静かなのにドラマティックで見応えのある映画でした。
静かな感動と誠実な愛にあふれたこの物語がとても好きになりました。
改めて観ることが出来て本当に良かったです。
原作はジェイン・オースティンの有名な長編小説のようですが、気になります。読むのは、大変でしょうか…。
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