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【ある男と女の会話-8】『 Scenery/Ryo Fukui 』

 ご自身で自由に情景を思い描いていただく「ある男と女の会話」。
 このシリーズは、二人のいる場所や関係性などを一切伏せてお届けしています。今宵も誰にも内緒で、ご自身の妄想した「男と女の世界」をお楽しみくださいませ。

「夏カレーは 熱くて辛い シーフード
      男の料理に 手出しは無用」

 こんばんは、「Dancer-Joe」です。
 このシリーズも八回目になりました。投稿ペースも月一回と安定してきています。あと二回で目標の二桁に届きます。頑張って書きますね。

 では、末広がりの八回目はこんなお話です。

「シーフードカレーは、夏の味」

「玉ねぎは、この目にしみるのがイヤなんだよな…… やべ、涙出てきた」
「次はなんだっけ? あ、ニンニクを刻むのか。あれ、トマト缶どこ置いたっけ?」

「ただいま。遅くなってごめんね」
「おかえり。楽しかったかい」
「うん、とっても! っていうか、あなた、カレー作っているの?」
「そうだよ、本格派のシーフードカレーさ。もうすぐできるから、着替えておいで」
「うん、すぐ着替えて手伝うね」
「慌てなくていいよ」

「お待たせ! いい匂い、おいしそうね。私は何を手伝う?」
「それじゃね、海藻サラダを作って。大根は洗ってあるから」
「わかった。ドレッシングは何にする?」
「オレは、和風か青じそがいいな」
「は~い、了解で~す」

「うわ! そのイカ、丸い。エビも大きい。シーフードミックスじゃないんだ、スゴい!」
「せっかくだから本格的にと思ってね、スーパーで買ってきたんだ」
「見ただけでイカもエビもわかるシーフードカレーって、本当に久しぶり。あなた、ありがとう」
「これくらいでいいだろう。うまそうにできたよ」
「本当、おいしそう!  私のサラダもおいしそうでしょ」
「うん、おいしそうだね。さあ、早く食べよう。もうお腹ペコペコ! お皿にご飯準備して」
「は~い」

「……ねぇ、お米、生のままよ。あなた炊飯器のスイッチ、忘れたでしょ(笑)」
「え、本当に!? アチャ、大失敗だ……」
「アハハ、あなたでもこんな失敗しちゃうんだ」
「ごめんね…… 早炊きにすれば三十分ちょっとで炊けるから、待ってて」
「うん、でも大丈夫よ。ご飯あるから」
「ないよ、冷凍のは今朝、全部食べたさ」
「ジャーン! 夕食にと思って、帰りにコンビニでカレー買ってきたんだ(笑)。このご飯にあなたの作ったカレーをかけて食べよ」
「やった! 助かったよ、ありがとう」
「うん、ご飯温めるから、あなたお皿準備して」
「うん、わかった」

「なぁ…… 残ったコンビニのカレー、どうする?」
「カレーだけ返品って、できないかな? レシートはあるよ」
「それは無理だろう、絶対」
「だよね~ カレーだけ返品なんて、聞いたことないよね。あなたの炊いたご飯をセットにする、とかはダメ?」
「だから、そんなのダメだって!」
「そうよね、ちょっと言ってみただけよ(笑)。カレーは明日の朝、食べようか?」
「え~、朝はかんべんして。昼か夜にしよう」
「そうよね、じゃあ夜ね。おやすみなさい」
「うん、おやすみ」

「……ねぇ、あなた、夜、本当に食べる?」
「……たぶん」

 では、また。お相手はジョーこと「Dancer-Joe」でした。


 それでは、今宵のプレゼント曲はこれにしましょう。

『 Scenery/Ryo Fukui 』

1976年にリリースされた同名アルバム『Scenery』から聴きましょう。

早いものですね、彼が亡くなってもう十年になります。
独学でピアノを始めてわずか六年後に、このファーストアルバム『Scenery』がリリースされました。

「Scenery」――直訳すると「景色」とか「風景」ですね。
ピアノを弾きながら、彼の目にはどんな風景が映っていたのでしょうか。

『福居 良』。
彼の愛した北海道。
札幌のリラの花はもう終わり、今は富良野でラベンダーが咲き誇っていることでしょう。

梅雨のない北海道の広大な大地が生んだ、日本のジャズの至宝とも言えるこのアルバム『Scenery(シーナリィ)』は、遺作となったアルバム『A Letter From Slowboat(ア・レター・フロム・スローボート)』と共に、アナログ盤として2018年に再プレスされています。


Photo by peacedes

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