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エリオット波動で見る相場の波|カウント迷子を減らす考え方 part③

この記事はpart②の続きです。
まだお読みでない方は以下のpart①から読み進めてください。

part①はこちら
https://note.com/wizarding/n/n241b1d32c885

part②はこちら
https://note.com/wizarding/n/nc9732c954b61

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5波まで数えた瞬間、反転したくなる。はい、早押しです

1波。
2波。
3波。
4波。
5波。

ここまで数えられると、気持ちいいです。

かなり気持ちいい。

チャートが急に整って見えます。

そして、次にこう思います。

「そろそろ終わりでは?」

はい、早押しです。

5波まで見えた瞬間に、反転ボタンを押したくなる。

気持ちは分かります。

エリオット波動の基本形では、推進5波のあとに修正3波が来るとされます。

だから、5波まで見えたら次はA-B-Cを考えたくなる。

自然です。

でも、ここで「5波=終わり」と決めると、かなり危ない。

5波に見えた波が、さらに伸びることがあります。上位足ではまだ3波の内部波動だった、ということもあります。5波が伸び切らずに終わるように見えることもあります。ウェッジのように収縮しながら、推進力が弱まっているように見える場面もあります。

つまり、5波は「終了確定」ではありません。

終盤かもしれない。
推進力が変化しているかもしれない。
でも、まだ上位足では流れが残っているかもしれない。

そのくらいの位置づけです。

昔の私は、5波っぽく見えた瞬間に「もう終わりの空気」を感じ取った気になっていました。

大きくトレンドを形成した後に漂う、終わりを告げる雰囲気を読んでいるつもりでした。

でも、それはほとんどの場合、自分の願望でした。

5波まで数えた。
だから終わってほしい。
そろそろ修正波に入ってほしい。
さすがに行きすぎでは?

こうなると、波を見ているようで、自分の都合を見ています。

ここで短い小芝居をすると、だいたいこんな感じです。

相場「5波の動きを一応出しておきました」

私「5波の長い間、お疲れ様でした。じゃあ終わりですね」

相場「いえ、もう少し伸びます」

私「え?終わりじゃないの?」

相場「今のは一応です。私は終わりとは言ってないですよ」

私「そんなの!聞いてない!」

……これです。

もちろん相場はしゃべりません。

でも、体感としてはけっこうこんな感じです。

5波まで数えた瞬間に、自分の中で試合終了の笛を鳴らしてしまう。

でも、実際のチャートではまだボールが動いている。

ここで早押しすると、実況ではなく願望のアナウンスになります。

チャート上で見るのは、5波まで数えられたかどうかだけではありません。

5波が3波の高値を超えているのか。
それとも超えられずに失速しているのか。
5波の中の小さな波はどう見えるのか。
ウェッジのように値幅が収縮していないか。
上位足の節目やフィボナッチ候補と重なっていないか。
高値更新の幅が小さくなっていないか。
ローソク足の実体は残っているのか。
ヒゲばかりになっていないか。

こういうところです。

5波が終わった気がする時ほど、上位足を見落とす

5波でよく出てくる話に、フェイラーがあります。

トランケーションと呼ばれることもある見方です。

ざっくり言えば、5波が3波の高値を更新できずに終わるように見える状態です。

上昇方向なら、5波候補が3波高値を超えられない。下降方向なら、5波候補が3波安値を更新できない。

こういう場面を見ると、急に反転の気配を感じたくなります。

「これはもう推進力が弱いのでは?」

そう見たくなる。

たしかに、終盤の変化として観察する価値はあります。

ただし、それだけで反対方向へ決めつけるのは早いです。

上位足ではどこにいるのか。そもそも今見ている5波は、上位足の何波の中なのか。上位足の推進波はまだ残っているように見えるのか。それとも、上位足の節目付近で下位足の推進力が弱まっているように見えるのか。

ここを見たいんです。

実況席で「ゴールかもしれません!」と叫んでも、VAR判定があります。

ゴールに見えた。
でもオフサイドだった。
ラインを割っていなかった。
その前にファウルがあった。

ワールドカップのチュニジア戦でもありましたね。

わずか2mmのノーゴール判定。

チャートでも同じです。

5波終了に見える。
でも上位足ではまだ進行中の波の大きさに届いていない。
下位足の5波完成位置が、上位足では直近高安値を抜けられていない。
上位足の強めの節目があり、フェイラーとしての条件がそろっている。

上位足や節目を見直すと、「このカウントはまだ自然か?」「さすがに無理してないか?」を少し整理しやすくなります。

だから、5波の終わりっぽい形を見たら、すぐに結論へ飛ばない。

実況席で盛り上がったあと、解説席に戻す。

「上位足ではどこ?」
「内部波動はどう?」
「高値更新はどう?」
「節目と重なっている?」
「カウント自体はまだ成立している?」

ここで一回、VARです。

面倒です。

でも、この面倒を飛ばすと、だいたい気持ちいいカウントに飲まれます。

A-B-Cに見えた瞬間、完了したことにしたくなる

5波完了後に価格が下げてくると

「A波か?」

少し戻す。

「B波か?」

また下げる。

「C波か?」

こう見えます。

エリオット波動を知っているほど、A-B-Cを探したくなります。

でも、ここも注意です。

もちろん、下位足でA-B-Cに見える動きが、上位足では2波や4波のような「大きな推進波の中の調整」に見えることもあります。

一方で、上位足の大きな波がすでに終盤に見えるなら、話は変わります。

下位足ではA-B-Cに見えていた動きが、あとから見直すと、別の大きな波の一部として数え直されることもあります。

下位足で修正3波が見えたからといって、相場全体が転換したとは限りません。

ここでやりがちなのが、

「下位足でA-B-Cが出た」
「ということは修正完了」
「次は推進方向へ戻るはず」

という見方です。

いや、分かります。

波が3つに見えると、修正完了と言いたくなるんです。

でも、上位足の位置を見ないままA-B-C完了を言い切ると、かなり都合よくなります。

A-B-Cに見える動きは、修正波候補です。

候補。

ここも大事です。

価格がどの節目で反応しているのか。
上位足の波のどこにいるのか。
その修正に見える動きのあと、価格がどちら側に残るのか。
高値・安値の更新はどうなっているのか。

ここまで見て、やっと「修正波として見えるかもしれない」と整理できます。

5波まで数えたから終わり。

A-B-Cに見えるから完了。

この短い見方は、かなり気持ちいいです。

でも、気持ちいいカウントほど、一回疑ったほうがいいです。

相場は、こちらの気持ちよさに合わせて動いてくれるわけではないので。

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part③はここまでです。

続きはpart④でお楽しみください。


テクニカルアナリスト/投資診断士®️/FP技能士/FX,株式トレーダー/EA開発者
daice


※この記事は、テクニカル指標を使った相場分析の一つの見方を、テクニカルアナリストであるdaiceが独自の目線で自由に書き連ねたものです。
一般的な解釈とは一部違ったりする箇所があるかもしれませんが、そこも含めて、個人の見方として読んでもらえればと思います。
本文中で「買い」「売り」「買い圧力」「売り圧力」といった言葉が出てくることがあります。
ただし、これは特定の通貨ペアや銘柄について「買ったほうがいい」「売ったほうがいい」と伝えるものではありません。
チャート上で、価格を押し上げているように見える動き、押し下げているように見える動きを観察するための表現です。
実際にどう判断するかは、資金量、時間軸、損失許容度、取引ルール、検証結果でまったく変わります。
特にFXは証拠金取引なので、見方が合っているかどうかとは別に、リスク管理の話が必ず出てきます。
この記事は、売買を決めるための答えではなく、チャートを見るときの考え方を整理するための読み物としてお楽しみください。

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