ボリンジャーバンドは壁じゃない|FXで見る圧力と値幅 part②
この記事はpart①の続きです。
まだお読みでない方は以下のpart①から読み進めてください。
part①はこちら
https://note.com/wizarding/n/n7f789326d79c
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逆張りしたくなる形と、バンドウォークで踏まれる形は似て見える
上のバンドに触れた。
ローソク足も少し長い。
「さすがにそろそろ戻るんじゃないか」
そう見たくなる場面があります。
しかも、過去チャートを見ると、たしかに上のバンドに触れたあと、ミドルライン方向へ戻っている場面もあります。
あります。
だから困るんです。
まったく反応しないなら、最初から見ないで済みます。
でも、反応する場面がある。
それを覚えているから、次の上限タッチでも反転を期待してしまう。
ここで沼ります。
バンド上限に触れた。
次の足も上限付近。
その次も上限付近。
「いや、さすがにそろそろ」
さらにもう一本、上限付近。
「もう限界では?」
さらにもう一本。
「さすがに……」
相場「まだです」
こうなることがあります。
これがいわゆるバンドウォークです。
上方向に勢いがあるように見える場面では、価格が上のバンドに沿うように推移することがあります。
下方向に押し下げる動きが続くように見える場面では、価格が下のバンドに沿うように推移することがあります。
ここで上限タッチや下限タッチを、毎回反転の前触れとして見ていると、相場と腕相撲をすることになります。
しかも相手、けっこう握力あります。
かくいう私も、昔は上のバンドに何度も触れるほど「反転が近い」と思っていました。
今思えば、勢いが出ている証拠を、反転の証拠として読んでいたわけです。
なかなかの変換ミスです。
「まだ上に押し上げる動きが残っているように見える」
と読むべきところで、
「もう上に行きすぎているから戻るはず」
と読んでいた。
チャートを見ているようで、見たい方向に翻訳していたんですね。

ミドルラインまで戻れないなら、片側に人が寄っていると考える
バンドウォークを見るときに、外側のバンドだけを追うと疲れます。
上限に触れた。
また触れた。
また触れた。
忙しい。
ここで見たいのは、価格がミドルラインまで戻れるかどうかです。
上方向のバンドウォークに見える場面では、押し下げられてもミドルラインまで深く戻らず、上側のバンド付近に価格が残り続けることがあります。
これは、価格を上へ押し上げるような動きがまだ残っているように見える場面です。
もちろん、「だから上がる」と決める話ではありません。
ただ、少なくとも「上限に触れたから反転」と一発で見ていい場面ではありません。
逆に、下方向にバンドウォークしているように見える場面では、戻してもミドルラインまで届かず、下側に価格が残ることがあります。
この場合は、価格を下へ押し下げるような動きが残っているように見える。
ここで「下限に触れたから戻る」とだけ見ると、やはり雑になります。
見る場所は、このあたりです。
上限または下限に連続して触れているか。
価格がバンドの片側に残っているか。
ミドルラインまで戻れているか。
ミドルラインの傾きは出ているか。
バンド幅は広がっているか。
上位足でも同じ方向の圧力が残っているように見えるか。
では、なぜミドルラインを見るのか。真ん中の線は、ただの飾りではなく移動平均線だからです。
移動平均線の上側に価格が滞在し、移動平均線が右上がりに傾いて継続的に推移している上昇トレンドっぽく見える場面で「よし!売りだ!」とはちょっと考えづらいですよね。
ボリンジャーバンドを逆張りで使うこと自体が悪いわけではありません。
ただ、逆張りで見るなら、レンジの中で価格が端に寄っているのか。
それとも、トレンド中に片側へ流れているのか。
ここを分けたいんです。
駅のホームでいえば、ただ端に寄った人が中央へ戻る場面なのか。
改札へ向かう人の流れが片側に偏っている場面なのか。
同じ「端にいる」でも、意味が違います。
チャートでも同じです。
同じ上限タッチでも、内側へ戻る動きとして観察できる場面と、上方向の圧力が残っているように見える場面があります。
ここを一緒にしてしまうと、ボリンジャーバンドはただの反転祈願ツールになります。
祈願は神社でやりましょう。
チャートでは、もう少し冷たく見たいところです。
ここまで見ても、まだ答えは出ません。
はい、残念。でも、その残念さ込みで相場を見るしかないんです。
スクイーズは値幅の変化に気づくベル。でも、行き先までは教えてくれない
バンドがギュッと狭くなる。
ローソク足も小さくなる。
値動きが静かになる。
こういう場面を見ると、なんとなく身構えます。
「そろそろ大きく動くのでは?」
って思ったことありませんか?
ありますよね。
スクイーズです。
ボリンジャーバンドの幅が狭くなる状態は、値動きの振れ幅が小さくなっていることを示します。
ボラティリティが低下している状態、と言ってもいいです。
ただ、ここでまた都合よく見始めます。
「スクイーズしている」
「ということは、そろそろ動く」
「自分が見ていた方向に抜けそう」
「いや、これはもう上でしょう」
「いや、これは下に走るやつでしょう」
はい、急に脚本家です。
スクイーズは、値動きが縮んでいる状態です。
それ以上でも、それ以下でもありません。
たしかに、値動きが縮んだあとに、結果として大きく動いたように見える場面もあります。
でも、スクイーズだけで上に行くか下に行くかを決めるのは早いです。
狭いから動くかもしれない。
ここまでは分かる。
でも、上に動くか下に動くかまで勝手に足すと、急に作文になります。
このあたりは、駅の改札前で人が詰まっている状態に近いです。
人が集まって、動きが細くなっている。
改札を抜ければ急に流れが出るかもしれない。
でも、右の階段に流れるのか。
左の出口に流れるのか。
それは、改札を出るまでは見えないので分かりません。
チャートでも同じです。
スクイーズしているからといって、方向まで決めてくれるわけではありません。

最初に出た方向へ、すぐ乗りたくなる病
スクイーズ後に、価格が少し上に出る。
「お、上方向か?」
そう思います。
そのあとすぐ戻る。
「え、違うの?」
今度は下に出る。
「じゃあ下か?」
忙しい。
これ、相場あるあるです。
相場「上に出ました」
私「じゃあ上ですね」
相場「戻りました」
私「え?」
相場「今度は下です」
私「じゃあ下ですね」
相場「さて、どうでしょう」
こういう小芝居を、チャート上で普通にやられます。
こちらは真剣です。
相場はたぶん、そこまで親切ではありません。
スクイーズ後の最初の動きは、だましのように見えることもあります。
一度外側に出たように見えて、すぐ内側に戻る。
上に抜けたように見えて、下へ動く。
下に抜けたように見えて、上へ戻る。
こういう動きは普通にあります。
なので、スクイーズを見るときは、抜けた瞬間だけではなく、その後の残り方を見ます。
終値でバンド外に残ったのか。
すぐ内側へ戻ったのか。
バンド幅が広がり始めているのか。
ミドルラインが傾き始めているのか。
レンジ上限・下限を抜けたように見えるのか。
上位足ではどの位置にいるのか。
ここを見ないまま「スクイーズ後だから動く」と考えると、値幅の変化だけを方向の答えにしてしまいます。
スクイーズは、値幅の変化に気づくためのベルです。
「そろそろ何か動きが出るかもしれませんよ」
という合図にはなります。
でも、行き先までは教えてくれません。
単線の小さな駅で「まもなく列車が参ります」とアナウンスされているようなものです。
それがどっち方向でどこまで行くかは、行き先表示を見ないと分からない。
チャートでいう行き先表示は、価格の位置、レンジの上下限、ミドルライン、上位足、終値の残り方です。
スクイーズだけで方向を決めると、ホームに来た電車にとりあえず乗る人になります。
それで目的地に着くならいいんですが、相場では一度見えた方向と違う動きになることも普通にあります。
怖いですね。
しかも切符は自腹です。
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part②はここまでです。
続きはpart③でお楽しみください。
テクニカルアナリスト/投資診断士®️/FP技能士/FX,株式トレーダー/EA開発者
daice
※この記事は、テクニカル指標を使った相場分析の一つの見方を、テクニカルアナリストであるdaiceが独自の目線で自由に書き連ねたものです。
一般的な解釈とは一部違ったりする箇所があるかもしれませんが、そこも含めて、個人の見方として読んでもらえればと思います。
本文中で「買い」「売り」「買い圧力」「売り圧力」といった言葉が出てくることがあります。
ただし、これは特定の通貨ペアや銘柄について「買ったほうがいい」「売ったほうがいい」と伝えるものではありません。
チャート上で、価格を押し上げているように見える動き、押し下げているように見える動きを観察するための表現です。
実際にどう判断するかは、資金量、時間軸、損失許容度、取引ルール、検証結果でまったく変わります。
特にFXは証拠金取引なので、見方が合っているかどうかとは別に、リスク管理の話が必ず出てきます。
この記事は、売買を決めるための答えではなく、チャートを見るときの考え方を整理するための読み物としてお楽しみください。
