ボリンジャーバンドは壁じゃない|FXで見る圧力と値幅 part③
この記事はpart②の続きです。
まだお読みでない方は以下のpart①から読み進めてください。
part①はこちら
https://note.com/wizarding/n/n7f789326d79c
part②はこちら
https://note.com/wizarding/n/n116aa50f0b41
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ミドルラインを無視すると、ただの上下バンド占いになります
ボリンジャーバンドを見ると、外側のバンドばかり見てしまいます。
上限。
下限。
派手ですからね。
価格が触れると、何か起きそうに見える。
一方で、真ん中のミドルラインは地味です。
なんなら、背景みたいに見ている人もいるかもしれません。
でも、ボリンジャーバンドは三本セットです。
上下だけ見て、真ん中を無視すると、かなりもったいない。
というか、だいぶ雑です。
ミドルラインは、多くの場合、一定期間の移動平均線です。
つまり、価格の平均的な流れを示す中心線です。
外側のバンドが「平均からどれくらい離れているか」を見せるなら、ミドルラインはその基準になる線です。
ここを見ずに外側だけ見ると、
「上に触れた」
「下に触れた」
だけの上下バンド占いになります。
今日の運勢みたいな見方です。
「上限タッチ。反転運あり」
いや、やめましょう。
ボリバンの便利なところ、半分捨てないで。
ミドルラインを見るときは、価格がそこへ戻るかどうかを見ます。
レンジ気味の相場では、価格が上限に触れてもミドルライン方向へ戻り、下限に触れてもミドルライン方向へ戻るような動きが見えることがあります。
この場合、価格はバンドの中を行ったり来たりしているように見えます。
一方で、トレンドが出ているように見える場面では、価格がミドルラインまでなかなか戻らないことがあります。
上方向なら、ミドルラインの上側に価格が残る。
下方向なら、ミドルラインの下側に価格が残る。
この残り方を見ると、上方向または下方向の圧力がどの程度残っているように見えるかを整理しやすくなります。
ただし、ここでも決めつけない。
ミドルラインの上にいるから上方向。
ミドルラインの下にいるから下方向。
これだけで片づけると、また雑になります。
見る場所は、ミドルラインとの位置関係だけではありません。
ミドルラインが上向きか、下向きか、横ばいか。
価格がミドルラインの片側に残っているか。
何度もミドルラインをまたいでいるか。
外側のバンドが広がっているか、狭いままか。
上位足のバンド位置と矛盾していないか。
ミドルラインが横ばいで、価格がその上下を何度も行き来しているなら、相場は方向感を探している状態に見えるかもしれません。
こうなると、レンジっぽく見えてきます。
逆に、ミドルラインに角度が出て、価格が片側に残り、バンド幅も広がるなら、値動きに偏りが出ているように見えることがあります。
そうなると、トレンド寄りに見えてきます。

もちろん、これだけで売買を決める話ではありません。
価格が中心へ戻るのか。
中心まで戻れないのか。
中心線が傾いているのか。
外側のバンドが広がっているのか。
こうして分けて見ることで、「上限タッチだから反転」「下限タッチだから反発」という短い見方から少し離れられます。
ミドルラインという移動平均線で相場状況を判定しながら、外側の線でその値幅や勢いなども併せて確認できる。
外側だけ見ていると、ボリンジャーバンドの便利なところを半分捨てています。
でも、ボリンジャーバンドは外側の線が派手です。
ほとんどの人が派手な線ばかり見て、真ん中でこっそりと情報を出している線を無視します。
いっそのこと、真ん中の線を消してみたら?
急に相場が難しく感じるはずです。
上位足と下位足でバンドの顔が違う。ここでだいたい迷子になります
下位足を見る。
上のバンドに沿って価格が進んでいる。
ミドルラインも上向き。
バンド幅も広がっている。
ローソク足も強そうに見える。
「これは上方向の圧力が残っているように見える」
そう思う。
でも、上位足を見る。
価格は上位足のバンド上限付近。
しかも、広い範囲で見るとレンジ上限に近い。
上位足のミドルラインは横ばい気味。
「あれ?」
となる。
逆もあります。
下位足では下限タッチから反発しているように見える。
でも、上位足では下方向のバンドウォークの途中に見える。
どっちなんだと。
ここでよくやるのが、自分に都合のいい時間足だけ採用することです。
上位足が邪魔なら、下位足を見る。
下位足が邪魔なら、上位足を見る。
都合のいい形が出ている時間足を探す。
はい、チャートの試食コーナーです。
おいしいところだけつまむ。
分かります。
でもそれ、分析というよりつまみ食いです。
ボリンジャーバンドは、時間足によって見え方がかなり変わります。
5分足ではバンドウォークに見える動きが、1時間足ではバンド中央付近の小さな動きに見えることがあります。
1時間足では上限付近の動きに見えても、4時間足ではまだレンジ内の一部に見えることもあります。
同じ価格を見ているのに、時間足が違うだけで、バンドの顔が変わるんです。
「じゃあ、どっちが正しいの?」
そう聞きたくなりますよね。
でも、そこも少しズレています。
どちらが正しいかを決めるより、まずはそれぞれの時間足で何を見ているのかを分けたいところです。
下位足のきれいな形は、上位足では拡大しすぎた一部分かもしれない
下位足は、動きが細かいぶん、形がきれいに見えやすいです。
スクイーズしている。
エクスパンションしている。
上限に沿っている。
ミドルラインで支えられているように見える。
事件が多い。
ただ、その下位足の事件が、上位足ではどこで起きているのかを見たいところです。
ここは、スマホのカメラで考えると分かりやすいです。
ものすごくズームして見ると、目の前の小さな動きが大事件に見えます。
人が少し動いた。
影が少し変わった。
端のほうに何か見えた。
「お、何か起きてるぞ」
となる。
でも、ズームを戻して全体を見ると、それは画面の端っこで起きている小さな動きだった、ということがあります。

チャートも同じです。
下位足だけを見ると、下方向へきれいにバンドウォークしているように見える。
ミドルラインで支えられているようにも見える。
スクイーズからエクスパンションに移ったようにも見える。
はい、下位足だけ見ると事件です。
でも、上位足で見ると、その動きが上位足のミドル付近で起きていた調整なのかもしれません。
あるいは、上昇トレンドの上側バンド付近で起きていたトレンド転換の小さな初動かもしれません。
逆に、上位足のミドル付近で起きている単なるレンジの動きかもしれません。
同じ下位足の下方向バンドウォークでも、上位足のどの位置で起きているかによって、見え方は変わります。
ズームした画面だけで「これは大事件だ」と決めるのか。
一度ズームを戻して、「全体のどこで起きている動きなのか」を見るのか。
ここでかなり違います。
下位足の形がきれいだと、ついそこだけ見たくなります。
気持ちは分かります。
分かるんですが、ズーム画面だけでチャート全体を語り始めると、だいたい話が大きくなりすぎます。
下位足では事件。
上位足では端っこの小さな動き。
こういうこと、普通にあります。
だから下位足で形がきれいに見えたときほど、上位足ではどの位置なのかを一度見ます。
上位足のバンド上限付近なのか。
ミドルライン付近なのか。
下限付近なのか。
広いレンジの中央なのか。
そこを見てから、下位足のきれいな形をどう扱うか考える。
下位足の形がきれい。
だから強い。
ではなく、
下位足の形はきれい。
でも、それは上位足のどこで起きているのか。
ここまで戻したいところです。
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part③はここまでです。
続きはpart④でお楽しみください。
テクニカルアナリスト/投資診断士®️/FP技能士/FX,株式トレーダー/EA開発者
daice
※この記事は、テクニカル指標を使った相場分析の一つの見方を、テクニカルアナリストであるdaiceが独自の目線で自由に書き連ねたものです。
一般的な解釈とは一部違ったりする箇所があるかもしれませんが、そこも含めて、個人の見方として読んでもらえればと思います。
本文中で「買い」「売り」「買い圧力」「売り圧力」といった言葉が出てくることがあります。
ただし、これは特定の通貨ペアや銘柄について「買ったほうがいい」「売ったほうがいい」と伝えるものではありません。
チャート上で、価格を押し上げているように見える動き、押し下げているように見える動きを観察するための表現です。
実際にどう判断するかは、資金量、時間軸、損失許容度、取引ルール、検証結果でまったく変わります。
特にFXは証拠金取引なので、見方が合っているかどうかとは別に、リスク管理の話が必ず出てきます。
この記事は、売買を決めるための答えではなく、チャートを見るときの考え方を整理するための読み物としてお楽しみください。
