#32 小学校受験の基礎知識[無料公開]
以前、ABEMAさんに出演させて頂いた時のインタビューで、冒頭に「そもそも、小学校受験ってどういうものですか?」という質問を頂き、「あれ…?」と止まること数十秒。
確かに、今まで狼侍が発信していたのは、基礎編と言えども、あくまで「小学校受験への挑戦を具体的に考えているご家庭」向けでした。
※現在配信は終了しております。思い出として、リンクはそのままにさせて頂いてます。
改めて「小学校受験とは?」で検索から辿り着いた方向けに、狼侍式「そもそも小学校受験とは?」を、本noteにて簡単に紐解きたいと思います。
■小学校受験ってなに?
小学校受験とは「合否判定のある国立小学校と都道府県立小学校、そして私立小学校の選抜試験」を言います。
もう少しだけ具体的に見てみましょう。
・国立小学校
その役割は「国の教育研究機関」となります。
各学校の個性はありますが、初等教育の研究とその研究成果の発表、そして教員育成がその主な役割です。そのため、全国各地ほぼ均等に散らばり、67校の国立小学校があります(令和3年度_学校基本調査_都道府県別学校数)。
したがって、選抜試験についても、教育研究機関にふさわしい素養を持つ子供を選抜する考査となっています。また、公共性の観点からなのか、1回、ないしは2回の抽選選抜があることも特徴的です。
学費については、授業料は無料ですが、教材費や設備費等で、公立小学校より月額数万円負担があるという程度です。詳しくは、多くの方がブログ等で情報を提供されてますので、そちらをご覧下さい。
・都道府県立小学校
2022年4月についに開校した、東京都立立川国際中等教育学校附属小学校が、現時点では当てはまる唯一の学校になります。
立ち位置としては、国立小学校と私立小学校の中間でしょうか。研究機関という位置付けではないものの、1次試験と3次試験に抽選選抜があり、国立小学校と同様に、公共性の高い教育機関です。
・私立小学校
その役割は、「個性ある教育の提供」となります。
創立者の教育理念を基に、各学校独自の教育方針を掲げ、それに基づく教育を実践しているのが特徴です(もちろん学校指導要領に則った上です)。
助成金はあるものの、あくまで学校法人としての利益を必要とする事業です。全国で241校の私立小学校がありますが、全国に均等に散らばる訳にはいかず、一都三県で全国の42%(102校)の学校数を占めます(令和3年度_学校基本調査_都道府県別学校数)。
受験勉強に囚われない時間を過ごす大学附属校から、互いの個性を認め合い自己肯定感を高め合うキリスト教教育、中学受験を全力でサポートする中学受験校など、その教育方針は様々です。
選抜試験については、学校独自の教育方針への賛同が大前提であるので、子供の能力のみならず、願書・面接にて親の理解度を測られることになります。
気になる学費については、学校により幅はありますが、大凡年間100万円という数字のイメージで宜しいかと思います。
確かに安くはありませんが、月額10万円弱の金額です。世間のステレオタイプで言われるほど、資産家だけの世界では決してありませんし、「お金持ちでないと入学後に付き合いで苦労する」というのも都市伝説です。
学校は子供が学ぶ場所。親の付き合いの場所でもなければ、寄付金の多寡によって教育に差が出ることもありません。そのような噂の類は、学校(先生)への冒涜と言っても過言ではないでしょう。
私がTwitterやnoteで情報を発信しているのは、主にこの私立小学校のカテゴリーについてとなります。
国立小学校については、抽選、及び教育研究機関にふさわしい子供を選抜するという試験環境から、私立小学校の受験と同列には語れないと考えているためです。
■国立・私立小学校の市場規模
文部科学統計要覧(令和3年版)によると、全国の一学年の児童数はおよそ100万人。うち国立小学校の児童数は約6千人(0.6%)、私立小学校の児童数は約1万3千人(1.3%)となります。圧倒的なマイノリティ市場です。
全国の私立小学校のおよそ四分の一(55校)がひしめく東京都に限っても、小学生児童数62万人(六学年合計)に対して、私立小学校の児童数は2万5千人となり、4%に留まります(令和3年度_学校基本統計_東京都)
23区で絞って見ても、児童数40万人に対して、1万7千人と都全体と大差ありません。100人中四人、25人に一人という少数派は免れないようです。
つまり、それくらいの少数派なので、持ち家vs賃貸のような、天下二分の価値観の戦いでは全くなく、小学校受験の世界というのは、知らない人は全く知らない、イメージも湧かない世界ということです。
もし小学校受験を志した場合も、周囲の理解は容易に得られるものでないことを、ご理解頂いておくのが宜しいかと思います。
下記noteに掲載してますが、学年児童数に対しての私立中学生の割合は、全国で7.4%、都内で25%となります。
その比率から逆算すると、私立小学校受験の市場規模は、中学受験のおよそ六分の一ほどと言えそうです。
■小学校受験の試験内容について
小学校受験ではどんな選考試験があるのか、まとめてみました。
(ちなみに、小学校受験では試験のことを考査と言うことが多いです)

・親の試験
最も特徴的なのは、願書と面接という「親の試験」があることです。
これは、補足的に家庭を見るというものでなく、親自身も選考の篩(ふるい)に掛けられていると考えて頂いて結構です。
参考までに、ある私立小学校の願書を載せておきます。この学校は記述スペースがもう一枚分あり、かなりの分量です。
「ありきたりの定型文があるんでしょ?」と思いがちですが、100人に一人くらいの目を引く願書を書く努力が必要なのは、決して大袈裟な話ではありません。

「親の試験」の詳しい捉え方は、下記のnoteをご覧下さい。
・子供の試験
子供の試験(考査)は大きく三つに分けられます。
一つは、発達診断。年齢・月齢相当の発達がされているかの確認です。
運動や巧緻性、面接、反復型の筆記試験などがこれに当てはまるでしょう。月齢によって出来が全く違うので、教室で高月齢の子の仕上がりと比較しないことが大事です。
二つ目は、ポテンシャル。お子様の伸び代を推し測る考査です。
思考力型の筆記試験や絵画・工作などで、思考力や発想力、話を聞く態度・姿勢を見ています。
三つ目は、協調性です。行動観察や教室の移動中の態度などが見られます。近年、筆記試験重視だった進学校が行動観察の比重を増すなど、そもそもの円滑な学校運営の素地として、各校が重要視している項目です。
まとめると、「相応の発達をしていて、将来の伸び代がありそうで、きちんと先生の話を聞ける子供」を、試験(考査)で推し測っていると言えるでしょう。
その中で、学校によって、優先順位であったり重要度が異なるので、志望校に合わせた対策が必要になります。
■中学受験との比較
最後に、ごくごく簡単に、中学受験との比較をまとめて見ました。
中学受験のプロの皆様から見れば、あまりに短略化しているかとは存じますが、あくまで対比の雰囲気を知るレベルのものです。ご理解賜れれば幸いです。

尚、ここ最近、「小学校受験が過熱している」「新規参入者が激増している」とメディアを中心に騒がれているのを、一度は目にされたかもしれません。
しかし、倍率の上昇している学校などを検証すると、母数の増加はあるでしょうが、それよりも併願数の大幅増加による全体の倍率アップがその主たる要因ではないかと、分析しております。
限られた層の情報収集力が高まり、受験への取り組みが深掘りされているという印象です。
詳しくはこちらのnoteに掲載しております。
■その他
・どんな子供(家庭)が合格するのか?
・どんな塾(教室)があるのか?
・コネって何?
ここまでお読み頂き、具体的に上記のような質問に辿り着かれましたら、引き続き、「基礎編」としてまとめたnoteをご覧頂ければと思います(基礎編は全編無料です)。
小学校受験の不透明と言われる部分を、可能な限り言語化しております。
基礎編以外にも、様々な切り口で小学校受験を紐解いております。宜しければ、以下から一覧をご覧下さい。
本noteが、皆様の教育選択の一助になれば幸いです。
![狼侍[幼稚園受験・小学校受験(小受)]](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66078297/profile_e5f5a577014a4e6aea42ac078434e70c.png?width=60)