優等生だった私が、安定も恋も手放して辿り着いた、フェムケア起業家の道|WILメディア vol.8 一ノ瀬美里
いわゆる大手企業の安定を選び、結婚を見据えた普通の幸せな人生歩もうとしていた彼女。
けれど、恋と別れをきっかけに、「これは本当に私の人生なのだろうか」と立ち止まります。
28歳でフェムケア領域に起業し、プレコンセプションケアを通して「女性が自分の幸せを自分で選び取れる社会」を目指す一ノ瀬美里さん。

【プロフィール】
一ノ瀬美里(いちのせ みさと)。長崎県出身、28歳。2025年6月にM-illi株式会社を創業。フェムケアとマインドフルネスを軸に、温活ショーツや“お浄めの塩”などのプロダクト開発と情報発信を展開。プレコンセプションケアの普及を目指す。
ご経歴・これまでの歩み
長崎で育った美里さんは、幼い頃から負けず嫌いな性格でした。
お遊戯会ではセンターを目指し、リレーでは前の子の背中を追いかける。進学校に進んでからも、その姿勢は変わりませんでした。成績はオール5。先生や親の期待に応えることが、彼女にとっての“普通”だったといいます。いわゆる優等生タイプな学生時代を過ごしていました。

新卒で選んだのは、いわゆるホワイトな大手企業でした。四季報を読み込み、休日数や離職率、給与といった「安定」の条件をすべて満たした会社です。
背景には、「結婚を見据えて、堅実に生きたい」という想いがありました。当時の美里さんは、いわゆる“普通の幸せ”を求めていたのだと思います。
しかし、人生は思い通りには進みません。交際していた年下の彼から「アメリカに留学する」と告げられた瞬間、描いていた人生設計が音を立てて崩れたと語ってくれました。ですが、ここで “自分が選んできたはずの人生が、誰かの人生設計に乗ったものだった”と気づいた瞬間だったのかもと今思えば良いタイミングだったようです。

フェムケアを「やさしさ」で終わらせない。だから、事業と発信を分けなかった
その後、美里さんは「場所に縛られず働く」という選択肢に出会います。
コロナ禍で“ノマド”という言葉が広がる中、Shelikes(WEBスクール)でWebを学び、副業として営業にも挑戦。やがて独立し、上京しました。歩合制の営業代行という厳しい環境でサバイバルを経験し、「売ること」から逃げずに向き合った時間は、その後のキャリアの土台になったといいます。

次に選んだのは、D2C企業でのマーケター職でした。
ゼロイチで事業をつくる現場に身を置き、「つくる側」に回るための修行を重ねます。
そして独立して立ち上げたのが、M-illi株式会社でした。フェムケアとマインドフルネスを軸に、「心と体の健康」を届けるブランド。
今後展開していくのは「温活ショーツ」や「お浄めの塩」は、その世界観を象徴するプロダクト。
彼女が本当に向き合っているのは、「知らないまま我慢している女性が多すぎる」という現実でした。
その想いは、SNSでの発信にも一貫して表れています。
フェムケア、プレコンセプションケア、マインドフルネス。難しくなりがちなテーマを、やわらかな色合いと等身大の言葉で伝える投稿が印象的です。
「最初から集客目的というより、“これ、知らないまましんどくなっている人多いよな”と思ったのがきっかけでした」。
フェムケア領域には、極端な情報や誤解を招く表現も少なくありません。だからこそ美里さんは、“専門家でもインフルエンサーでもない、一人の当事者として”発信することを大切にしているそうです。
DMには、「初めて知りました」「それ、ずっと疑問でした」という声が届くそうです。

「今が一番つらい」と言えるのは、起業の“今”を生きているから
最大の転機を乗り越えて親に反対されても、固定給を手放しても、
それでも「自分の人生を自分で決める側に立ちたい」と、起業を選びました。
ただ、起業はゴールではありませんでした。
むしろ、すべてが始まった場所だったと美里さんは語ります。
「起業してすぐの“今”が、正直いちばん辛いです」。
資金、人、スピード。夢があるからこそ、現実との距離に向き合う毎日が続いています。
一人では何もできないという事実や、人を頼ることの難しさとも、向き合っている最中です。
それでも、起業した選択を後悔しているわけではありません。
つらいのは、逃げているからではなく、前に進もうとしているから。

——ROSA:
起業の“今”が一番しんどい。
それは、覚悟を持ってスタートラインに立った人だからこその、言葉だと思いました。
未来ビジョン
―“妊娠の前”に、人生を整えるという選択
美里さんが真正面から挑むのは、プレコンセプションケア——妊娠前段階の体質改善。フェムケア市場は更年期世代向けに偏りがちで、実際に購買力があるのも上の世代。それでも彼女は、20〜30代の「これから母になる可能性がある世代」に光を当てたいそうです。
「将来、私も結婚して子どもを産みたい。でもその前に、今の自分を労われているかが大事だと思う」。
忙しさに流され、身体の声を後回しにする働き方を変えたい。生理痛や不調を“仕方ない”で終わらせない社会をつくりたい。
商品、正しい情報、医療機関との連携、継続できる伴走設計。すべてを含めて、根本改善へ導く仕組みを構築する。それが美里さんの描く未来。
2026年にはクラウドファンディングも予定され、いよいよ社会実装のフェーズに入ります。
——ROSA:フェムケアは、女性のキャリアと人生選択の“土台”。彼女の挑戦は、働き方そのものを更新していくと感じました。

次世代女性へのメッセージ
―小さな一歩が、人生を連れていく
最後に、美里さんは静かにこう語ってくれました。
「まずは小さくてもいいから、アクションを起こしてほしい」。
彼女自身、副業で成果を出し、修行のために会社員に戻り、また独立する——そんな遠回りを重ねてきた。一気に飛ぶのではなく、一歩ずつ積み上げてきたタイプ。
そしてもう一つ。
「志があれば、志の高い人に出会える」。
相談でもいい。話を聞きに行くだけでもいい。彼女は実際にDMを送り、経営者に会い、道を切り拓いてきました。
「チャンスの神様は前髪しかない」。
迷った瞬間に掴みにいく。その小さな勇気が、未来を変える。だからこそ、その一歩を踏み出してほしいとのことです。

【まとめ】
一ノ瀬美里さんの物語は、“安定”や“正解”を選び続けてきた優等生が、自分の身体と人生を取り戻し、「社会を変える側」に立つまでの軌跡でした。
彼女の志は明確。 「周りを幸せにできる人であること」。
家族や友人といった身近な存在から始まり、会社を通して情報と商品が届くことで、女性が“自律的に自分の幸せを掴み取れる状態”を増やしたい。
フェムケアは、単なる美容や流行ではなく、女性のキャリア、メンタル、将来の選択に直結するインフラです。M-illi株式会社が目指すプレコンセプションケアの普及は、20代・30代女性の未来を確実に支えるはずです。
WIL Mediaとしても、コミュニティ企画の中で、“正しいフェムケア”を学べる機会を増やしていきたいと思いました。美里さんの挑戦は、読者のあなたにとっても「自分の体を大切にすることは、人生を大切にすること」という気づきになるはずです。必要なのは、完璧な準備ではなく、今日の小さな一歩です。
女性リーダーの人生のストーリーをここに
女性の生き方に“志”を。
「WIL MEDIA(ウィル メディア)」は、Woman Innovation Leaders Mediaの略です。女性リーダーたちの歩みと哲学を記録し、その“生き方”を未来へつなぐインタビューメディアです。
社会の中で自分らしく輝きながら、家庭や仕事、夢や使命と真摯に向き合う女性たち。彼女たちの“人生のストーリー”を通して、次の世代へ勇気と希望を届けていきます。
この時代を生きる女性たちの声を未来へ。これから楽しみにしてて!
See you on next episode:)💐 BY:WILメディア編集長:星川ローサ
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