外国人ノマドが集まる地域のコワーキングスペースや中長期の部屋貸しが熱い!
人口減と少子化が加速する日本で国内不動産市場は風前の灯だ。今後、増える可能性があるのは、良かれ悪しかれ外国人労働者と外国人ノマドである。
外国人ノマド。聞き慣れない言葉かもしれない。ノマドワーカーをご存知だろうか。定住地をもたず好きな国を旅しながらデジタルワークで暮らしている人々のことである。
かく言う私も長年勤めた公務員を退職し、4月からノマド生活をスタートした。コロナ禍の影響で日本にもノマドワーカー、デジタルワーカーと呼ばれる人々が一定数存在する。
外国人ノマドとは、自分とは逆に外国から来日するデジタルワーカーのことである。彼らはどこにでも出没するわけではない。デジタルワーカーが集まる場所にはある程度の条件が必要だからだ。
風前の灯火の国内不動産市場で、外国人ノマドをターゲットにした不動産戦略はいかがだろうか。
1. 来日するデジタルノマドが増加している3つの理由
(1) 日本のデジタルビザ導入
2024年4月1日、日本は「特定活動(デジタルノマド)」という在留資格を新設し、デジタルノマドビザの発給を開始した。
デジタルノマドビザとは?
・対象は年収1,000万円以上で査証免除国の国籍をもつ外国人
・最長6ヶ月の滞在が可能
・配偶者や子どもも同行できる
・住民登録の必要はない
(2) 世界中のデジタルノマドが日本に集まる理由
コロナ禍でリモートワークが普及し、世界中でデジタルノマドの人口が増加している。一例を挙げると、アメリカでは2019年から2022年にかけてデジタルノマドが131%増加し、約1,690万人に達した。アメリカ国内の物価が高騰した影響で、生活費の安い国への移動が進んでいる。
(出典:https://www.sbbit.jp/article/fj/139687)
そんなデジタルノマドにとって、日本ほど魅力的な国はない。なにしろ治安がいい。至る所、清潔でゴミ一つ落ちていない。食べ物も美味しく、物価も安い。医療制度や生活インフラも整っている。外国人への差別も少なく、外国人でも利用できる施設や制度がたくさんある。
(3) 政府の誘致政策
さらに、2025年4月30日、観光庁が「質の高い消費と投資を呼び込むためのデジタルノマド誘客促進事業」の公募を開始した。補助金も交付される。補助率50%までの範囲で1事業当たり最大500万円支給されるのだ。
(出典:https://smbiz.asahi.com/article/15740294)
2. 増加するデジタルノマドをターゲットにした不動産はいかがだろう?
デジタルノマドの誘客を促進するために、観光庁はどんな事業を募集したのだろう。具体的には以下のようなものがある。
①コワーキングスペースや滞在施設の整備
②必要な設備の導入や物品の購入
③地域の特性に合わせた戦略の策定
④デジタルノマド向けの中長期滞在プランの開発
⑤モニターツアーの実施
⑥地域住民との交流イベントの企画
⑦受け入れ環境に関する情報の発信
⑧事業の効果検証や課題分析
(出典:https://www.mlit.go.jp/kankocho/kobo05_00035.html)
不動産投資家が目を付けるべきは、①のコワーキングスペースや滞在施設に適した不動産を提供することであり、その上で、④のデジタルノマド向けの中長期滞在プランを設定することだろう。
(1) コワーキングスペースに適した不動産
利用者の快適さ・利便性・生産性を高めるために、以下の点が重要である。
・立地やアクセスの良さ
・駐車場や駐輪場の有無
・近所に飲食店やコンビニ、銀行などは有るか
・最低でも100㎡以上の床面積(10〜20席規模なら200㎡あると理想的)
・換気や採光、空調、防犯などのシステム
・遮音性
・高速Wi-Fi
・電源の多さ
(2) デジタルノマドが滞在する施設に適した不動産
デジタルノマドのライフスタイルを支えられることが重要である。
・立地やアクセスの良さ
・近所にカフェやスーパー、ジム、病院などは有るか
・家具や家電、調理器具完備
・キッチンや洗濯機の有無
・ワークスペースの有無(作業机と椅子)
・高速Wi-Fi
・電源の多さ
(3) デジタルノマド向けの中長期滞在プラン
デジタルノマド向けの不動産を取得したら、デジタルノマドが中長期で滞在できるようなプランを設定することが重要である。
・マンスリーマンション(月単位での契約)
・ホテル併設型の滞在施設(清掃サービス付き)
・コリビング(リビングとコワーキングスペースの一体化)
・多言語サポート体制(翻訳アプリを活用したチャットでのやり取り)
・Airbnbとの契約(長期割引があるのでデジタルノマドが頻繁に利用する)
3. 令和7年度に採択されたモデル事業地域
観光庁が選定した5つのモデル事業を掲載しておく。デジタルノマドが集まる地域であり、不動産投資家が目を付けるべき地域である。
(1) 石川県金沢市・加賀市・珠洲市
パソナJOBHUBによる「Digital Nomad Base in KANAZAWA」を中心とした北陸圏の形成事業。
(2) 長野県白馬村
白馬村観光局による「持続可能な未来型マウンテンリゾート」の共創事業。
(3) 和歌山県
キッチハイクによる家族向けの3ヶ月長期滞在プランの開発事業。
(4) 香川県琴平町
琴平バスによる精神的リトリートと地域共創を融合したコリビング事業。
(5) 沖縄県名護市・やんばるエリア・沖縄市・南城市・石垣市
Nomad Resortによる「Nomad Resort Okinawa 2025」の実証事業。
(出典:https://honichi.com/news/2025/05/12/kankocho_digitalnomad_subsidy/)
4. まとめ
人口減と少子化が加速する日本で、今後、増加するであろう外国人ノマドという存在。デジタルノマドビザの発給やデジタルノマド誘客促進事業の開始という追い風を受けて、外国人ノマドをターゲットにした不動産戦略を紹介した。今後の不動産投資戦略に役立ててみてはいかがだろう。
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