バックオフィスに想いを馳せる 〜知ると、優しくなれる〜【#152】(産業保健-06)
どの組織にも、いわゆる「裏方」として支えてくださる方々がいます。
病院であれば事務職の方々です。受付の窓口、人事部、総務部。患者と直接向き合う場面は少なくても、組織が動くための土台を担っている人たちです。
ところが、こういった方々が立場上、軽く扱われてしまうことがあります。事務方から、「医師や看護師の態度が横柄」、という不満はよく耳にします。
直接患者に医療を届けている、という自負が、知らず知らずのうちに上下関係の意識を生んでしまうのかもしれません。
チーム医療という言葉があるように、医療はどの職種が欠けても成り立たない。頭ではわかっていても、実感を伴っていないと、態度に出てしまうものです。
直接見聞きしたこと
いつの、どの病院の、どの科の話かは言えませんが、医師の態度が嫌になり、辞めていった事務職の方がいらっしゃいました。
辞める前に、私に話してくれました。
「本当は続けたかったけど、あの医師の態度に疲れました」
話を聞くだけでなく、実際に見聞きした状況からすると、パワハラに該当するかもしれない状態でした。
本人の口から、「その医師との関わりが嫌で辞める決意をした」と直接聞き、もう少し早く状況を誰かが把握し、手を打っていればなんとかなったかも・・・と思ったものです。
でも、そのときにはもう腹が決まっていました。
知ると、見え方が変わる
産業保健の仕事をするようになって、事務職の方々への敬意がより強くなりました。
何をやっているかが見えると、見え方が変わるのです。
医師も看護師も、彼彼女らが何をしているか、実はよく知りません。
椅子に座って楽をしているように映ることがあるとしたら、それは知らないからです。給与計算、環境整備、医師・看護師が見落としたことのフォロー。
私たちが働きやすいように、見えないところで動いてくださっています。
話す機会があれば、雑談レベルでもどんな仕事をしているか聞いてみる。
それだけで、相手の苦労が少し見えてきます。
想像力で補えるならそれでもいいですが、そうでないなら積極的に知りに行くべきだと思っています。
知ると、優しくなれる。バックオフィスへの想いを馳せるとは、そういうことだと思います。
支援者を支援するということ
産業保健の文脈では、人事部も含めて「支援者」と捉えることができます。
ストレスチェックがストレスになる、という笑えない話があります。
実施事務従事者の方々の苦労は、当事者でないとなかなか見えません。
本末転倒ではありますが、その辛さはわかります。
だからこそ、そこを支える存在でありたいと思っています。
支援者が支援できるためには、支援者自身に体力が必要です。
支援者を支援する仕組みが必要だという話はよくします。
自分の振り返り
でも、構造上、そのさらに上流にいる自分はどうなのか。
支援者の支援を語りながら、自分自身が誰かに頼れているかと問われると、少し黙ってしまいます。
最近ではAIの発達がすさまじく、使わない日はありません。
相談、壁打ちはよくします。
でも、人間の温かさが欲しくなることもあります。
バックオフィスの方々を知ることで優しくなれるように、自分のことも誰かに知ってもらうことが、きっと必要なのだと思っています。
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過去の記事はマガジンとしてまとめています。ご興味のある方は、よろしければこちらもご覧ください。
産業保健のマガジン
医療現場のマガジン
私の自己紹介記事とマガジンはこちらをご参照ください。
第1回目の自己紹介の記事
自己紹介のマガジン
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