雪和尚【毎週ショートショートnote】
東京は雪に弱い。
普段あまり雪が降らないから、大雪になると公共交通機関に影響が出ることがある。
個人的に雪は嫌いじゃない。
見ている分にはきれいだ。
車の運転に支障が出るくらいの雪は困るかもしれないけど。
先日の雪も多少積もったけど、日が当たる道路の雪はすぐに溶けて、問題なかった。
静かに降り積もる雪を見るのが好きだ。
雨とは違い音を立てず、気がついたら積もっている。
静かに降り積もる雪は好きだけれど、夜に降る雪を窓から見るときは、ちょっと怖い感覚がある。
特に木の上を見るのに若干の緊張が過ぎる。
それはあの本を思い出してしまうからだ。
真冬の箱根の雪深い山中を舞台にした、僧侶たちが出てくる物語。
……どうしよう。
たまたま窓の外を見たときに、冷たくなった修行僧が木の上で坐禅を組んでこっちを見ていたら。
思わず窓の外を見る。
雪は降っていないはずなのに、木の枝に白い物が積もっているのが見える。
……幻覚?
既に亡くなった虚ろな瞳で凝視され……
(410文字)

こんにちは。
田原にかさんの【毎週ショートショートnote】に参加しました。
お題は「雪和尚」です。
和尚はお寺の住職や高位の僧侶を指すので、文中の修行僧というのは矛盾するかもしれないですが。
お題を見て思いついたのが、雪の日に木の上で坐禅した姿で亡くなっている僧侶の姿だったのです。
怖い怖い。
思いの外、怖い絵ができてしまった。


読んで下さってありがとうございました。
羽根宮でした。
いいなと思ったら応援しよう!
ご覧下さいましてありがとうございます。もしサポートいただけましたら、感謝して活動費に充てたいと思います🐱