中世の北欧で一人で暮らしていた前世の私 #KANOQUEコラボ
「・・・・・・雪の山が見えます。北欧・・・ですかね」
私の手に重ねられた手は時折なにかを確かめるかのように、手のひらの上を動く。
薄く開かれた目は、対面に据わっているのに視線が合わず、何が見えているのかわからない。
この女性は手に触れることでその人の前世が見えるという。
何度か生まれ変わってきた中で一番影響を与えている存在が見えるらしい。
「北欧ですか」
言われた言葉に思わず反応する。
北欧、とりわけフィンランドに憧れがあり、いっときアプリに課金してフィンランド語を勉強していたことがあった。
でも、今日この場にいるメンバーには言ったことがない。
多分、北欧よりもアジア系やアフリカ系の民族調のものを好んでいると思われている。
「そうですね。中世、ですかね。中世頃の北欧。人の住んでいる村というか、そういうところから少し離れたところに、一人で住んでいる女性が見えます」
ヒーラーの女性の語数が少しずつ増える。
その中にも引っかかる言葉がある。
北欧で村から離れたところで一人。
・・・・・・北欧で一人。
「植物に囲まれた・・・・・・林とか森とか自然の中で、民間療法とか、自然療法とかをしながら、ものを作ったり、自分で生活している・・・・・・魔女、とは違うんですが、そんな感じの」
森。自然療法。もの作り。魔女。
「植物と心を通わせていて、植物の気持ちがわかっていたみたいです。人と交流をしたくないわけではないけど、村とかの人からはちょっと遠ざけられていて・・・・・・だから植物に囲まれたところで、植物と一緒に暮らしていた。民間療法とか自然療法をしながら。」
植物と心を通わせる。一人。自然療法。
「・・・・・・今でも、植物のメッセージがわかるんじゃないですかね」
・・・・・・それはない。多分。
花は好き。植物も好き。自然も好き。
ずっと見ていられる。
でも、緑の手は持っていない。
「何か思うところとか、知りたいこととか、ありますか?」
今の自分に一番影響を与えている前世。
中世の北欧で人里離れた自然の中で一人で暮らし、民間療法や自然療法をしながら、もの作りなどをして自給自足の生活。
植物と心を通わせて、魔女とは言わないけど似たような存在。
「・・・・・・以前からフィンランドになんか惹かれていて、フィンランド語を勉強しようと思ったことがあるんです」
話を聞いて思ったことが少しずつ口から出る。
「行かれたことはあるんですか?」
「いえ、ないんですけど」
「行かれたら良いと思いますよ」
ずっと表情が変わらず、どこを見ているのか判然としないヒーラーは、当然のように言う。
行ったこともないフィンランドに、なぜこんなに惹かれるのか。
行けばわかるのか。
「編み物とか手芸をしていて、作ったものを販売したりしていて。生薬とかハーブとか、天然系100%の化粧品とか日用雑貨とかも扱っていて。魔法使いになりたくて。今も、なりたくて。たまに人里離れた誰もいない場所で仙人みたいに暮らしたくなって。今も独身で一人だし。」
言葉が次々口をつく。
思いの外、いつもの自分より早口になっている。
「植物は好きです。花も木も実も。だから、くっ・・・・・・」
あぶない、あぶない。
口から出る言葉に任せて、某漫画の植物を操ることが出来る長髪美形キャラクターに憧れて、ああなりたいと思っていたと言いそうになった。
わりと真面目に思っていた。ちょっとした黒歴史だ。
「でも、植物を育てたりはしてないんです。見るのは好きだけど。ズボラだから枯らせちゃいそうで」
「多分、今も植物の気持ちが分かると思いますよ。キラキラ輝いて見えたりとか、すると思います。今見えなくても、見てる内にわかるようになると思います」
・・・・・・某植物を操る妖狐は植物の気持ちが分かったんだろうか?
輝いて見えたんだろうか。
視てもらったときはそのくらいだったけど。
その後、自分の中でヒーラーの話した人物像が大きくなった。
どんな生活をしていたのか。
どんな場所に住んでいたのか。
フィンランドに行けば何か変わるのか。
そんなことを思っていたら。
noteでこんな投稿を見た。
このメロディに合う歌詞を募集します!
募集期間内(または先着8名さま・予定)に集まった歌詞を・・なんと!
南かのんさんが、歌ってくれます♪
伴奏はくえすが作成します。
歌詞は思い浮かばないけど・・という方へ・・・
このメロディから、何かを連想した方・・作品を創ってみませんか?
・ショートストーリー
・俳句や短歌
・イラスト
などなど
(ただし音声を伴う二次創作はご遠慮ください)
投稿していたのはnoteの街でお世話になっているこの方。
人前で歌うことなんてないと思っていた羽根宮がいっぱい歌わせていただくことになったきっかけの方のお一人。くえすさん。
さっそくメロディーを聴いてみたら、驚いた。
(良かったら聴いてみて下さい)
素敵なお声で歌っていらっしゃるのは南かのんさん。
きれいな澄んだお声の「ランランラランランラララン♪~」という最初のフレーズでハッとした。
ヒーラーの方が言っていた前世の自分が、森の中で植物に囲まれながら歌っている姿が脳裏に鮮明に浮かんだのだ。
歌詞をつけるという企画だったけど。
むしろ歌詞が無い方が良い。
自分の中の過去の自分は鼻歌のように歌っている。
植物と心を通わせながら。森で一人で。
一人でも悲壮感や寂寥感はなく、植物と一緒の暮らしで満たされている。
そんな歌声が確かに聞こえた。

こんにちは。魔法使いになりたい羽根宮です。
あ、どちらかというとヒーラーというかシャーマンというか、そちら側がいいな。
ドラクエで言えば僧侶。
黒魔道士より白魔道士。
あ、でも賢者も良いし赤魔道士も良いかも。

お世話になっている、くえすさんの企画に参加いたしました。
くえすさん、南かのんさん、素敵な機会をありがとうございます。
思わず文字数が多くなってしまいました。
ちなみに羽根宮、KANOQUEコラボの作品「春が来る」に少し参加をしています。
お声がけありがとうございました。
最後に羽根宮に影響を与えている前世の人っぽい画像を投稿して終わります。

髪は三つ編みにしている気がしていたんだ。

かまどがある家に住んでいる気がする。

薬草とか干してそう。

自然療法と三つ編み。

帽子を取って三つ編みにしてもらった。
でも魔女っぽいのも好き。
読んで下さってありがとうございました。
羽根宮でした。
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