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【考察】さらば「サッポロ・ストーン」。聖地の喪失と、日本メーカーが直面した高い壁。

4月21日、世界のクラフトビール業界に激震が走りました。サッポロビールによるStone Brewingの事業譲渡。譲渡先は、Firestone Walkerを擁するDuvel Moortgat USA。2022年の買収からわずか4年弱での撤退劇を少し考察します。

※ある程度しっかりニュース記事などを調べましたが、もし間違っている情報などがあればぜひコメントで御指摘ください。


​1. 巨額減損の裏側

​サッポロは2022年、約200億円を投じてStoneを買収しました。しかし、蓋を開けてみれば、Stoneブランド単体での業績は目標に届かず、多額の減損損失を計上することになりました。

​今回の譲渡でサッポロが手放すのは「Stone」というブランドと一部の店舗。バージニア州リッチモンドの「製造キャパシティ」は引き続き所有すると言われています。サッポロは損失と引き換えに、全米で好調な「サッポロプレミアム」の製造ハブの確保したと言えます。

世界50か国で販売される「サッポロプレミアムビール」
出典: サッポロビール Official Website (https://www.sapporobeer.jp/product/beer/sapporo_premium_150th/)

​2. 聖地エスコンディードの終焉

​2005年にオープンしたカリフォルニア州エスコンディードの醸造所は、南カリフォルニア最大級の規模を誇り、Stone IPAなどを製造するウエストコーストIPAの聖地でした。しかし今回の再編で、この象徴的な拠点からStoneの文字が消えることとなります(ニュースでは、2026年内を目処に稼働を止めるとの記載)。

​「世間と迎合しない」ブルワリーとして誕生し、攻撃的で独創的なビールを生み出してきたStoneの変革。これほど衝撃的な事実は他にありません。

エスコンディードの拠点 出典: Stone Brewing Official Website (https://www.stonebrewing.com/legacy-stone-brewing)

​3. 日本の大手メーカーは、なぜ海外クラフトで失敗したのか?

​今回の事例は、日本のビール大手が海外クラフト事業に手を出す難しさを改めて浮き彫りにしました。

ブランドの「尖り」と、大手の「効率」。この相反する二つを統合することの難しさ、そしてローカルコミュニティに根ざしたクラフトビールを、数字で管理する難しさ。サッポロのこの事例は、今後の日本メーカーのクラフトビール参入にも影響を与えることは間違いありません。

Enjoy Byの発売日を心待ちにしていたファンも多いはず

​4. Firestone Walkerへの譲渡は「希望」か、それとも...

​唯一の救いは、譲渡先がFirestone Walker(Duvel Moortgat連合)であることです。

パスロブレスの拠点を中心に、Stoneが本来持っていた「ロックな破壊力」を再建できるか。サッポロ傘下で迷走していたブランドが、再び輝きを取り戻すチャンスかもしれません。

Union JackやMind Hazeなど高品質なビールを造るFirestone Walkerの下で、どういう変化が起こるか

​5. まとめ

​エスコンディードの工場で作られないStoneのビールは、果たしてStoneなのか?

製造拠点が移り、オーナーが変わり、それでも「Ruination」のあの圧倒的な苦味は守られるのか(そもそも再びRunationが製造されることがあるのか)。アメリカンクラフトビールのファンとして、僕は今後のFirestone体制下での品質推移に注目したいと思います。

​皆さんは、この「効率」が「文化」を飲み込んだ結果を、どう分析しますか?

#StoneBrewing #SapporoBeer #FirestoneWalker #クラフトビール #ビール業界考察

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