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今も昔も甘い罠には気を付けよう(えせエッセイNo.5)

小学校低学年の頃の話だ。
ネズミを捕獲するための罠を仕掛けたことがある。仕掛けたのは家の中ではなく、雪の中だ。

画像のようなドーム型の原始的な罠だった。

獲物が餌を取ろうと中に入ると、入口が閉じて外に出られなくなる単純な原理だ。餌として中に入れたのは、真っ赤な絵の具を丸めたような、小さな南天の実だった。

もちろん、ネズミが南天の実を食べるとは考えていない。のがゎ少年はそこまで馬鹿ではないので安心してほしい。捕獲したかったのは、ネズミではなく、鳥だった。

当時、我が家には大きな南天の木があった。冬になると南天の木を覆いつくすほどの小鳥たちが到来し、我先にと実をついばむ姿を見せていた。鳥の種類はよくわからないが、数種類の鳥がいたことは確かだ。恐らく、冬に飛来する渡り鳥の一種だろう。


「鳥を捕まえて飼いたい!」


幼心にそう思ったのだが……

まさか、|見たこともない鳥が捕獲できるとは思ってもみなかった。

籠の中の鳥を見て、図鑑で調べた。紛れもない、うぐいすなのだ。鶯の鳴き声は聞いたことがあったが、本体を見たのは初めてだった。

残念ながら、鶯は泣かない。どうやら、鶯の最大の特徴である、あの鳴き声を隠し続ける気らしい。
「きっと、春になれば鳴いてくれるに違いない」
そう誰もが考えていたであろう。

いつか鳴いてくれるであろう鶯を飼育することにした。

しかし、これまで鳥を飼育したこともなかったし、今と違って情報を得る手段は何もない。何を食べるのかもわからなかったため、とりあえず南天の実を与え続けた。

人への警戒心もなく、南天の実を美味しそうに食べ続ける鶯の姿は、小さくてとても愛らしかった。

鶯はとにかくよく食べた。
「南天が大好物なんやなぁ。いくらでも食べようるわ」
何の疑いもなく、南天の実を与え続けた。来る日も来る日も与え続けた結果……



太った。


まるまると太った。


そして、死んだ。


死因……

食べすぎ?

どうやら、野生動物は与えたら与えただけ食べるらしい。そんなん知らんやん!

まさかの結末だった。雪が融ける前に、鶯は死んでしまったのだ。鶯の鳴き声を聞くことは叶わなかった。


何て酷いことをしてしまったのだろう。


逆に鳥獣保護法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)で捕獲されてもおかしくないレベルだ。ちなみに、他界した父はとびの雛を捕まえて育てようとしていたことがある。「鳶の巣を見つけたんや!」と嬉しそうに話していたことを、昨日のことのように思い出す。

あの親にして、この子ありだ。

しかし、もう時効だと思うので、見逃してほしい。もし、罪に問われるとしたら、責任は父にあったはずだ。ちなみに、学校の宿題の日記か何かにも書いたことがあるので、担任の先生も知っていた。

あの人も共犯である。

一瞬にして仕留められる罠を仕掛けた話

時は過ぎ、昨日の出来事だ。
困り果てた私は、蜂蜜の壺を使った罠を仕掛けることにした。

その名も『honeypot』

「honeypot」の意味を調べると、「悪意ある不正侵入者を意図的に引き寄せる罠」というスラングがあるらしい。

悪意ある不正侵入者とは……

短期間に送られてきた大量のスパム

WordPressのメールフォームから送られてくるスパムメールである。今まで存在を隠していたはずのメールフォームが突然発掘されたらしく、不定期に大量の謎メールが送られてきていた。

気がついたときには70通以上のメールが届いており、メールボックスが異国情緒で埋め尽くされていたのだ。

メールの中身は意味のない文字列の羅列だった。何やらURLが書かれていたのでよく見てみると、どうやらビットコイン関連のサイトのようだ。URLを見て、サイトの内容がわかるなんて、SEO対策もバッチリである。

敵を誉め称えている場合ではない。何とかしなければ……
そうこうしている間にも、異国情緒のスパムメールは届き続ける。対策は一刻を争うのだ。

WordPressのメールフォームには『Contact Form7』を使っている。『Contact Form7』のセキュリティ対策を調べると、もっともおすすめの方法がGoogleの『reCAPTCHA (v3)』の設置だった。

しかし、使用しているテーマとの相性が悪いのか、上手く設定ができない。『reCAPTCHA (v3)』を設定すると、今度は送信ボタンが押せなくなるのだ。

これでは本末転倒である。

しかたなく、別の方法を探し、長い長い旅に出た。そして、ようやく辿り着いたのが『honeypot』だ。

ボットたちは蜂蜜の甘い罠に仕留められるらしい。ポットに仕留められるボット。想像してただけで笑みがこぼれる。

早速実践してみた。方法は簡単だ。『honeypot』のプラグインをインストール後、有効にしてフォームに埋め込むだけ。3分でできた。

どうやら、人間には見えないが、ボットには見える入力欄があるらしい。どんなものか見てみたい。

スパムメールはそれっきり届かなくなった。今も昔も、罠は有効なようだ。クラウドワークスのおいしそうな罠や、Xの「貧乏から成り上がりアカウント」の甘い罠にも気を付けよう。


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