志村けんという衝撃
子どもの頃から、お笑いやコメディが好きです。
基本的には台湾のお笑い番組やコメディを見ていて、たまに香港のジャッキー・チェン作品やアメリカのコメディ映画を見るくらいでした。
当時、周りの大人たちから
「台湾のお笑いはほとんど志村けんのパクリだ」
とよく聞かされていました。
「志村けんって誰?」という感じで、そのときはまだまったく知りませんでした。
実は、志村さんの番組の海賊版VHSはかなり人気で、家にVHSデッキを持っている大人たちは、ほとんどみんな『志村大爆笑』というものにハマっていて、よく店で借りて見ていました。
ある日、お父さんに同僚か友達の家へ連れて行かれて、そこで初めて『志村大爆笑』という、僕にとっては伝説のような番組を見ることになりました。
正直、そのとき見た内容が面白かったかどうかはあまり覚えていません。ただ、しばらく見ているうちに、ある衝撃的な場面がありました。
その瞬間から、その前後の記憶は全部そこに上書きされたような感じになっています。
それは、志村さんと他の出演者たちが時代劇のような格好をして、大きなサイコロを順番に振り、出た目の数だけ進むという、双六のようなゲームコーナーでした。セットもすごろくのマップのようになっていました。
はっきりとは覚えていませんが、志村さんがサイコロを振ったあと、笑いながらマップ上の水の入った穴に入ると、どこからかほとんど裸でおっぱいが丸見えの若い女性が出てきて、一緒にその穴に入っていくような場面がありました。
そのとき僕は、
「やばい、やばい、これ子供が見てもいいやつなの?日本の子供たちは普段これ見てるの?」
と, かなり緊張と困惑をしていました。
でも周りの大人は誰も特に反応せず、そのまま番組は最後まで普通に続きました。
あとになって考えると、もし誰かがそこで反応していたら、余計に気まずくなっていたかもしれません。
それから数年後、テレビでも日本の番組が普通に見られるようになり、『志村大爆笑』も放送されるようになりました。
放送が始まったとき、まだちゃんと見る前に、
「大丈夫?これ台湾で放送していいの?」
と少し心配していました。
でも実際に見るととても面白くて、たくさん笑っていました。
同級生が「変なおじさん」を真似して、人気者になっていました。
