僕、主人公失格?
最近はもうほとんど見かけませんが、僕が小さい頃の台湾では、小説や漫画のレンタル店が結構流行っていました。
クラスメートの中にも、親がそういうお店をやっている子がいました。
僕にとってそういう店のイメージは、おしゃれでも快適でもなく、ただ店内に本や漫画がぎっしり並んだ棚が何列もあって、その下に木のベンチが置いてあるだけでした。
店の中は静かでした。
みんな木のベンチに座って、黙々と漫画や小説を読んでいました。
身分証明書を預ければ、そのまま借りて帰ることもできました。
でも僕は自分で漫画をレンタルすることはほとんどありませんでした。
大体は兄や友達が借りたり買ったりした漫画を借りて読んで、それで十分でした。
アニメや特撮と同じように、その頃読んでいた日本の漫画もいろいろ衝撃でした。
「衝撃」という意味はちょっと違いますけど。
たとえばドラゴンボールを初めて見たとき。
名前も見た目も完全に西遊記の孫悟空そのものなのに、ストーリーは全然違う。
しかも漫画の最初でいきなりスッポンポンで登場するのも驚きました。
でも、それ以上に衝撃だったのは、ドラえもんでした。
実はドラえもんのアニメが台湾のテレビで放送されるようになったのは割と最近のことです。
子どもの頃は、漫画とVHSのおかげで台湾ではもう国民的人気だったのに、テレビでは全然放送していませんでした。
「おかしいな」
と思ったこともありましたが、漫画を読むうちに、
「もしかして、これが原因か」
と思うようになりました。
たとえば、
ジャイアンはいつも平気でほかの子どもに暴力をふるうし、人の物も勝手に奪います。
スネ夫はお金持ちを自慢して、ジャイアンみたいな力のある子には媚びて、ほかの子を露骨に差別します。
一番ひどいのはのび太です。
主人公のくせに勉強もスポーツも苦手で、宿題もやらない。
普段は臆病なのに、新しい道具を手に入れるとすぐ調子に乗って失敗します。
しかも、静香ちゃんのお風呂を覗きたがります。
「ただのやばいやつじゃん」
って、まずびっくりしました。
しかも、誰も反省しないし、誰も成長しない。
ずっと同じ悪い事や失敗を繰り返しています。
それなのに定期的に、
「実はこの子たちは根が優しい。困ったときは必ず助け合う、最高の友達なんだ」
みたいな雰囲気になります。
それを見て僕は、
「結局みんないい子って嘘だろう」
とか、
「じゃあ、僕みたいに毎日ちゃんと宿題をやって、試験も真面目に準備する子どもは、主人公になれないの?」
とか、ずっと思っていました。
ちなみに、その頃は台湾のテレビ局も頑張って、日本のパクリじゃなく、自主制作の子ども向けアニメを作ることがありました。
ちょっとしか見たことはありませんが、主人公は台湾の小学生で、普通に学校生活を送る教育ものみたいな内容でした。
「めちゃくちゃつまんねぇじゃん。」
と思って、すぐロボットアニメをやっているチャンネルに変えました。
