投資の決め手は人間性とコミットメント──AI特化型VCから見た「Skettt」の可能性
「次世代のIPエコシステムを創る。」を掲げるWunderbar(ヴンダーバー)は、主力事業であるIPマーケティングプラットフォーム「Skettt(スケット)」の急成長に伴い、2025年6月にシリーズAの資金調達が完了したことを発表しました。
本調達を機に、強力なパートナーとして伴走してくださることになった出資企業の1社が、DEEPCOREです。
同社は、AI特化型VCとして知られ、数々の技術系スタートアップを支援してきました。
そんな市場に精通した彼らが、なぜWunderbarへの投資を決めたのか。
今回は、同社のエグゼクティブディレクターの左さんと、アソシエイトの池田さんに、「Skettt」の可能性や、今だからこそ求められる組織の課題について、本音で語っていただきました。
▼シリーズAの資金調達について

左英樹さん
DEEPCORE Executive Director, Investment
海外を含む投資業務に従事。ソフトバンクグループ株式会社の社長室 戦略企画グループにて全社戦略の企画業務に携わった後、投資企画室マネージャーとして同社の投資検討・実行、ファンド立ち上げ業務に従事。その後、ソフトバンク・ビジョン・ファンド 東京オフィスに転籍し、主に中国・東南アジアにおけるスタートアップ企業へのデューデリジェンス、投資実行、投資後のモニタリング業務を経験し、DEEPCOREに参画。 慶應義塾大学経済学部、慶應義塾大学大学院 経営管理研究科卒業。
池田愛和さん
DEEPCORE Associate, Investment
投資業務に従事。学部時代に専攻していた数理統計学の知識を活かしてAIについて体系的に学び、大学院では運動×自然言語処理というテーマで研究に従事。大学院在学時、(株)松尾研究所においてAIを活用した新規事業開発チームに参画。その後、自然言語処理AIスタートアップにて研究に取り組みつつ、事業部門の責任者として事業開発に携わる。大阪大学基礎工学部卒、大阪大学基礎工学研究科修了(工学 修士)。
出会いからスピーディーな投資決定に至るまで

── まずは、Wunderbarとの出会いについて教えてください。
池田さん: きっかけは、サイバーエージェント・キャピタル様が主催するMonthly Pitchというピッチイベントでした。
そこで代表の長尾さんが登壇されているのを見て、すぐにアンケートで「面談したい企業」としてチェックしたのが始まりです。
── 数ある企業の中で、なぜ弊社に興味を持っていただいたのでしょうか?
池田さん: 左は大手の広告代理店の出身で、私自身も広告関連のスタートアップにいた経験があります。なので、広告業界には、まだまだ労働集約的な業務があるという課題感がありました。
そういった背景もあり、まさにその領域を変革しようとしている「Skettt」に強い可能性を感じたんです。
── 投資決定までのスピードはいかがでしたか?
左さん: かなり早かったですね。私たちは多いときで1日3〜5社の投資検討を行いますが、次に進めたい会社かどうかは初回面談でほぼ分かります。
長尾さんとの初回面談では、すぐに本格検討したいという気持ちが固まりました。
投資の決め手は経営陣の「人間性」と「コミットメント」

── 具体的に、何が投資の決め手になったのでしょうか?
左さん:長尾さん自身の課題に対する原体験と推進力、そして人間性です。
契約交渉の際、長尾さんと1対1で2時間ほど話し込んだことがありました。
シード・アーリー期のスタートアップにとって、ガバナンスを含めた体制整備は避けて通れない課題です。その合意をとっていく過程で、お互いに人生観などを共有し合い、共感し、理解し合えたというのが一番大きかったなと思います。
もう1つは、経営チーム全体のコミットメントです。
Wunderbarの経営陣は、互いに背中を預け合い、それぞれの領域に責任を持ってコミットしています。馴れ合いではなく、健全な緊張感を持って事業に向き合っている姿が非常に印象的でした。

── 投資検討の際に印象に残っているエピソードはありますか?
池田さん:対面の面談が終わった後、CPOの伊藤さんから「もう1つだけよいですか?」と止められたことがあったんです。そこで、「Wunderbarとしてこれから本格的に上場への準備を進めていくにあたり、CPOとしてより一層コミットしやすい環境を整えるために、家族揃ってフィリピンから日本に引っ越してきた」というお話を伺いました。そのとき、伊藤さんの事業にかける熱い想いを感じましたね。
また、CTOの柳澤さんが見せてくれた姿勢も印象に残っています。 当時、社内にCFO的な役割を担うメンバーが不在だったなかで、柳澤さんが専門外のファイナンス業務を引き受けていたんです。
デューデリジェンス(投資検討プロセス)においても、専門知識がないなか、少しでもわかりやすく伝わるように努めてくれました。
事業の鍵を握るのは「プラットフォーム」と「AI」

── 「Skettt」の市場のポテンシャルについて、どのように評価されていますか?
池田さん: 中小企業の皆様が「広告にタレントを起用したい」という強いニーズを持っていることは、これまでのトラクションや受注状況からも明らかだと感じています。
今広がっている市場がどれくらいかというよりかは、ニーズが実際にどんどん広がっていることから、ポテンシャルを感じています。
左さん:「Skettt」は、業界の課題を捉えたすばらしいサービスです。
ここからさらに事業を飛躍させていくための鍵は、「プラットフォーム」と「AI」の活用にあると考えています。
広告主様とタレント事務所様の間に入るプロセスはとても複雑です。
これを「Skettt」というプラットフォーム上で、広告主様がタレントを選び、クリエイティブを制作し、事務所様がチェックを行う……という一連の流れとして完結できるようにする。そうすることで、その労働集約的なプロセスから解放され、生産性は劇的に高まるはずです。
さらに、生成AIを使ってタレント様のビジュアルを広告主様のニーズに合わせて最適化できるようになれば、非常に強力なツールになります。
この2つこそが、「Skettt」をさらに強くする鍵であり、我々としてもしっかりご支援していきたいと考えているポイントですね。
これからのWunderbar

── 今後Wunderbarがどのように成長していくと期待されていますか?
左さん:今、WunderbarはシリーズA前後にあり、PMF(プロダクト・マーケット・フィット)を経て、次のフェーズに突入しています。
やっぱりPMF前と後の組織では、大きく違うと思っています。
ここから事業をそのままスケールできる会社と、そうでない会社。この2つを分けるのは、組織のあり方であり、その前提となるMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)やスピリットの浸透度合いだと考えています。
これまでは、長尾さんや経営陣が見渡せば、大体みんなの顔が見えるような距離感だったと思います。でも、これからさらに組織が大きくなっていくと、そういうふうにもいきません。
だからこそ、組織としての一体感や、向かうべき方向性を明示して、社内に深く浸透させていくことが重要になってきます。
すでにあるMVVやスピリットをいま一度棚卸しして社内に浸透させていくことが、非常に重要なフェーズに入っていくのではないかと思いますね。
池田さん:今後、成長の要所要所で足りない人材が出てくるはずです。そして、なかなかよい人材に出会えないという課題を抱えることもあると思います。
そういった課題を解決していくために社内体制を整えたり、株主をうまく活用して採用したりしながら組織を拡大できると非常によいのではないでしょうか。
── 株主として、今後どのようにWunderbarと関わっていきたいとお考えですか?
左さん:我々はAI特化型のVCなので、特にプラットフォームやAIに関わる支援でバリューを発揮できるのではないかと考えています。Wunderbarの成長にレバレッジが効くポイントだと思いますので、長尾さんをはじめ、経営陣の方としっかり寄り添いながらご支援していきたいですね。
池田さん:事業会社様やVC様とのネットワークもありますので、アライアンスなどのご支援もできればと思っています。
左さん:我々を取り巻くステークホルダーがWunderbarのお客様になる可能性も十分あると思うので、その先駆けとして、弊社の支援パッケージと「Skettt」のサービスを連携できるとよいですね。
そういったお客様のご紹介も含めて、幅広くご支援させていただきたいです。
今回は、Wunderbarの強力なパートナーであるDEEPCOREの左さんと池田さんに、客観的に見たWunderbarの組織力や「Skettt」のポテンシャルについて語っていただきました。
本記事を通じて、成長過程にあるWunderbarの等身大の姿を感じていただけたら嬉しいです。
Wunderbarは、今後も心強いパートナーとともに、「次世代のIPエコシステムを創る。」というミッションに向かって、一歩ずつ成長してまいります。
\Wunderbarは一緒に働く仲間を募集しています/
