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【Z-A深層考察】無色透明な主人公の正体と「ペルソナ」の街ミアレ


ZA考察2つ目です。たいよろです。

注意:

・ポケットモンスターZAをクリアしている前提での考察となる為ネタバレを含みます、また他シリーズのネタバレ等も含む可能性があります。その点はご了承下さい。
・他シリーズのタイトルなど略称または俗称を使う事があります。(Ωルビーαサファイア→ORASなど)

序論:都市の再構築(Reconstruction)と自己の再生(Identity)

ミアレの再開発計画は、単なる都市の変革ではなく、3000年の歴史の中で生まれた「ズレた理想」と、それに直面して「自己同一性(アイデンティティ)の危機」に陥った登場人物たちの再生(再出発)の物語です。

その再生の中心に立つのが、過去や個性を一切持たない「無個性な主人公」です。
無個性とはいえバトル前のセリフはキレキレだったりしますが基本的には台詞が少なく、受容体であると言えます。

巷ではシャバ帰りなどと言われていますが、これを覆し、主人公「キョウヤセイカ」について完璧に読み解き、この正体はテーマの体現者であると結論付けます。


主人公は、固着したペルソナ(役割としての仮面)に苦しむ主要人物の葛藤を映し出す「鏡」として機能し、彼らが真の自己を見つけるための「空白(未来)」を提供します。

小難しい事を言っていますが、ペルソナ5です。
端的に言うと戦いを通して解り合い、街と成長する話です。
そこには過去の何かしらから来ている仮面(ペルソナ)があり、一緒に正しさを探す(選択する)事に真髄が隠れています。


という訳で本章は、主要人物が抱える自己同一性の理由を分析し、都市の「立て直し」を通じて、「挫折した人間たち」が精神的に立ち直り、新たな未来を創造するプロセスであり、ついでに無色透明な主人公が光の街ミアレに「色(彩)」を取り戻す物語であること考察します。

第1章:自己同一性(アイデンティティ)とペルソナの概念

ミアレの主要人物は、「私は何者であり、
どこに属し、何をすべきか」という自己認識が揺らぐ「自己同一性の危機(Identity Crisis)」にあります。


彼らは、心理学者ユングの提唱する「ペルソナ」、つまり社会に適応するための「仮面」を、挫折や不安から自己を守るために過度に自己の核としてしまい、そのペルソナが崩壊する危機に直面し乗り越えようとしています。

各キャラがこれらを抱えている


第2章:MZ団メンバーの「固着したペルソナ」と主人公の役割


MZ団のメンバーは、それぞれ異なる動機でペルソナに固執しています。主人公は、過去に囚われた彼らの「影」を受け入れさせ、新しい未来へと導く触媒となります。

基本的には本編の前に挫折要素が存在

わかりやすい例としてデウロですが、
同僚が自己実現の欲求を叶えつつある中、
安全の欲求(住居、経済的安定)が脅かされた状態でした。

この様な背景がある為か、メガチルタリス討伐の際に突如この様な事を聞いてきます。

・「撫でる癖」と心理的な表出
髪を撫でる癖は、心理学的には自己触知行動(Self-touching Behavior)の一種と見なせます。
• これは、不安や緊張を和らげる、あるいは思考を整理する際に無意識に行われることが多い行動です。
・MZ団作戦会議中によく行う行動ですが、お気楽そうな雰囲気とは裏腹に、彼女が常に状況を分析し、冷静さを保とうとしている内面の緊張感の表れである可能性が高いです。
・今回の様に過去の思い出から不安を提起し承認を得られた際に安堵の表情と共に自然に出てしまったものかと推察できます。


ガイ/タウニーについては終盤の蛮行における未熟さの理由をこの様な心理描写と瞳のハイライトが揺れる描写などから読み解ける様になっています。

ハイライトが揺れている

これについては長いので、超深掘り記事を作成しました。
気に入って頂けたら後でコチラの記事も是非ご確認下さい。


第3章:強者たちの「ズレたペルソナ」とミアレの贖罪

MZ団以外にも、ミアレを巡る強者たちは、挫折や固定観念から「力による制御・理想」を志向し、そのペルソナが街のアイデンティティを阻害しています。
彼らのズレた理想を修正することが、ミアレの歴史の贖罪に繋がります。

3-1. 制御を志向する者たちのペルソナ

強者たちのペルソナは、「力」をどう行使し、ミアレをどう支配(制御)するかという理想のズレによって分類されます。

全てのキャラの分析するのは描写が薄かったり読み解くのが困難ですが、ある程度はまとめれたと思うので一つづつ載せます。

トレーナーとしての強さは絆の力もあり、グリはランク戦でも大トリを飾り、ジガルデのトレーナー候補だった為、明確に強者だったと言えます。
主人公を除いて最も理想に近い強さでしたが、いずれも過去に囚われていました。

「グリを過去から解き放つ」の後

F本人もAZも最終兵器を使った過ちを、
科せられた使命を全うするまで囚われていました。

ジャスティス協会

NPC曰く「ある少女(ユカリ)に敗北後、格闘技を始めた」。絆の力はあるものの、強さの方向性がズレている。筋肉をまとう事が彼にとってのペルソナなのかもしれない。

サビ組

故にジプソは鋼タイプ

手段を選ばない制御と恩義。MZ団への詐欺的行為は、情報収集のための合理的な警戒行動と解釈でき、問題を起こさない事に長けているが手段はあくまで裏から街を守る事。
この理想が悪いわけではないが、本来は恩師(フラダリ)の様に表から自分の様な人間に支援したかったと思われる。


ラシーヌ工務店

タラゴンは本当に不明

上位ランカーであり実力はあるが、対戦は積極的ではない。
祖父の通称「バ美肉」は、許可こそしているが流石に引いており、配信者としてならともかくアイドル的な人気の上昇は少々面倒に思っている。

二人で一つの偶像を作り、ラシーヌ(フランス語で根っこ)の名の通り娘を縁の下で支えながら理想を「演じている」


MSBC

ガラルと戦争をしていた想定、
ハルジオは過去作の流星の民だったのかもしれない

MSBC内NPCの話を参照すると、
「ポケモンと最高の時間を過ごす為に力のある者が責任を果たす」という考えで、
「人にとってもポケモンにとっても最強の街にしたい」というのが夢。
絆の力も十分あり、ダンデ(剣盾の人物)との関係からもそうとうな強者であるが、我欲や傲慢さといった強さのズレが見られる。

シローとは「ミアレのトレーナーを最強/最高にする事」というズレながらも同じ道だった。


3-2.ズレた理想の制御と真の共生

ミアレの歴史は、AZの時代から「力による制御」と「排他的な理念」によって歪んでいました。
ポケモンを壁で囲い管理する現行の「ズレた共生」が都市開発によって見直されること、これがテーマの核です。
真の共生=「人間とポケモンの精神的な進化」
真の共生とは、都市を物理的に建て直すことだけを指しません。
これにより理想や理念を正しく持つ事にあると思われます。

1. 物理的進化: 暴走メガシンカというポケモンの制御不能な力(自然の理)に、人間が挫折と経験を通じて得た「絆の力(メガシンカ)」で協力すること。

2. 精神的進化: AZが死をもって呪縛から解放され、Fが贖罪の旅を始めるように、挫折や喪失を抱えた人間たちが主人公という鏡を通じて自己を解放すること。

「力による制御」から「絆による受容」へ。
ミアレの都市開発の完了は、人間のエゴや悲劇の壁が取り払われ、人間とポケモンが心から自由を謳歌しつつ共存できる世界が実現した時、すなわち真の共生への第一歩を意味しているのです。

ミアレの物語は、3000年の時を経て、過去の過ちを認める者(AZ、F、モミジ)と、未来を創造する者(MZ団、カナリィ)が主人公という鏡を通じて結集し、共に再出発する「魂の進化」を描き切っています。故に列車から始まっているのかもしれません。

この再開発の旅が、私たちプレイヤーにとって、自分のペルソナを見つめ直し、真の自分と向き合うきっかけとなり、それをどう選択するかは現代の私たちにしかできないというメッセージが込められています。


第4章:無色の主人公が街に「光(彩)」を灯す

プレイヤーの皆様が最も「無個性」と感じたであろう主人公こそ、この物語の最も重要な「触媒(鏡)」です。

主人公が特定の理念を持たないからこそ、対戦や対話を通じて相手の内面を深く探り、キャラクターたちが纏うペルソナを一時的に剥がし、「挫折を乗り越えた後の真の動機」と向き合うジュプナイルストーリー(少年や少女の成長と冒険を描く物語)です。

戦いを通じて「解り合う」

主人公は、彼らの自己同一性を確立させるための存在なのです。

これは過去作レジェンズアルセウス等においても重要なテーマの一つとなっています。

己が何者か相棒と戦いを通じて解り合うため

同時にミアレの再開発(Reconstruction)は、
主人公と過去を乗り越えた人々と守った理想の街として共に成長(シンカ)する事を視覚的に表していると考えられ、これも一つのテーマであると推察できます。

カイも思いを勝負で伝えていきたいと言う
解り合えば「世界を知る」

補足:コギトポエム15
じかんとは とまらないもの
かこと みらい そして いま…
くうかんとは すべての ひろがり
そして こころも くうかん…

ミアレの街もヒスイの土地も人とポケモンによって解り合う事で世界(空間≒こころ)が広がって行く、
(メタ的ですが20番エリアに御三家が追加される、DLC等が該当。)

これはレジェンズシリーズに限らずですが、アルセウスにて明確化されたと読み解けるポケモンというシリーズを語る上でかかせない重要なメタファーであると言え、
ミアレにおけるズレた理想はシローとユカリの様に各々が「それぞれの道を歩みつつも同じ点がたくさんあった。」

そして王だったAZやユカリなども我欲による制御という対比構造になっており、ED後のガイ/タウニーの母のメッセージに繋がっています。

交わらないXとYが多かった

・まとめ

夢や憧れで輝く街

無色透明な主人公が、街と人々の葛藤を通じて得た「光(彩)」で、ミアレという都市そのものを「真の共存」という理想の彩に染め上げる物語がこの作品の真髄であり、言い換えると
街と人々の葛藤を通じて得た生命の光はメガシンカの光(前回の考察)であり、無色の石(意志)にも彩を灯し、全てを「無に還す光」に繋がり、それは3000年の贖罪であり精算(0にする)と言えるでしょう。

故に名前が「キョウ/セイ、つまり、
「キョウ/セイ」=「共生」
この体現者が主人公であり、メインテーマに最も相応しいと言え、真の共生をプレイヤーと歩んで選択できる唯一の存在である事こそ無個性である主人公の正体でもあり、アイデンティティでもあると結論付けて終わります。

・おわりに

色(彩)とはが無いと見えないものであり、
影(ペルソナ)もによって映される。

同様に原石は磨かないと輝き発さないものであり
他シリーズに深く通じる偏在する強いテーマであると感じました。

光を主軸に派生している


(第2部 終)

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